行政サービスと行財政改革
行政サービスと行財政改革
オンライン相談の推進
このコロナ禍で大きく進んだものの一つが、オンラインでの会議や会話です。この1年で御高齢の方でもかなり使えるようになっているという場面に数々出くわし、本当にコロナ禍で状況が変わったなという感想を持っています。コロナ禍で誰とも会えないというような状況の中で、デジタル化を進めていくということは有効だろうと思っております。
これまで私たちは妊婦面談または高齢者、障がい者、小さな子どもがいるといった外出困難な方に対してはオンラインでの相談・手続きが有効だと申し上げてきました。
また地域公共交通の課題でも、買物に行けない、病院に行けないといった声とともに、市役所に行けないんだという市民の声をとても多く伺います。オンラインはそういった地域公共交通の課題にもつながると考えます。
本市としてはオンライン相談をどのように考えているのかを伺います。
高齢者や障がい者などのデジタル・デバイド解消を
行政のデジタル化を進めるにあたっては、高齢者や障がい者といった方をサポートする仕組みが必要です。
SNSを活用して市民の声を聴く
インターネットでのコミュニケーション方法が大きく変化しているという認識に立って、行政として市民からの情報を受け止める媒体を検討すべきだと考えます。これは災害時の対応のためにも有効です。
マイナンバーカードの普及促進を
令和2年第4回定例会(2020年12月2日)
◆5番(大沢純一君)
公明党の大沢純一です。
令和2年も残すところあと一月となりました。早かったとも、ようやくとも言えるこの1年でしたが、昨年の今頃は、年が明けてウイルスの世界的なパンデミックという未曾有の事態が訪れるとは誰も予期できませんでした。まさに災害がいつやってくるか分からない、いざというときの備えは重要だということは、ここにいらっしゃる方々共通の思いであると考えます。
このコロナ禍において改めて分かったことは、社会保障をはじめとした行政におけるいざというときの備えの脆弱性です。コロナがあってもなくても整備しなくてはならなかったことが先延ばしされてきたことがあらわになりました。
行政のデジタル化もその一つです。
このデジタル化が目指すゴールの一つは、行政の申請主義からの脱却です。市民が受けられる行政サービスを認識し、それを自ら申請することでしかサービスを受けられないという申請主義は、社会的弱者と言われる本当に必要な人に届かないということが少なくありません。
立川市でも市民生活を支えるための様々な施策を実施していますが、それも知らない人にとってはやっていないことと同じことになってしまいます。
私も議員となって市民の皆様と接すると、いろいろな施策が市民に届いていないことを実感することが多々あります。これは議員だけでなく、多くの職員の皆様にとっても同じだと思います。
今回の市民1人当たり1万円を給付する市民生活支援給付金は、特別定額給付金の実務経験を踏まえて給付申請はとても簡便なものでありました。職員の皆様がしっかり検討していただいた結果であると評価したいと思います。
ところが、そのような給付金の申請でさえ、行政からの報告によれば、いまだに8,000世帯以上が申請していないということです。もちろん様々な考えからあえて受け取らないという世帯があろうことは想像もしますが、そういった世帯が市内8,000世帯もあるとは考えづらい。中には内容の理解が難しいという方がいるだろうということを想定したときに、やはりそこには申請主義の限界があることは事実だと考えます。
この申請主義を乗り越えるのが、いわゆるプッシュ型行政です。市民が利用できる行政サービスを対象となる市民それぞれに情報を伝えるというプッシュ型の行政の実現には、その手段としてオンライン化が大きく有効です。
私たち公明党は現在、ベーシックサービスの実現に向けて検討を進めています。慶應義塾大学経済学部の井手英策教授が提唱されたこのベーシックサービスとは、医療や介護、育児、教育、住まいなど、人が生きていくために必要な行政サービスを所得に関係なく無償で提供し、弱者を助ける制度から、弱者を生まない社会へと福祉の裾野を大きく広げるものです。
所得で人の扱いを変えないという社会を目指す思想であるこのベーシックサービスを施行するに当たっては、誰も取り残さないための施策が必要です。その実施手段として、行政のオンライン化はとても有効であると考えます。
そのように我が国の未来を見据えたときに、行政のデジタル化は早急に行うべきことですが、また同時に現在のコロナ禍での市民生活を考えたときにも、デジタル化に向けた環境整備を早急に進めていかなくてはなりません。
◆5番(大沢純一君)
行政のデジタル化の中心を担うのがやはりマイナンバーカードであろうかと思います。これが銀行口座、さらに収入情報にひもづけられれば、今回のような経済環境激変の中で迅速な給付につなげられる、こういったことになると思います。
そこまでするには、今、国民の理解というような、こういったことが言われておりますけれども、これは国民の理解ということよりも、情報漏えいなどに対して、例えばそこを含めた制度設計であるとか、この制度の信頼性の確保の問題だというふうにも考えるものなんですけれども、それはそれとして、このマイナンバーカードはやはりしっかり推進していくべきだというふうに考えております。
そこで、まず現状の発行状況、これについて教えてください。
◎市民生活部長(大平武彦君)
個人番号カードの交付数につきましては、令和2年10月末現在で4万6,012枚、人口に対する交付率については25%でございます。多摩26市の交付率につきましては25.1%でございまして、立川市は26市中12位となってございます。以上でございます。
◆5番(大沢純一君)
大変このコロナの中でも発行が増えているという、こういった実感を持っておりまして、それでも多摩平均なんですね。今、窓口を見ても、いつもずっと市民の方が並んでいるという状況の中で、やはり今回も別の議員からそのマイナンバーカードについての手続の問題もありましたけれども、やはりいろいろな御苦労されながら進めていただいているんだなということは認識しているつもりです。
この普及のために国としてもインセンティブをつくっております。来年度からは健康保険証としての利用ができる、こういったこともありますし、また今後、運転免許証として利用されるなんていう、こういった情報もあります。
中でも、一番のインセンティブというのはマイナポイントであろうと思います。マイナンバーカードをマイナポイント事業者にひもづけて、そのポイント事業者のカードの利用分の25%が上限5,000ポイントとして戻ってくる、こういった事業ですけれども、事業者によっては独自に1,000円分、2,000円分のポイントが戻ってくるので、これはまさにとてもお得な事業であるというふうに思っております。
ただ、これが思ったほど広がっていない、こういったことも一方で事実なんです。
特に高齢者の方のお話を伺いますと、そもそもマイナンバーカードが何かということがまだまだ理解されていない様子もあります。通知カードをマイナンバーカードだと思っている方もいらっしゃいまして、これについてはホームページにもそうではありませんよということが書いてあるのは承知しておりますけれども、まだまだそういった方もいらっしゃる。
マイナンバーカードは作ったんだけれども、このマイナポイントはやっぱりよく分からないという方も少なくありません。それはもったいないと思いまして、私もLINEなどを通じてそういった方々に市役所で今手続ができるということや、どうやったらいいんだよということを説明させていただきました。それを見て何人かが登録に行っていただいたなんていう、そういった話も伺っております。
こういったマイナンバーカードから始まって、マイナポイント、またマイナポイントの登録に必要なマイナポータルの登録、こういったことは今現状、市民にどのように周知しているのか、それについて伺います。
◎総合政策部長(栗原寛君)
今、議員から紹介がございました例えばマイナポイント、マイナンバーカードを作ったけれど、どうやったらその5,000ポイントが付与されるのか。その場合、市役所にこられた方は、3階のところで御案内して、専ら対応は情報推進課の職員がその方へそれぞれの手続の操作の仕方等を説明しているところでございます。以上でございます。
◆5番(大沢純一君)
実際に行った方も、行ったけどよく分からなかったという声は全然聞いていないので、本当に行って丁寧にやっていただいているんだろうなというふうな感想を持っております。
ただ、そのマイナンバーカードなんですけれども、受取は市役所窓口で行うということになっているんだと承知しております。ただこれ、開庁時間内でないと受け取れないという、こういった状況にあるわけです。平日は立川市役所で8時半から5時、また日曜日は窓口サービスセンターで9時から16時、予約が必要、でも受け取れるという、こういったことになっております。ただ、これを見ますと、つまり夜間に受け取れないという、こういった状況にあるわけです。
一方で、東久留米市が夜間の受取窓口を臨時に開設したりもしております。そういった様々なライフスタイルに合わせた対応が必要ではないかというふうに思っておりますが、これについて何か施策はありますでしょうか。
◎市民生活部長(大平武彦君)
個人番号カードの普及促進に関する国の動向といたしまして、カードの未取得者に対しまして令和2年12月下旬から個人番号カードの交付申請書の再送付が今予定されてございます。このことによりカード交付がさらに増加すると予想しており、窓口体制を強化して対応を図る必要があるというふうに考えてございます。
まずは平日の来庁者の待ち時間をまず緩和していきたいというふうに捉えてございます。その上でニーズの把握を行いまして、休日・夜間の対応については協議してまいりたいというふうに考えてございます。以上です。
◆5番(大沢純一君)
様々な対応をもちろん考えていただいているんだと思います。そこについてはこれからいろいろな動向を探りながらということだと思いますけれども、まさにそうやって市民の利便性、それを考えた上で施策に取り組んでいただきたいというふうに思っております。
不必要な印鑑捺印の見直しで業務効率化と市民の利便性向上を
市役所での申請書類で、印鑑登録をしたその印鑑で押すという場合には、法的な意味合いはあります。一方で三文判のようなどこでも手に入るような印鑑で捺印することに、法律上または条例上の制度的な意味合いというのはあるのかを質問しました。
今回、これまでは主に本人の同意確認として捺印を求めてきており、全体の約1割程度の書類申請で法令上、例規上捺印が必要であるが、それ以外については、特段規定がないことが判明。業務効率化と市民の利便性の上から、捺印が必要な申請書類についての見直しを求めました。