住宅マスタープランにおけるセーフティネットの取り組みについて

令和1年12月第4回定例会(2019/12/03) 議事録より

◆6番(大沢純一君)

先日24日、38年ぶりに来日されたキリスト教カトリック教会のローマ教皇が被爆地である広島と長崎を訪問。ここで、

平和と安定は団結と協力に支えられた道徳観からしか生まれない。相互不信が軍備管理の国際的枠組みを崩壊させる危険がある。

--という趣旨の演説をされました。

27日の日本経済新聞の紙面では、これに対して、「多国間協議を拒絶する単独行動を批判した発言である」と指摘、「教皇のメッセージには、台頭するポピュリズムへの対決姿勢が読み取れる」と主張しました。

ポピュリズムが台頭する理由は、既存の政治、体制に対して有権者が不満を募らせ、あるいは失望していることにあると言えます。

一方で、ポピュリストと言われる政治家の多くは、敵をつくることでみずからの正当性を主張するという手法をとりますが、それによって同調する有権者も排外主義へと進んでいってしまう。そのような構図が欧米の民主主義先進国と言われる国々で発生しており、我が国でもそういった様相が幾つも見られるようになってきました。これは国民が日々の生活、そしてその将来に大きな不安を抱えていることの表出です。

そのような世情が戦争という最悪の事態を起こしたのがこれまでの歴史であり、その最大の過ちが核兵器の使用です。

演説でローマ教皇は、これを「犯罪以外の何物でもない」と断罪されました。

そうした歴史の分岐点に挑むとき、政治の大きな使命の一つは、その不安を受けとめ、誰も置き去りにしない社会をつくること。つまり、セーフティネットのより一層の強化であると考えます。それによって生活の安心をつくり、そして将来への期待につなげていくことです。

地方自治法の最初に掲げられているのは福祉の増進ですが、その地方政治の第一の使命ともあわせて、最初に本市のセーフティネットの課題について聞くものです。

これまで何度も申し上げてきたことですが、福祉の始まりは住まいです。全ての福祉施策は住むところが決まってからスタートをする。住まいとはセーフティネットの重要な位置を占めるものです。

現行の第3次住宅マスタープラン改定版においても、その基本理念として、「住まいは、人々が生活を営むための必要不可欠な基盤である」と記されています。

現在、第4次住宅マスタープランの策定について検討が進められていると認識をしております。セーフティネットについての最初の質問として、次期住宅マスタープランはどのような方向性で検討されているのか、その核となる政策についてお示しください。

◎市長(清水庄平君)

第4次住宅マスタープランの検討につきましては、関係部課長による立川市第4次住宅マスタープラン庁内検討委員会を2回開催し、第3次住宅マスタープランの振り返りと第4次住宅マスタープランの骨子の検討をしているところであります。

また、今後は学識経験者や専門家等、外部の方で構成する立川市第4次住宅マスタープラン検討委員会を開催し、庁内検討委員会と同様の検討をする予定であります。

第4次住宅マスタープランの方向性を含めた骨子案の詳細は、令和2年3月の総務委員会で報告する予定ですが、「安全・安心」、具体的には耐震化やセーフティネットなどが検討の大きな柱となると考えております。

第3次住宅マスタープランでの高齢者・生活困窮者への施策の進捗につきましては、「市営住宅等のセーフティネット機能の向上」や「民間住宅ストックを活用した居住の安定の確保」にある諸施策に取り組んでいるところでありますが、研究中や検討中のものが多数あるのが現状であります。

◆6番(大沢純一君)

住まいについて、特に次期住宅マスタープランの検討の状況を伺いました。第3次の振り返り、そして第4次に当たっては耐震またセーフティネットの強化を考えていると、こういった御答弁でございました。

その振り返りの中で次期マスタープランを検討するに当たっては、当然現在の計画、これを検証するということであります。ですので、現計画がどこまで進捗しているのかについて伺いたいと思います。

住宅マスタープランは市の住宅政策の全体の計画ですので、ここではセーフティネットということで高齢者や生活困窮者などといった生活の支えが必要になる方についての施策について伺います。

まずは、現マスタープランの市営住宅に関する施策について伺いたいと思います。

マスタープラン、ちょっと本は今手元にないですが、81ページに示されております「住宅に困窮している市民の入居機会の拡大」とあります。これについては、現計画のもとでどのように進んできたのか、まずお示しください。

◎市民生活部長(井田光昭君)

第3次の住宅マスタープランの「市営住宅の適切な供給」という施策で取り組んでいるところでございます。

従来、市営住宅には一般世帯向けのほかに、生活保護受給者、障害者、60歳以上の方用の福祉単身者向け、原則60歳以上の方のみの高齢者世帯向け、18歳未満の子どもが家族に3人いる多子世帯向け、車椅子単身者向け、及び車椅子世帯向けの住居があり、それぞれ条件を示して募集しているところでございます。

これに、例えば子育て世代に対する居住支援といったことが考えられますが、現時点では研究中という状況にございます。以上です。

◆6番(大沢純一君)

なかなか市民の入居機会の拡大--拡大というところに果たしてつながっているのかという、ちょっとそういった疑問はあります。研究課題が多いということは先ほど市長の答弁からもございましたので、これは今後大いに期待し、また望むところではあります。

このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です