「中学生の税の作文」

現在、立川市役所1階の多目的スペースで、令和2年度「中学生の税の作文」作品展が開催されています(12/18まで)。

これがどれも素晴らしい作品でしたので、是非紹介させてください。

最初に、今回「立川市長賞」を受賞した生徒の作品です。題名は「消費税と幸福度」。

この生徒は、これまで消費税を払うときは商品に上乗せされるので『残念な気持ち』だったそうです。ところがある時、幸福度が高い国は消費税率が高いことを知ります。調べていくと、たとえばデンマークでは、出産・教育・医療・介護が無料であることが分かったそうです。自身の経験からも、税金が高くても社会保障制度のために上がるのであれば、「特別な理由で普段より多くかかるお金」の心配は減るだろうと述べて、こう結んでいます。

『税率が上がるという一面だけでなく、上がることで生まれる生活のしやすさや自分とは違う立場の人の視点、未来への影響といった様々な面を捉えようといった姿勢が大切』。

次に「納税貯蓄組合連合会 優秀賞」を受賞した生徒です。

この作文では、『高等教育の無償化』を例に挙げて、『母に苦労をかけすぎずに大学まで行けるかもしれないと思ったら、本当に嬉しかった。そのための税率引き上げなら、喜んで支払いたいと思った』と率直な思いを述べています。さらにそこから『医療・年金・介護をはじめ、公共事業や文化の発展など、私たちが安心・安全で豊かな暮らしをするために、様々なところで税金は使われているのだ』との気づきを伝え、最後にその生徒はこのように呼びかけます。

『つい目先の、支払う額だけを見てしまいがちだが、その先にある、私たちの暮らしをつくるためのその「使い道」に目を向ける事が大切なのではないだろうか。』

僕がたびたび紹介しているベーシック・サービスですが、この作文を読んで、まさに次の世代の人たち、未来の大人たちがその実現を待っているという感を強くしました。

最後に「東京都立川都税事務所長賞」を受賞した生徒の作文を引用したいと思います。

『一部の人たちは「税金を下げろ」とか「税金なんか払ってられない」とか言うが、私たち将来世代のために、税金の使い道についてもちゃんと考えてもらいたい。誰でも、税の負担は軽くしてほしいだろうし、公共サービスなどは手厚く受けたいはずだ。でも、負担と受益は、現在と将来も含めて、全体のバランスが必要なのだと思う。』

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