【環境建設委員会】兵庫・神戸市 街路樹再整備方針について(2017/10/11)

【日時】 平成29年10月11日(水)10:30~12:00
【視察先】 神戸市役所(神戸市中央区加納町6-5-1)
【視察者】 佐藤寿宏委員長、大沢純一副委員長、梅田春生委員、永元須摩子委員、福島正美委員、谷山きょう子委員、江口元気委員 全7名
【目的】 「神戸市街路樹再整備方針について」視察
【対応】 神戸市建設局公園部整備課・整備課長 原田充 氏、神戸市建設局公園部整備課維持補修掛係・維持補修係長 金広慎二 氏

【詳細報告】

昭和45(1970)年に日本で光化学スモッグが初めて問題化され、その翌年には環境庁が発足するなど、環境問題が顕在化するなかで、当時の市長であった宮崎氏が1971年からスタートした「グリーンコウベ作戦」事業。
これは市街地の緑化によって市民の健康を高める施策で、市域の7割を緑地として保全することを目指し市電を廃止して緑地帯とするなど、積極的な緑化事業であった。

その施策の結果、開始当時1.7万本であった街路樹は、現在では46万本まで増加し、緑化は確実に進んだ。
その過程で早期に緑量を確保する必要性から樹木の剪定を行わない「無剪定方式」を採用したが、それによって樹木の成長を管理できずに「型」をつくることができなかったという現状を生んでしまった。
その結果、現在では計画的に街路樹を剪定する必要性を抱えている。
街路樹に対する市民の要望も、その半数が剪定に対するものという結果が出ている(平成28年の市民要望1,442件のうち47%が剪定に関するもの)。
46万本まで増えた街路樹のうち、高木は約13万本であるが、これは他の政令市と比べても人口あたりの本数は突出している。

まちに緑が溢れる一方で、人口減少が始まっている同市にとってはその維持管理が財政負担の課題の一つとなっている。

そうした現状の下、神戸市では将来に向けた街路樹の適正配置などあるべき姿を示す「街路樹再整備方針」を平成29年4月に策定した。

この方針で示された課題は、立川市でも多く共有できる。

まずは街路樹の老木化による倒木の危険性である。
「グリーンコウベ」が始まって40年以上が経過をし、街路樹も老木となった。また街路樹だけでなく、昔から地域にある樹木も当然、樹齢を重ねている。
倒木の原因は樹木内部が空洞化してしまうことにあるが、それは外観からは分からない。
倒木に至らなくとも、成長した木の枝が張り出して交通の邪魔になる等の支障もある。
根上りも道路環境を悪くし、通行の支障になる。

そうした環境や安全の確保のための維持管理費は、当然樹木の数に比例する。
人口減少社会を迎え、今後の自治体税収も減少が予想されるなかにおいては、街並みとの調和を図ったうえでの街路樹の適正化を行っていくとしたのが、この「街路樹再整備方針」である。尚、この方針のもとでの適正化の方向性は総量規制ということであったが、神戸市では人口比としても街路樹の数が多いことから、実質的には総量削減ということになる。

この整備方針のもとで、街路樹の更新(植え替え)とともに重要なのは適切な剪定作業である。
樹木の剪定が実際の景観に大きく影響するため、神戸市は業者に対しては年1回の講習会を行っている。
神戸市では剪定作業を造園業者(市内3社)に委託しており、作業にあたっては仕様書も当然ある。
しかしその上で品質を確保するための講習をして景観を保っているということである。
さらに「シンボル路線」としている都心部や観光地などの街路樹の管理にあたっては、街路樹剪定士という有資格者を導入して質の管理を行っている。

【所感】

神戸市の「街路樹再整備方針」は、その内容について目新しいものがあるわけではない。
しかし、こうした今後の総体的・具体的な方向性を示すことで、なぜその樹木が更新されたのか、というような、市民への説明をしっかりはたしていくことができる点でも大切なことだと考える。
また、街路樹をはじめとした街の緑化は、市民の安らぎや潤いといった精神衛生上も重要なものである。

一方でそこに費やすことのできる予算は限られており、その予算の中で効率的な管理が求められるということ、さらに今後の税収減を見込んだ対策の必要性は立川市も同様である。
そうしたなかにあって、神戸市では街路樹の剪定作業を専門業者に委託しているだけでなく、業者に対して毎年研修を行っているということが強く印象に残った。
長く緑化事業を進めてきた神戸市では、価格だけでなく、どう品質を確保するかを優先している。
立川市においても街路樹管理には課題がある。
今回の神戸市の事例を大いに参考にしながら、市民が愛着を持てる街路樹を目指してまいりたい。 以上

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