オンライン相談の推進

令和3年予算特別委員会(2021年3月11日)

◆委員(大沢純一君)

私のほうからは、行政のデジタル化ということで全体的にお伺いしたいと思います。

このコロナ禍で大きく進んだものの一つが、やはりオンラインでの会議や会話だというふうに思っております。私の周りでも、恐らく1年前までは「Zoom」なんて聞いたこともなかったような方がこの1年で、御高齢の方でもかなり使えるようになっているという場面に数々出くわしまして、本当にコロナ禍で状況が変わったなというふうな感想を持っております。

私も様々な、これまでいろいろな研修をオンラインでなんていう機会は、それは行政の皆様もそうかと思いますけれども、今朝方、またあるオンラインセミナーを聞いていましたら、そこで台湾のオードリー・タンデジタル担当大臣が出ておりまして、その講演をちょっとだけ伺うことができました。

その中でオードリー・タンさんが言っていたのは、ITとデジタルというのは別なもので、ITは物をつなぐもの、デジタルは人をつなぐものだと、こういったことでこのデジタル化を台湾では進めていると、こういったことを言っておりました。

まさにこのコロナ禍では会えない、誰とも会えないというような状況の中でデジタルを進めていくということは有効だろうと思っております。

例えば行政のほうでも、これまで私たちも妊婦面談または高齢者、障がい者、小さな子どもがいるといった外出困難な方、これに対してはオンラインが有効だという話もさせていただいてまいりましたし、また地域公共交通の課題でも、私もいろいろなことをずっと伺うと、やはり今まで買物に行けない、病院に行けないといった声とともに、市役所に行けないんだという声をすごい多く伺うんです。

そういった中では、このオンラインがそういった地域公共交通の課題にもつながるというふうに思っております。

これについてはこれまでも、例えば昨年、令和2年の12月の一般質問での副市長答弁でも、
行政のデジタル化につきましては東京都市長会等々と連携を図って、広域的なところでもしっかり課題として認識を持っている。その上で本市におきましては、市長自らがリーダーシップを発揮していただいて、各部署とも連携を図って進めていく。
--と、こういった答弁をしていただいているところであります。

それを踏まえまして、来年度、本市といたしましてはデジタル化をどのように考えていくのか、それについて伺います。

◎情報推進課長(田邉好男君)

デジタル化でございますが、来年度は大きく言えば、私ども情報推進課では三市共同ということで、こちらのほうが来年1月に稼働というところが大きな課題として考えているところでございます。

また、ウェブ会議の必要性というところで、パソコン10台を新たに購入いたしまして、ウェブ会議用に転用してまいりたいと考えているところでございます。以上です。

◆委員(大沢純一君)

まさに、これまでもありましたとおり、三市共同のクラウドの話ですとか、これについてはオードリー・タンさんの言葉を借りればITの分野でありまして、デジタルというところ、デジタル化の文脈で言えば、PC、パソコン10台をウェブ会議で使うといったような、こういったことでありましたけれども。

今までの、例えば今回の定例会における、たまたま今横におりますけれども、山本みちよ議員に対する一般質問の行政の答弁でも、「本市におきましては、オンライン化については個人情報は取り扱わないということが原則だ」と、こういった答弁がされているところであります。これについてどのように、いわゆる決まりがあるのか、これについてお答え願えますでしょうか。

◎情報推進課長(田邉好男君)

自治体として個人情報をインターネット上に流さないというのは大原則にあるというふうに考えております。よりまして、ウェブ会議等でやった場合、インターネット上にどうしても情報が流れてしまうというところに--セキュリティ、確かにあるとは思うんですけれども、原則的にインターネット上に個人情報は流さない。そっちのほう、個人情報保護条例に近い形のほうを優先しているのかなというところで、なかなか相談業務とか、そういったところに対してのインターネットを使ったウェブ会議システムというのは難しいのかなというふうに考えております。以上です。

◆委員(大沢純一君)

そういった状況の中で、ウェブ会議にパソコン10台購入するという、導入するということでは、何のために使うのかという話になっていくと思うんですけれども。

そもそもなんですが、今の答弁としては、自治体として流さないというのが大原則だという、そういった答弁でしたけれども、これは何の原則なんですか。自治体としてというのは、どこの自治体。いわゆる全国の自治体の話なのか、それとも立川市としての自治体の話なのか。それについて見解をお示しください。

◎情報推進課長(田邉好男君)

基本的に個人情報保護条例は条例で定めておりますので、立川市として原則的には個人情報は流さないというところが大原則にあるのかなというふうな形で考えております。

◆委員(大沢純一君)

理事者、そういう答弁でよろしいでしょうか。

◎副市長(田中良明君)

情報の取扱いにつきましては、国の指導の下により、三層構造的な意味合いで複雑化しているのは事実です。

世界からしても、この構造というのはかなり有数な構造ということでセキュリティは確保されているんではないかという認識は持ってございます。

ただ、それによって、いわゆる市民サービスの向上ですとか、あるいは業務のさらなる効率化といった面では、行政のいわゆるデジタル化というのは有効なものだというふうに認識してございますので、そういう意味におきましても、今般、令和3年度から26市の市長会によって行政のデジタル化についての、要はスクラムを組んで、共同で研究していくというふうなことを3年間実施します。

その中では、できるだけできるところからやるということと、標準化という意味合い、それから共同利用というような視点も当然その中では議論されると思いますので、どのような形でいわゆるデジタル化を進めていくか、あるいはオンラインを進めていくかというところは、その中でも議論はされていくものというふうに認識してございます。

◆委員(大沢純一君)

今の御答弁の中で、それで今課長からもありました個人情報保護条例との関連というのは、どのように考えられておりますでしょうか。

◎副市長(田中良明君)

個人情報につきましても、今の立川市のくくりの中では課長の言った答弁で進めておりますけれども、その辺も国あるいは東京都の考えを聞きながら、また他市の状況も把握しながら対応してまいりたいと、そのように考えてございます。

◆委員(大沢純一君)

まさにこのことについては、もちろん、今慎重にやっていただいている背景というのは、もしものことがあってはいけないという、そういった万全な対策を取ってということで、その意識の中でやって、進めていただいているんだろうなということは理解しようと思うんです。ただ、できない--まあ、これはもう何度も言っているんですけれども、できない理由は、できないということを大前提にしたら、いつまでたってもできないわけで、どういった角度でやったらできるようになるんだろうという発想からここは進めていかないと、特にコロナの下での様々な発想というのは生まれてこないのかなというふうに思っております。

その中で、今、他の自治体の状況を見ながらといって御答弁、副市長からありましたけれども、例えばほかの自治体でも既にやっているところは多々あるわけです。その中では、そういったほかの自治体がやっているにもかかわらず、本市が慎重だというところについて、そのほかの自治体の例を見たときにどういうところに--どこの市、どこの行政って言わなくていいですけれども、どういうところに課題があるということを考えていらっしゃるのか。ほかの行政、もう既にやっているところの状況を見たときに何が課題で、やはり本市ではそこは思いとどまるべきだというふうに今考えていらっしゃるのか。それについて御答弁願います。

◎情報推進課長(田邉好男君)

他市との違いというところですが、相談業務等でやっているところは幾つか見つけました。その中で、相談業務ということで、原課の考え方とかあると思うので、私どもでウェブ会議のガイドラインというのを作成させていただきました。その中では、一応個人情報とか政策決定過程に関わることについては、内部の規約ですが、扱わないことというのを大前提にしております。

しかしながら、それだけでは業務は立ち行かないと考えましたので、それぞれの主管課が手続を取って、情報化推進委員会という内部委員会がございます。その中でもんで、それで了承が得られるようであれば、個人情報保護審議会ですか、そちらのほうに諮って、それで考えていただいて、そういったことを、プロセス踏んで大丈夫だよねというところで理事者の決裁いただいて、そういった会議をやるというような形で、それぞれ審議していただいて、安全性を確認しながら検討してまいりたいというふうに定めたところでございます。

◆委員(大沢純一君)

幾つかいろいろな自治体の例を見つけていただいているということについては、そういうところでは前向きに捉えていただいているんだろうなというふうな理解をしたいと思います。

ただ、最終的な意思決定を行わないとかというところで、ウェブのガイドラインを今持っているんだというふうな御答弁ありました。だとすると、現段階ではそのウェブ会議、今後、来年度に向けて10台パソコンを導入するということですけれども、それについては意思決定は行わないんだけれども、意思決定の手前の意見交換ぐらいなところにそこはとどめておいて、最終的な意思決定はみんなで集まってという、そういうような話になってしまうのかなという。今の答弁を伺うと、いわゆるウェブ会議、デジタル化の中でのウェブ会議というのも、かなり中途半端なものにならざるを得ないのかなという感想を持っているんですが、現状はそういうような認識でやっていらっしゃるということは分かりました。

今のお話、御答弁を伺うと、本当にこれやって大丈夫なのかな、大丈夫なのかな、大丈夫なのかなというような形で今進めていこうと思っていらっしゃると思うんですけれども。

そこで、もう一回具体的に伺うんですけれども、私たちも今の御答弁を伺って、分かったような分からないような部分もあるものですから、もう一回ちょっと聞きたいと思います。

ほかの自治体が例えばやっていて、これは本市でやるに当たっては課題だろうと思っているところがもしありましたら、それについてお答えいただけますでしょうか。

◎情報推進課長(田邉好男君)

近隣で言えば、羽村市とかが子育てのところでの相談業務をやっているというのを見つけたぐらいでして、あとは大きくは、これが相談業務なのかなというところでちょっと疑問に残りながらも見たところでございます。

なかなか、まるっきりの本当の相談業務、法律相談とか、そういったところはなかなかやっているところはない状態かなというふうに思っております。

当然、結局、そういう相談というのは民間委託とかで民間がやっていたりするパターンがございますので、自治体としてこれから本当に何が安全にできるのか、そういったところを考えながらやっていかないと、もう立ち行かなくなってしまいますし、一たび自治体がこういった個人情報を流した場合には大事件という形になってしまいますので、その辺はやはり慎重にならざるを得ないのかなというところが、まずどうしてもそっちのほうを考えてしまうようなところもございますが、そういった先行自治体、本当にやっているところに聞きながら、どうしたら安全にできるのか、そういったことを確認しながら、ぜひ立川市でも導入できればいいかなと考えているところでございます。

◎総合政策部長(栗原寛君)

個別の自治体の状況について今情報推進課長が述べたところでございますが、少し答弁が重複になってしまうかもしれませんけれども、やはりウェブ会議等のセキュリティが100%であれば、これは私ども踏み切ると思うんですが、幾つかの事例で、それが乗っ取りがあったりとか、知らぬ第三者がそれに入るということも聞いております。

セキュリティレベルを万全にしないと、私どもが持っている個人情報が、もしそこで流れた場合は、情報推進課長が申し上げたとおり、これは大きな事件になってしまうということがありますので、そこはかなり慎重に進めなければいけないと考えております。

それと、個人情報や政策決定の会議では使用は控えるというガイドラインを設けておりますけれども、これは集まった状態の会議で考えれば、公開する会議と非公開の会議があり、もちろん個人情報を扱う会議というのは、非公開になるわけです。そのほか、政策決定、いろいろな調整をする会議でも、公開する会議というものは、これは基本的に誰が傍聴しても構わない。そういった会議は、例えばウェブ上で行っても大きな問題はないだろうけれども、非公開で行わなければいけないものについて、現在はウェブ上でやるということは、やはりこれはセキュリティレベルの問題で課題があるんではないかと考えております。

他市の状況についても、そこの考え方をどこに置くかということで現実的な取扱いが変わってきているんではないか、そう考えております。以上です。

◆委員(大沢純一君)

今セキュリティのお話がありまして、なかなか100%でないからというような御答弁がありました。

これまでも様々な方から、マイナンバーのセキュリティについても100%と言えるのかみたいな、そういった指摘があって、それについてのいろいろなやり取りがあったところだと認識をしております。

その際に私のほうから--まあ、私の答弁が正しいというわけではないと思うんですけれども、私のほうからは、このことに限らず100%なんてないと。特にペンタゴンだって狙われるぐらいな、そういった状況、インターネットの世界ではそういった状況ですから、セキュリティを100%担保するなんていうことはまずできない。であるならば、流出したときにどう対応するのかということのほうをしっかり一方で固めて、それでその対応。もちろん、セキュリティはどこまでも高めなくちゃいけないですけれども、そこの部分はしっかりやらなくちゃいけないんじゃないかというようなことのお話をさせていただいたことがあります。

それについて御見解はあるでしょうけれども、100%という話をされると、やはりこれは無理なんだろうなと。100%ということになってしまえば。ただ、ではウェブじゃないと、ウェブ以外は100%なのかといったら、そうではないわけですよね。

例えば、1階の窓口でのやり取りだって、結構人によってはかなり声の大きい職員の方がいらっしゃって、外に聞こえていることだってあります。だから、その辺のところもしっかりやってほしいということでは、これまでいろいろ御指摘をさせていただきましたけれども、それでも今の中で工夫しながらやっていっているということはあると思うんです。

例えば、先ほど課長から御答弁ありました、法律相談をやっているケースは見当たらないというのも、これ結構、探せばすぐ見つかります。やっているところあります。そうやっていろいろな事例を見ていただきながら、例えばあらかじめ相談者にちゃんと、こういう状況だけれどもって了解を取った上でやっている自治体、幾つかあります。しっかりほかの人を同席しないでやってくださいとか、場合によってはオンラインの始まる前に1回電話をかけてちゃんと確認を取って、それからオンラインでやっているなんていうところだってあります。

なので、これはやり方はあるんだろうと思います。ただ、本市から、そうやって別に何か怠けているとか、そういうことじゃなくて、慎重な部分から見たら、ここは問題があるんじゃないかというところがあれば、そこはしっかりアップデートしながら本市としてのやり方というのをつくっていくべきなんじゃないか。それは、やるということを前提にそれを行っていくべきなんじゃないかと思うんです。

部長おっしゃっていたとおり、100%と言われてしまうと、もうここは職員の意識も100%と言うんだったら、絶対になかなか進まないと思うんです。慎重にやっていただいているのは十分分かります。ただ、その上でどうできるのか。

繰り返しますけれども、やらないんじゃなくて、どうやったらできるのかというところについて考えを巡らすのが、実はこれから審議をする来年度予算のことなんじゃないかというふうに思っておりますので、これについて理事者、考えがありましたらもう一回御答弁願います。

◎副市長(田中良明君)

今回、コロナ禍において課題として浮き彫りになってきたのは、行政のデジタル化というか、オンラインを含めての対応だというふうに思ってございます。

その中で、現行のシステムを使いながらやるとなると、やはり課題があるということもありますし、また先進事例で他の自治体をよく調べて、その上でどういうシステムならできるのか。あるいはまた会津若松市のように壮大なプロジェクトの下でやっているというところもありますけれども、ここまではなかなか難しいのかなという気がしますので。

まず、できるところで、どういう形で進められるのか、その辺のところはよく吟味してまいりたいと思ってございます。

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