不必要な印鑑捺印の見直しで業務効率化と市民の利便性向上を

平成31年予算特別委員会 (2019年3月12日) 議事録より

◆委員(大沢純一君)

資料番号2番、出していただきました。本市の市役所での申請に印鑑が必要な書類一覧ということで、これすみません、本当に大変な手間をかけていただきまして各課から出していただきまして、本当にありがとうございました。

これを拝見いたしますと、本当に500、600近くの、まだこれ以上のものもあるということで、かなりの枚数があるということがこれで示されたわけであります。

現在、手続の効率化ですとか、そしてまた働き方改革、こういったことでは申請の手続についても、これは検討をするべきなんではないかという、こういった課題意識の中でこれを質問させていただくんですけれども、ここで示されました印鑑が必要だということで今回資料いただきましたけれども、まずそもそもの部分でお聞きするんですが、印鑑、何のために必要なんでしょうか。

◎行政経営課長(渡貫泰央君)

今回、このような形で一覧で出させていただきました。ただ、申請書類は多くあるんですけれども、書類申請での押印の意味合いとしては、多分申請内容に対して本人が同意した、または確認したという意味合いが押印の意味合いだというふうに考えてございます。以上です。

◆委員(大沢純一君)

印鑑登録をした、その登録の印鑑で押すという場合には、それはやはり法的な意味合いは出てきますけれども、例えば三文判で、今さまざまな安いものはいっぱいありますけれども、そういったところでどこでも手に入るような印鑑で買って押すというところについては、これは何か法律的な、また条例的な、そういった、また制度的な意味合いというのは、これは先ほど御答弁いただいた本人の同意という以上に、それをそういった制度で求めているという、こういったことは現状あるのでしょうか。

◎行政経営課長(渡貫泰央君)

今回、資料請求ありまして、その関係で所管課にも、本当にこの押印が法令上、例規上必要なのかというような意味合いでお聞きしたところ、全体の約1割程度が法令上、例規上には載っていると。それ以外については、特段そういった約束事というようなところはないといったことですので、そこについては改善の余地はあるのかなというふうには考えてございます。

◆委員(大沢純一君)

特にこれを拝見いたしますと、市民が申請に必要なというところで資料をいただきましたけれども、特に子育て関係ですとか、福祉関係、こういったところは本当に枚数が多い、そういった市民としても印鑑を求められるケースが多いわけであります。

そういった中で今御答弁ありまして、全体の10%、1割ぐらいは法令上にあるけれども、残りの9割は今までの慣習化をされているというような、そんなことかと思います。これは別に本市がということではなくて全国的に、まあ、日本全国が印鑑社会でありまして、そういうところでは同意の担保として印鑑を求めてきたという、こういった歴史の中でこれが継続をされて今でも続いているという、こういった状況にあるわけです。

ただ、今後マイナンバーを初めとして電子申請という、こういった流れが大きくなってくるかと思っております。そういった電子申請の中で、印鑑の取り扱いというか、印鑑を求める理由、また不必要な理由ということが議論になるかと思いますが、現在本市では電子申請についてどういった考えを持たれておりますでしょうか。

◎情報推進課長(田邉好男君)

電子申請につきましては、今東京共同運営で幾つか申請手続を行っているところでございます。

その中で電子署名が必要なものがあったりもしますが、基本的には登録しただけで申請できるものとなっております。さらに、国のほうで進めているぴったりサービス、こちらのほうにつきましては、個人の証明が必要なものは電子署名のほうで担保しているような状態でございます。以上です。

◆委員(大沢純一君)

まさにそういった中では、印鑑よりもはるかに本人確認、本人証明が的確になされるということになるかというふうに、電子申請のほうはなるかと思いますけれども、今御答弁ありましたとおり、全体の10%は必要だけれども、それ以外では見直しができるという、こういったことであれば、これは一方では市民の利便性に大きくつながる。どこで買ってきたかわからない印鑑よりも直筆のほうが本人確認は確実ですし、また行政側でも、手続としても印鑑がなかったがゆえに受け取れないということもこれまでもたびたびあったかと思います。そういった中での業務の効率化に大きくつながっていく、こういったことであると思いますので、ぜひこれについては今後の検討を大きく進めていただきたいなというふうに思いますが、これについて理事者、見解がありましたらお願いいたします。

◎副市長(大霜俊夫君)

おっしゃられるように、私もこの資料を見まして随分多いなと思っております。法令では1割程度という話で。

まあ、昔って言ったらおかしいですけれども、何十年か前では、ほとんどのものが印鑑だというようなことで、それが文化なのかということになると印鑑文化というのももしかしたらあったのかもしれないというふうに思います。

押印をすることによって、みずからそこに記載したものが改めて間違いがないというようなことの確認の意味みたいなことで印鑑というような文化はあったのやには少し考えますけれども、これから電子申請含めて、認証行為含めまして、さまざまなツールの中で、果たして買ってきてくださいよみたいな話含めまして、業務の効率化、あるいは市民の負担軽減という意味では不必要なものはできるだけなくしていきたいと、そのように考えてございます。

◆委員(大沢純一君)

よろしくお願いいたします。


令和2年第4回定例会(2020年12月2日)

◆5番(大沢純一君)

令和2年も残すところあと一月となりました。早かったとも、ようやくとも言えるこの1年でしたが、昨年の今頃は、年が明けてウイルスの世界的なパンデミックという未曾有の事態が訪れるとは誰も予期できませんでした。まさに災害がいつやってくるか分からない、いざというときの備えは重要だということは、ここにいらっしゃる方々共通の思いであると考えます。

このコロナ禍において改めて分かったことは、社会保障をはじめとした行政におけるいざというときの備えの脆弱性です。コロナがあってもなくても整備しなくてはならなかったことが先延ばしされてきたことがあらわになりました。

行政のデジタル化もその一つです。

(中略)

我が国の未来を見据えたときに、行政のデジタル化は早急に行うべきことですが、また同時に現在のコロナ禍での市民生活を考えたときにも、デジタル化に向けた環境整備を早急に進めていかなくてはなりません。

現在、新型コロナウイルスが改めて感染拡大している状況です。飲食店の営業自粛や旅行についても議論があるところですが、その根本は人との接触をどう控えるかということになります。そういった中でも、申請主義の下では、市民は必要なときには市役所に出向かなければならない。

これまで、私たち公明党として、そういった不便を解消するために、コンビニで住民票の写しの取得などを進めてまいりました。

一方で、どうしても市役所、窓口に出向かなければならない申請もあります。その象徴的なものとして、現在大きく議論になっているのが押印の廃止です。

平成31年3月の予算特別委員会で私は、本市において市民が行政に申請する600近い書類のうち、法令上あるいは例規上押印が必要な書類はそのうちの1割であり、ほとんどは本人の同意確認のために押印を求めていることを確認しました。その際、市民の利便性と業務効率化の上からも、制度上必要のない押印の削減を求めました。

ところが、その1年後の令和2年3月の予算特別委員会でこの進捗状況を確認したところ、「検討しているが、なかなか準備が整わず進んでいない」ということでした。

本年9月25日、清水市長は、東京都市長会会長として、多摩地域の行政のデジタル化に向けた支援を東京都に要望したことが報道されています。その中では、公務員のテレワーク環境の整備や教育、防災分野のICT化とともに、行政手続上の書面、押印廃止の環境整備を求めていることを認識しております。

自民党・安進会の江口議員も、さきの一般質問でこの押印について取り上げ、その際には行政から、法令の定めのない書類については、国の方針に基づいて順次簡略化していく旨の答弁があったと承知しております。

そこで、具体的にはどのように検討を進めているのか伺います。

◎総合政策部長(栗原寛君)

押印廃止の検討状況についてでございます。

行政手続における書面規制、押印、対面規制の見直しを行うことは、感染症の蔓延防止のみならず、業務の見直しや効率化が図られ、行政サービスの効率的・効果的な提供にも資するものと考えております。

そのため、現在、市民や事業者に求める申請手続や内部事務等における手続の状況調査を行っており、国の見直しに関する方針に準じて必要な検討を進めてまいります。以上でございます。

◆5番(大沢純一君)

今、状況調査をしているといった、そういった御答弁ございましたけれども、具体的にどういった指示をしているのか、それについてまず伺いたいんですが、行政のことを語るときにしばしば言われるのが、やっぱり前例踏襲主義という、こういったことを言われます。

大概はあまりいい意味では言われないわけですけれども、やり方を変えるというのはやはり大なり小なり労力が必要だということもありますし、またいろいろな、今回の議会でもありましたけれども、ミスの状況というのを考えると、そこからやはりダイナミックに何かやり方を変えるというのは抵抗があるのではないかというふうな、こういったこともありまして、やはり現場、現場で何かやり方を検討していってダイナミックに変えていくというのは、この検討、大変難しいのではないかなというふうに思います。そこはやはりトップの旗振りが必要ではないかなというふうに、そういった感想を持つわけですけれども、市長も市長会として都に要望されたということは、その必要性を認識されているというふうに思います。

今後、どのように各課に指示していくのか、市長の見解をまず伺いたいと思います。

◎副市長(田中良明君)

行政のデジタル化につきましては、東京都市長会あるいは副市長会をトップとして連携を図っていくということで、広域的な意味も含めて課題認識を持って取り組んでいくところでございます。

それを踏まえた上でも、行政自ら市長をリーダーとしてリーダーシップを発揮していただいて、各部署とも連携を図って進めていく、そのように考えているところでございます。

◆5番(大沢純一君)

まさにリーダーシップを発揮していただきたいと思うんですけれども、実はこれ、もちろん広域で今、都にまた要望している、またそういった形でやっていただけるというのは認識しているんですけれども、これは行政としての考え方の問題であって、まさにこの自治の問題でもあるというふうに私は認識しております。

なぜなら、これは法令上決まっていない押印ですので、意思確認という、こういったことでありますから、法令上決まっていない意思を確認するということであれば、これは自治体の裁量だとやはり思うわけです。

そうした中で、全国でコロナ禍に対応できる行政の在り方が検討されていまして、利便性と接触の低減から、来庁の必要がない市役所、こういったものを目指している行政もあります。

ただ、私自身は、自殺対策の中でも申し上げておりますが、職員が市民と接触するときにゲートキーパーとなることで自殺を防ぐという、またあるいはいろいろな悩みに気づくという、そういった存在になり得ることも必要だと、こういったことも申し上げてきておりまして、市民との接触や、また来庁の必要性も私自身は認識しているところであります。

ただ、やはり不便を強いて来庁を求めるのは本末転倒でありますし、このコロナ禍ではやはり考えていかなくちゃいけない、こういったことであると思います。

やはりこのことについては、原則として意思確認としての押印は廃止して、必要があればサインで可能であるとする。ただし、障がいなどで筆記が難しいという方については、押印のほうが便利だという、こういった方に関しては押印を利用可とするという、こういった考えがやはり必要ではないのかなというふうに思いますけれども、これについて改めて見解があれば、見解をお示しください。

◎総合政策部長(栗原寛君)

今、各課を通じて押印している書類、申請書類等の調査を行っているところでございますが、一つは法律で規定されているものとそうでない、今、議員からも紹介があった市独自の判断でということもございます。まずそのそれぞれの事務の中でそういった区分けをした中で、真に必要な押印かどうかということを判断した後に、やはり本人確認が印鑑でなくてもできる、押印でなくてもできるというものであれば、可能な限りそれは押印を廃止する方向でやはり内部で調整していきたいと考えているところでございます。以上です。

◆5番(大沢純一君)

ぜひよろしくお願いしたいと思います。

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