セーフティネットとしての公営住宅に連帯保証人は必要なのか

令和2年第1回定例会(2020/02/19)

議案第27号 立川市高齢者集合住宅条例の一部を改正する条例
議案第28号 立川市営住宅条例の一部を改正する条例

民法改正と入居要件の緩和のために、市営住宅に入居する際の連帯保証人を廃止し、代わりに緊急連絡先とする条例改正案が提案されました。
全会一致で可決し、同日施行(実施)となりました。

これまで市営住宅に連帯保証人を求めないことを長く訴えてきましたが、ようやく実現しました。

これによって、新しく市営住宅に入居する方だけでなく、現在入居している方の連帯保証人も、希望すれば「緊急連絡先」に変更できます。


平成30年3月第1回定例会(2018/02/28) 議事録より

◆6番(大沢純一君)

市営住宅についてお伺いいたします。

冒頭の質問への答弁ですが、次回7月には15戸程度募集が可能だということで、今後の住宅改修についての認識をいたしました。

ここで、これは以前も御指摘させていただいたことではございますが、市営住宅に入居する際の連帯保証人について伺います。

2015年3月の定例会で、市営住宅の入居条件として求められる連帯保証人について私は一般質問をしました。
それまで連帯保証人になれるのは東京都内に住んでいる人か、あるいは都内で勤務している人、これが要件でありました。それを少なくとも都営住宅と同様に国内に住んでいる人ということで改めるべきではないかと、こういうことを求めましたところ、その年の5月には市営住宅の条例施行規則を改正していただき、7月1日に施行いたしました。これによって連帯保証人の範囲を東京都から国内へと拡大していただきました。

ところで、改めて伺いますけれども、なぜ市営住宅に入居する際に連帯保証人を求めるのでしょうか。これを伺います。

◎市民生活部長(井田光昭君)

市営住宅の入居時におけます連帯保証人につきましては、市営住宅条例第11条第1項及び同条例施行規則第11条第1項に規定されておりまして、一つに日本国内に住所を有する者、二つに独立の生計を営む者、三つに確実な保証能力を有する者であることの三つの条件がございます。

連帯保証人を求める理由といたしましては、家賃の滞納や不慮の事故、病気の際などの緊急連絡先として提出していただいているものでございます。以上です。

◆6番(大沢純一君)

これまでも御指摘させていただきました。公営住宅というのは、住生活基本法、そして公営住宅法、住宅セーフティネット法、こういった法律を根拠にして整備されています。その役割としては、民間の賃貸住宅はなかなか借りられない方、その多くは経済的な理由が多いと思いますけれども、民間賃貸住宅の家賃を払うことが困難な方に対して、公営住宅がその受け皿になることを求めていると、こういったことであろうかと思います。

経済的困窮に至ってしまう中で、身内や知人との人間関係が疎遠になってしまうことも多いと思いますし、またそういった方にとって保証人を探すこと自体が難しい場合も少なくないのではないでしょうか。

今、なぜ保証人が必要なのかということについて伺いました。その中に、家賃の債務ですとかいろいろありましたけれども、いざというときの連絡先ということ、これもありました。

現状では、今御答弁にございましたとおり、市営住宅の入居時における連帯保証人について、市営住宅条例施行規則第11条の中で、独立の生計を営む者とともに、確実な保証能力を有する者との条件を満たすことが求められている、こういったことになります。つまり、単なる緊急時の連絡先だけでなくて、本当に生計を担保とした保証能力も求められているという、こういったことになります。

ですが、一般的な連帯保証人でも、一番は金銭的な義務を契約者と連帯するのが中心ですけれども、この市営住宅に入居する際の連帯保証人といったとき、やはり同様に規則上は金銭債務の連帯保証を指しています。

そうであるならば、やはりこの連帯保証人になるという、特に心理的なこの抵抗感というのは大きいんだろうなと思います。こういった保証人、最近はなり手がどんどん少なくなっているという現状もあります。

同様の理由で、現在民間の賃貸住宅では、入居契約に当たり、保証人のかわりに保証会社を利用することが多くなっておりますが、この流れは現在公営住宅でも広がっております。

例えば、沖縄県うるま市では条例改正が行われまして、昨年平成29年4月1日より、保証人として家賃保証会社も選択できるようになったということです。また、横浜市でも住宅確保要配慮者に対して、横浜市民間住宅あんしん入居事業として、保証人の要らない物件のあっせんや、入居の際に保証会社を利用できるという環境を整備しているようです。また、制度化されていないまでも、公営住宅における家賃保証会社の利用は全国の自治体でこれは検討されております。

民間賃貸住宅の動向から見ても、本市の市営住宅で保証会社を使えるようにすべきと考えますが、それについて見解をお示しください。

◎市民生活部長(井田光昭君)

現在の条例規則では、連帯保証人は個人でなければならず、保証会社の使用はできない規定となってございます。一方で、少子高齢化、核家族化等の社会情勢の変化によりまして保証人が見つけにくいこともあるものと思われます。また、他の公営住宅で保証会社が使える場合や、連帯保証人について特例を設けている場合があることも承知してございます。

今後、住宅管理上の課題の有無や東京都や他自治体の動向を注視し、保証会社の利用について研究してまいりたいと考えてございます。以上です。

◆6番(大沢純一君)

なぜこれを伺うかといいますと、先ほど冒頭で御答弁ございましたとおり、今回は空部屋の修繕によってこれまでにないくらい入居者が募集できる環境になったという、こういったことがあるからなんです。これまでは一回に大体数部屋から五、六部屋という、そういったことが募集の戸数だったと思います。それが今回15部屋も供給されることになるという、このことは緊急性や必要性の高い市民にとって大変意義が大きい、こういったことであると思いますし、これ自体は本当に評価したいと思います。

しかし、それでも高い倍率の中にあって、入居の抽せんに当たって、条件である連帯保証人を用意できなければ入居ができない、そもそも現状では連帯保証人を立てられないことで応募すら諦めてしまう方がいるのも現実です。実際に私もこういった御相談をいただいております。

また、現在立川市の社会福祉協議会で行っている入居支援制度というのもございますが、これも利用できる方が限定されているという、こういった状況もあります。

ですから、この保証会社を使えるようにするということについては早急に、今研究するということもありましたけれども、これを本当に進めていただいて検討していただくことを要望したいと思います。

ただ一方で、以前も指摘させていただきましたセーフティネットとしての公営住宅には、そもそも保証人が本当に必要なのか。これは以前より問題提起をさせていただいております。

きょうのところは答弁はこれについては求めませんけれども、このことについても制度の本質から議論されることを望みます。


平成30年9月第3回定例会(2018/09/04) 議事録より

◆6番(大沢純一君)

次に、連帯保証人について伺います。

去年5月26日に民法を改正する法律が成立しまして、6月2日に公布されました。この法律は、2年後の2020年、平成32年4月1日から施行されますけれども、この中で債権法分野の改正も大きく行われたわけであります。

その一つが賃貸住宅の契約に関してであります。

これまで、賃貸契約の際の保証人の保証額には上限についての規定がありませんでした。今回の改正で、賃貸契約の際に極度額、つまり保証の上限額を明記しなくてはいけなくなりまして、これは民間の賃貸契約だけでなく、公営住宅の賃貸契約にも適用されることになります。

これを受けて、国土交通省から住宅局住宅総合整備課長名でことし3月30日に通知が出されました。

スクリーンをごらんください。

これは、平成8年に当時の建設省から出された公営住宅管理標準条例案という通達で、これまで公営住宅の管理については、この通達を参考に自治体で条例がつくられてきたわけであります。その中で、これまで連帯保証人については、国としては保証人をつけることを要件としなくても差し支えないこと、さらに入居者の努力にかかわらず保証人が見つからない場合には、保証人の免除などの配慮を行うべきことが示されてきました。
今回の民法改正を受けて国土交通省から出された通知では、極度額が明示されることにあわせて単身高齢者が増加する中で保証人の確保が今後より困難になっていくことから、保証人に対する規定を削除し、さらに低所得者に対して特段の配慮をとまで求めております。そして、このことについてはさらに踏み込んで、保証人の確保を公営住宅への入居に際しての前提とすることから転換すべきであるとまで示しております。

スクリーンを終わります。

そもそも、この市営住宅を借りる際の連帯保証人については、4年前、私が議会で取り上げさせていただき、これまで東京都内に在住か都内に通勤している人しか連帯保証人になれなかった規則を、国内に住んでいる人であれば連帯保証人になれるように改正がされました。

ただ、私は当時からセーフティネットの住宅に連帯保証人が本当に必要なのかどうかという、こういった課題を提起してまいりました。

さらに、昨今の社会状況の中で、民間住宅の賃貸契約に際しては保証人ではなく保証会社が使われることが多くなっていることから、市営住宅でも賃貸契約には保証会社を使えるようにすべき、こういった要望をしてきたわけであります。

こうした連帯保証人のあり方について、今後どのようにお考えかお示しいただければと思います。

◎市民生活部長(井田光昭君)

現在の本市の条例規則では連帯保証人は必要となっておりますが、他の公営住宅で保証会社が使える場合や連帯保証人について特例を設けている場合があることは承知しております。

また、民法が改正され、平成32年度に施行される予定ですので、これに合わせ適切に対応していく必要があると考えております。
今後も国や東京都の動向に注視してまいりたいと思っております。以上です。

◆6番(大沢純一君)

この連帯保証人制度というのは今後の社会の大きな課題でもありまして、あり方については今後も議論していきたいと思いますけれども、そもそも低所得者向けの住宅である公営住宅で家賃の滞納が発生した場合に、それを取り立てることに力を入れるんではなくて、世帯の生活状況に何らかのよくない変化があったものと捉えて支援につなげていくという考え方が重要だというふうに思います。

公営住宅の賃貸契約において連帯保証人は不要であるというのが私の一番の考えではありますけれども、保証会社を利用することのほうがかえって効果的だと思われる事例がありますので、ここで紹介させていただこうと思います。

スクリーンをごらんください。

先月、鹿児島県のNPO法人から話を伺う機会がありました。やどかりサポート鹿児島というNPO法人で、貧困や障害などで住宅を借りる際に連帯保証人が立てられない人に連帯保証人を提供するという、こういった事業をやっております。

先ほど申し上げました保証会社ですけれども、これを利用する際には通常はこのように借り主が大家と賃貸契約を結ぶ際に、今利用者というのが借り主ですね、結ぶ際に、保証会社に保証を依頼し、保証会社は大家に家賃保証をするという、こういう三者での関係になります。

今回お話を伺ったやどかりサポート鹿児島というのはこの保証会社になるわけなんですけれども、このNPOでは、ここに支援者という、この右側の支援者というものを置きます。そして、この支援者が借り主であるこの利用者の生活相談などの支援をして、この生活状況の変化があった場合などに対応する、こういったことを行っております。ここではこの支援者の役割がとても大きいという、こういったことでありました。

このNPO法人がことし3月30日、生活困窮者、高齢者、障害者等に対する居住支援の現状と課題解決のあり方に関する調査研究事業報告書というものを出しました。ここで示されているのが支援者の有無でどういうふうに違いがあったかというものでした。

この表は、保証会社として利用者に支援者をつけた場合とつけなかった場合の比較です。それぞれの支援件数というのはそんなに変わりません。ところが、この保証事故、つまり利用者が家賃を滞納して保証会社がかわりに支払った件数というのは、支援者なしは支援者がいた場合の2.8倍、支払った額は3.6倍に上った、こういったことが示されたわけであります。

こういった結果を受けて、この報告書ではこの支援者ありと支援者なしの間の支援のかかわりの濃淡と、その後の利用者の生活の安定度との間には明確な関連が見られますとしておりまして、さらに、つながりがいかに利用者の居住の安定と質の向上のために重要であるかが明らかであると言えると結論づけております。

スクリーンを終わります。

このつながりがやはりさまざまな施策でキーワードになってくるということを問題提起させていただきまして、次の質問に移ります。


平成31年3月第1回定例会(2019/02/28) 議事録より

◆6番(大沢純一君)

現状ではセーフティネットにアクセスすらできない市民をどうするのか。また、最近、近年では増加しつつあります精神疾患を持つ人などが住まいを借りることが困難である、こういった現実がやはりあります。

ずっと、こういった市営住宅を借りる際に保証人をなくすべきだという話もしてまいりました。ただ、その保証人のかわりに保証会社という、こういった流れも今世間でなっておりますけれども、そういった保証人が用意できない人が、今度は保証会社となると、今度は保証会社の保証料が高いから、ここで保証人がつけられない。やはり住宅を探すことは困難だという、そういった壁もあります。


令和元年12月第4回定例会(2019/12/03) 議事録より

◆6番(大沢純一君)

市営住宅の入居及び退去について伺いたいと思います。

まず入居についてですけれども、ここで先ほどのことになるんですが、セーフティネットとしての住宅に連帯保証人を求めることについて疑問を申し上げて、これまで連帯保証人の廃止を求めてまいりました。

先ほどおっしゃっていただいたように、前回、平成30年9月の一般質問で、民法改正されたことを受けまして国土交通省からの通知、これを取り上げさせていただきました。この通知では--改めて申し上げますと、法改正によって、賃貸契約では保証人の保証額について極度額の明示が必要になったこと、単身高齢者が増加する中で保証人の確保が今後より困難になっていくことから、法改正を機に保証人に対する規定を削除すること、さらに低所得者に対して特段の配慮をすべきであり、保証人の確保を公営住宅への入居に際しての前提とすることから転換すべきである、こういったことを申し上げてまいりました。

そうした連帯保証人のあり方に対して、その際の行政からの答弁は、
民法が改正され、平成32年度に施行される予定ですので、これに合わせて適切に対応していく必要があると考えております。
今後も国や都の動向に注視してまいりたいと思っております。
--こういった御答弁がありました。

ことしの11月の入居募集から、東京都の都営住宅、これの入居に当たっては、連帯保証人が廃止をされました。新たに連絡人制度となりまして、新たな制度のもとでは、入居者からの使用料の支払いを怠った場合に、東京都とともに支払いを促すだけの役割、これが求められることになりまして、これまでの保証人という制度じゃなく、入居者にかわって未払い使用料の債務を肩がわりすることは求められない、こういった制度になったわけです。

さらに、連絡人制度への変更は、新たな入居者だけでなくて、入居者が申請すれば既に入居中の世帯の連帯保証人にも適用されることになっております。

これに合わせて、やはり本市でも連帯保証人制度を改正すべきと考えますが、これについて見解を求めます。

◎市民生活部長(井田光昭君)

令和2年4月1日からの改正民法施行によりまして、連帯保証人を求める場合は極度額を定めなければなりません。本市としましては、極度額を定めるか、あるいは連帯保証人を求めないかを条例等の改正を含め、現在検討しているところでございます。以上です。

◆6番(大沢純一君)

これまでもそもそも低所得者向けの住宅である公営住宅で家賃の滞納が発生した場合に、それを取り立てることに力を入れるんではなくて、世帯の生活状況に何らかのよくない変化があったものと捉えて支援につなげていくという考え方が重要だということも申し上げさせていただきました。

以前には、そうした一例として、鹿児島県にあるNPO法人の活動も紹介させていただきました。

今お答えがあったように、私としては連帯保証人はなくすべきだ、保証人--まあ、都に準じる部分もあり、またこういった保証人という、そもそもつけづらいんであれば、時代に合わせて連帯保証人というのをなくすべきだというふうにこれまでも主張してまいりましたし、今でもそう思っておりますけれども、ただ保証人をしっかり、保証人という立場だけれども、それを活用して見守りにつなげるということができるんであれば、それは保証人としての一つのまた違った役割を持てるんだろうなというふうに思っておりますので、この辺は御紹介させていただいた事例もあわせて、セーフティネットとしての住宅のあり方、ぜひ検討していただきたいというふうなことを申し添えたいと思います。

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