砂川地域の雨水対策(空堀川流域)について

平成29年第3回定例会(2017年9月5日)

◆6番(大沢純一君)

今月9月1日、防災の日を迎えました。本日5日まで防災週間ということで、各地で防災訓練や啓発活動などが実施されております。

首都直下型地震が30年以内に70%の確率で起こると言われて久しいわけでありますが、以前に内閣府が公表した資料によれば、2012年には文部科学省がこの地震確率を示しており、その時点からでも既に5年が経過をしております。まさにいつ起こってもおかしくない状況にあると言えます。

改めて申し上げるまでもなく、これには不断の備えをしていかなければならない。備えとはシミュレーション、模擬的な実験の中で検証していくわけですが、その前提として、あらゆる可能性を想像するイマジネーションがより重要になってまいります。想像し得る最悪の状況に備えていくこと、つまり想定外をどれだけなくしていけるのかが問われることになります。

先月、防災士の資格を持つ全国の地方議員の集まりである地方議員防災士会の会合が神戸市の阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センターで開催され、私も資格を持つ一人として参加してまいりました。

1995年、平成7年1月17日に発生した阪神・淡路大震災の記録を残すためだけでなく、災害対策の専門家の育成や災害対応の現地調査、支援などの機能も兼ね備えた施設である人と防災未来センターを見学した後、同センターで関西大学社会安全研究センター長の河田惠昭教授より講演がありました。

災害と政治と題して行われたその講演で河田教授は、地震や津波など、それ自体は自然現象であって、災害とはその備えを怠ることで起こるもの、つまり社会現象であるということ、さらに、災害の被害想定の制度が高くなったことによってとるべき対策を明確化できるのであるから、災害が起こるということは対策を行ったということで、防災・減災は極めて社会的な問題であり、政治的な問題であるとの見解を示されました。

災害としては近年、特に豪雨による被害が各地で発生しております。これまでになかった量の雨が全国各所で降り、記録的な豪雨との言葉とともに大きな被害を出しております。

本年7月の九州北部豪雨、昨年28年には台風7号、11号、9号、10号と前線による大雨、平成27年9月の関東・東北豪雨と、近年は毎年のように各地で豪雨被害が発生しています。今ではゲリラ豪雨という言葉が日常化するほど、大雨は災害の中でも特に喫緊の課題です。

これは本市でも深刻です。特に砂川地域の豪雨・雨水被害は近年においても本議会で多くの議員から課題として提示されておりますし、今議会でもゲリラ豪雨対策について何人もの議員から質問がされております。

私も当選直後よりこれについて質問してまいりましたが、状況は年々緊迫しており、早急な対応が必要な状況です。

近年、豪雨が多いのは周知のとおりですが、気象庁のデータでは、八王子の観測で1976年以降、時間雨量が最も多かった上位10位の中で、2000年代が7回にも上ります。1位が2008年8月29日の豪雨で時間63ミリ、2010年8月19日にも62ミリを記録し、昨年2016年8月22日の豪雨でも56ミリを記録しております。

この2016年8月22日は台風9号による豪雨で、青梅では107.5ミリという観測史上最大の降雨量を記録しており、所沢でも76.5ミリと、これも歴代1位の降雨量となっております。

本市でも西砂地域を中心に床上・床下浸水被害が発生し、直後の本議会においても多数の議員から大きな課題が示され、対策が求められました。

豪雨・雨水対策について、東京都建設局が平成24年11月に示した中小河川における都の整備方針では、現在の時間50ミリ降雨への対応から、流域・河川ごとの特性を踏まえ個別に、区部河川では時間最大75ミリ、多摩部河川では時間最大65ミリ降雨に目標整備水準を引き上げ、河川からの溢水を防止するとされております。

本市ではこれまで、時間50ミリ降雨の対応できる環境を整備してまいりましたが、改めて東京都の指標を待つまでもなく、本市でも今後50ミリ以上の対応が必要であることは日本各地の状況を見ても明らかであります。時間雨量65ミリの対応を早期に始めなければならないと考えます。

一方で、そうした新たな指標による対策を行う以前に、本市においてはまだまだ雨水管の整備状況について偏在があります。

本市第4次長期総合計画で示されたにぎわいとやすらぎ、そのやすらぎを担う砂川地域の雨水管整備状況は大変低く、市内の他地域と比べれば格差とも呼べる状況ではないでしょうか。

今後は、本市全域の雨水対策についても改めて検討していかなくてはなりませんが、それ以前の喫緊の課題としては、地域の偏在を解消することであります。

ここで、改めて対策を求めるに当たり、まずは現状の確認として、砂川地域の雨水管整備率について、他地域の比較とともに伺います。

◎市長(清水庄平君)

まず、砂川地域の雨水対策についてであります。

本市の下水道は単独処理区、北多摩一号処理区、北多摩二号処理区、多摩川上流処理区の4カ所の処理区で下水道を処理しております。

多摩川上流処理区以外の処理区では雨水管の整備はおおむね完了しておりますが、砂川地域が含まれる多摩川上流処理区の雨水管整備率は約25%となっております。

また、多摩川上流処理区の中でも、砂川町の金比羅橋より北東に位置する地域は空堀川流域となっており、東大和市、武蔵村山市を経由し空堀川に雨水排水しなければならず、広域的な雨水管整備が必要となります。

このため、平成18年度に東大和市及び武蔵村山市とともに空堀川流域雨水整備基本計画を策定し、広域雨水幹線の整備を関係機関に要請するとともに、暫定的な雨水対策を進めているところであります。

◆6番(大沢純一君)

御答弁をいただきましたので、まずは最初の質問である砂川地域の雨水対策について伺います。

スクリーンをごらんください。

今から示すのは、先月8月30日の15時ごろ、所沢で時間雨量35ミリとなった際の砂川町と武蔵村山市境の様子です。

降った時間としてはそれほど長くありませんが、35ミリぐらいで、このように道路は冠水状態になっております。まずはこうした現状を御認識いただきたいと思います。

スクリーンを終わります。

砂川地域の雨水管の整備率について、市内の状況とともに御答弁をいただきました。

本市下水道総合計画というのがありまして、直近では平成27年に改定されておりますが、ただいまの答弁はそこで示されたものに準じているということで思っております。

スクリーンをごらんください。

これがその総合計画で示されております整備状況です。御答弁いただいたのはここにある整備率です。市全体では、先ほど御答弁ありましたこの95%、大体できているということで95%、もちろん市内で違いがありまして、単独処理区では97%、北多摩一号処理区では100%、二号処理区では96%となっております。

ところが、多摩川上流処理区だけ、御答弁ありました25%という状況です。

この多摩川上流処理区というのが砂川地域に当たるわけですけれども、ここは排水区、雨水の放流先が二つに分かれております。この砂川地域としては、先ほど申し上げたように25%ですけれども、それも地域によって差がございます。

この西側は残堀川に雨水を流す区域となりますが、その地域の雨水の整備率は29%という、こういった状況にあります。

一方で、東側、空堀川に流す区域は整備状況が

わずか3%という状況です。

スクリーンを終わります。

なぜこういう状況なのか、事前の通告と少しずれますけれども、どうしてこの地域、空堀川排水区の整備が進まないのか、その理由をお示しください。

◎環境下水道部長(大野茂君)

この空堀川流域の雨水対策、雨水管の整備がなぜ進まないかということでございます。

空堀川につきましては、先ほど、最初の答弁にもあったんですけれども、私ども立川市だけの雨水管で結ぶことができません。他市を通らないとそちらのほうに放流ができないという形になっておりますので、その部分でなかなか整備が進まないということでございます。

◆6番(大沢純一君)

今御説明いただいたように、この地域の雨水は空堀川へ流さなくてはならないという、こういう計画なんですけれども、そのためには、そこに至る武蔵村山市、東大和市の協力を得て、東京都と一緒にやらなければいけない、つまり立川市単独ではできないためにこれまでできなかったという御答弁です。

ですが、これ最近の話ではございません。少なくとも20年以上前から議会で対策を求めております。

スクリーンをごらんください。

空堀川及び東大和市の雨水幹線の整備促進について、東京都へ働きかけているところでございます。
--これは平成7年9月の決算特別委員会で当時の議員がこの対策を求めた際の下水道工務課長の答弁です。
あるいは次の年、平成8年3月の予算特別委員会での答弁がこれです。

空堀川及び東大和市の雨水幹線の整備促進について、現在東京都へ働きかけているというのが現状でございます。

そしてこれが、去年の第4回定例会での市長からの答弁です。

「東京都や関係機関に要請活動を行っておりますが、進展していない状況であります。」

つまり、20年間全く変化がなかったわけです。地域の方々も何でこんなに進まないんだと怒っておりますし、あきれております。結局行政はやる気がないんじゃないかと思っております。

スクリーンを終わります。

そこで、今までどういう協議をしてきて、現在どういう状況にあるのかということ、もう一度お示しください。

◎環境下水道部長(大野茂君)

今までの取り組みでございます。今、議員のほうから御指摘ありましたように、平成7年から働きかけているということで進展していないということでございます。

こちらの部分につきましては、3市におきまして平成14年度から検討会を発足しました。これはなぜ発足させたかといいますと、ただ東京都にお願いしているだけではなかなか進まないということでございます。ですので、14年度から3市におきまして各市の被害の状況等検討して、あとはどういう幹線を整備すればその雨水の被害がなくなっていくのかということで、そのシミュレーションも行いました。そのシミュレーションに基づきまして、平成18年度に空堀川の雨水整備基本計画というのを策定しました。

その基本計画をつくった上で、平成20年度から具体的にそのこういう幹線を引いていただいて、費用負担はこういう形ですという形で東京都のほうに要請しているところでございます。

◆6番(大沢純一君)

現在の一番最新の状況というのはどのような状況になっておりますか。

◎環境下水道部長(大野茂君)

最新の状況でございます。

本年1月に要請にやはり3市で行きました。その際には、平成28年8月、昨年のゲリラ豪雨及び台風9号により発生しました3市の甚大な浸水被害の状況を説明するとともに、東京都に対して技術支援、あとは東京都と3市の合同の雨水整備検討組織の設置を強く申し入れたところでございます。そちらに対しまして、東京都のほうからは検討していこうというような回答をもらったところでございます。

◆6番(大沢純一君)

きのうの安東議員に対する御答弁もありましたけれども、やっと東京都もやる気になってきたという、今やっとそういうような状況かというふうに思います。

ここで東京都も、きのうの御答弁でも調査するという、そういったお話もあったかというふうに思いますけれども、やっとここまできたと、そういうことかと思います。

全てそうですけれども、地元の、特に基礎自治体の要望や計画について、国や東京都といった立場が待っていて何かをしてくれるということは、御承知でしょうが、まずありません。地元が計画を進めていくんだという主体性を持つこと、これを本当に進めていくことにどれだけ熱を持てるか、こういうことにかかってくると思っております。

本議会でもこの20年間、本当に多くの方たちがこの問題に対して解決を訴えてきました。これは党派とか会派とか関係ありません。この地域の実情を見れば、誰だってどうにかしなければいけないと、こういうふうに思わざるを得ないと思います。

スクリーンをごらんください。

これは、ここ数年の砂川地域の豪雨の際の冠水状況です。

この質問の最後に、この状況を訴えてきた先輩議員の議会での発言を紹介したいと思います。

「やっと手に入れた住」、これは衣食住の住、住まいのことですけれども、「やっと手に入れた住も、下水は入ったけれども、」下水管は整備されました。

下水管は入ったけれども通勤通学時には事欠くような、降雨時には道路が溢水している。これをどうしてくれるんだというのが今多摩地域の人たちの大きな関心ごとですよ。
--これは平成3年です。平成3年12月、建設委員会での私たちの先輩、長野尚文委員の発言です。四半世紀以上前の当時の市民の声を代弁したものですが、その声がまさに今でもこの地域の市民の声として依然として大きな声であります。

豪雨に対する市民の不安の解消という声もきのう御答弁の中で本議会でございました。まさにこの不安が不満とともに鬱積しているというのがこの砂川地域の実情だというふうに実感しております。

スクリーンを終わります。

これまで、党、会派関係なく、多くの議員がこの場で対策を求めてきました。市民の声として訴えてまいりました。20年以上動きのなかったものが、多くの先輩議員の御努力と、行政としてもそうした市民の声を受けて粘り強く各所に働きかけていただいたおかげもあって、やっとこの緒についた、やっと今緒についたという、こういったことかと思います。

どうかこの機会を逃さずに、立川が議論についてもこの3市、立川と武蔵村山と東大和、そして東京都、四つ関係箇所がございます。これを立川がこの議論についても、また予算についてもどうか主導して取り組んでいただきたいと思います。そのことを強く、強く要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。


平成29年第3回定例会(2017年9月8日)

◆6番(大沢純一君)

それでは、私のほうも1点だけお伺いさせていただきます。

事項別明細書13ページ、流域処理区管渠費の下水道管整備事業、空堀川排水区の関連業務負担金ということでお伺いしたいと思います。

今回、420万円計上されておりまして、これは私も今回の一般質問で質問させていただいた関連の項目でございますけれども、今回、3市で東京都の求めに応じて負担金をすることになったということですけれども、1点は、3市均等な負担金の割合なのかについてお伺いします。

もう1点が、今回計上されているわけですけれども、これは今回で計上して調査が終わって、その後、次の段階に入っていくのか。それとも、調査というのはこの後続いていくものなのか、それについてもお示しください。

◎環境下水道部長(大野茂君)

3市の負担の割合でございます。

こちらにつきましては、雨水の排除面積割合で算出しております。

それで、調査委託費のほうにつきましては、総額で2,000万円を想定しておりまして、東大和市が47%、武蔵村山市が32%、それで立川市が21%ということで、立川市の負担が21%ということですので420万になったということでございます。

今回の調査につきましては、調査する項目としましては浸水要因を分析したり、あるいは既設管浸透施設等の整備状況、あるいは降雨シミュレーション、整備手法の検討、段階的雨水整備の検討等々を行っていきまして、それにつきましては今年度1年間の調査ということになります。

その後、また協議会の中で打ち合わせをした中で、どういうふうな形で進めていくかというのは継続して検討することとなってございます。以上です。


平成30年予算特別委員会(2018年3月15日)

◆委員(大沢純一君)

117ページ、下水道管整備事業、先ほど門倉委員もお話しになりました。

今、門倉委員のお話では、西砂地域で特化したお話でありましたけども、私も今までの一般質問の中で、またさきの一般質問でも、砂川地域、砂川七丁目、八丁目の空堀川水系ですとか、また上砂町五丁目のそういった地域、これの雨水対策を求めてまいりました。

これまでの答弁というのは、やはり水道管が入れられないということが今までの答弁であって、これはさっき言った西砂地域は暫定的にできるのであれば、この地域だって当然暫定的な整備というのは同様にできるはずだと思いますけれども、今後、今議会でやって、補正でどうにかこれをつないでいくというような話もありましたけれども、もう一方で、この地域のそういった検討もそれに乗せられるかどうか、見解を伺います。

◎下水道工務課長(佐藤敦君)

委員おっしゃいました空堀川流域というお話なのかと思います。

空堀川流域につきましては、御存じかと思いますが、立川市、東大和市、武蔵村山市の3市の広域的な雨水排水を担う流域下水道雨水幹線の整備が必要な地域でございまして、最終的には空堀川の河川に放流するような、そういった計画になっているわけなんですけども、平成29年8月に東京都と3市で構成する空堀川流域雨水整備検討協議会というのを立ち上げまして、それで現在、東京都が主になりまして、いろんな広域的な雨水整備の検討を進めてございます。

その中で、現状把握だとか、降雨のシミュレーションだとか、あとは実施整備手法の検討、そういったものを進めてございまして、そういった中で、今月3月にそういった報告を一応受ける予定にはなってございます。

そういった中で、幹線整備というのは当然費用もかかる話なんですけども、今後少しずつ進展しているのかなというふうに思いますし、あと暫定的な対策につきましては、雨水貯留槽をつくったり、部分的にやっているところもございますので、今後さらに拡大、これもまだ完全整備に入るまでの暫定的な措置になるわけなんですけども、進めていければというふうに思っております。以上でございます。

◆委員(大沢純一君)

その辺のところについては、これまでなかなか進んでこなかったところを、大きく東京都とまた3市ということで進めていただいてすることについては、本当に感謝申し上げるものでありますし、その上で、当面の対策として、これはやはりその折々に、この間も申し上げましたけれども、やはり住民がこの地域に住んでしまったというぐらいの、そういうような印象を持つぐらいの雨水の状況があるというのは、これは事実でありますので、そこをどうにかできるのか。これは、やはり暫定整備ということで。

いわゆる上水道はしっかり整備されていて、そこはつながっているわけですから、そこにこの暫定整備は、一つは雨水もそこに流すという、こういった暫定整備という話だというふうに理解をしているんですけれども、そういったやり方もある、暫定整備があるという中では、ぜひ当面の対策としてのこの地域の取り組みもぜひお願いしたいことを申し上げまして、質問を終わります。

◎環境下水道部長(大野茂君)

暫定的な対応につきましては、既に平成20年の前半に雨水被害があったときに、例えば公園に貯留施設をつくったり、あとは雨水ますの底抜きというのをやっていまして、かなりそれが効果がありまして、あと、そのますにつきましても毎年清掃をやっております。

そういうことで今、雨水管がない状態なんですけれども、浸水被害を減らしているということがございますので、今後もその対策につきましては継続してやっていきたいと思っております。

◆委員(大沢純一君)

ありがとうございます。

そういったいろいろやっていただいていることも、これは承知をしているつもりです。その上で、まだやはり未整備というか、大変な思いをしているところもありますので、そこはどうかもう一度注視をしていただいて、効果的な対策をよろしくお願いしたいと思います。以上です。

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