(東京・武蔵野市)福祉の窓口一本化

2021(令和3)年5月5日付 公明新聞6面

福祉の窓口一本化

相談コーディネーターを配置

東京都武蔵野市は、市役所2階にある生活福祉課の一部に「福祉総合相談窓口」を今年度から開設し、「福祉相談コーディネーター」が高齢者や障がい者ら訪問者の相談内容や課題をあらかじめ整理して関係部署まで案内している。各担当課のたらい回しに遭うことや、適切な支援につながらないケースを防ぐことが狙いだ。市議会公明党(落合勝利幹事長)が実現に尽力。市民から「相談しやくすなった」と喜ばれている。

支援の全体像 把握しやくす

ひきこもりやダブルケアにも

武蔵野市の福祉総合相談窓口は、80代の親が50代のひきこもりの子どもを世話する「8050(ハチマルゴーマル)問題」や、介護と育児を同時に担う「ダブルケア」など複合的な諸課題を含む福祉に関わる全般的な相談に対応する。窓口の「福祉相談コーディネーター」が相談内容に応じて手助けする。時間は平日の午前8時30分から午後5時。電話や訪問による相談も受け付けている。

氏は、これまで福祉の相談に対し、部署を横断して密に連携を取りながら対応してきた。それでも福祉の制度が複雑なこともあり、ひきこもりの人や精神障がい者らが受けられる全ての支援にたどり着くまで、各担当課のたらい回しに遭うことなどが課題だった。

利用者「本当に助かる」

公明党議員、実体験踏まえ実現に尽力

市議会公明党の大野厚子議員は、その課題に直面した経験を持つ一人だった。議員になる前の2008年、夫の正美さんが若年性認知症を発症。その際、介護保険や障害者保険、障害年金などの手続きをしようと各担当課へ。ところが、同症は国指定の難病で事例が少なく、行政も対応した経験が少ない。各担当課は、同症に関する支援制度の全体像を把握しておらず、各担当課を次から次へと回られた経験をした。

「同じ思いをして困っている人を助けたい」。15年4月に初当選後、固い決意で大野議員は福祉サービスの向上に奔走する。その中で出会ったのが、精神障がい者の家族で構成される「第二金曜会」(高辻清長会長】のメンバー。「行政に相談したい内容が複雑で、どこに相談すればいいか分からず困っている」と打ち明けられ、課題解決に親身になって動き出した。

大野議員は、15年6月定例会で、高齢者や障がい者らへの相談窓口サービスを充実させる必要性を強調し「福祉の総合案内人を配置すべきだ」と提案。さらに、17年6月定例会でも重ねて訴え、粘り強く実現へと導いた。高辻会長らは「窓口が一つになり、福祉の相談がしやくすなった。本当に助かる」と語っている。

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