FixMyStreet(フィックス・マイ・ストリート)の活用を

平成26年第4回定例会(2014年11月28日) 議事録より

◆6番(大沢純一君)

本市の災害時の対応、取り組みについての現状の課題をお示しください。

◎市長(清水庄平君) 

災害発生時についての市の対応であります。

災害発生時に大切なことは、まずは、市民一人一人が自分自身の命を守っていただくことが一番大切なことと考えております。次に、家族や隣近所、地域で連携し、共助体制を築いていただくことが大切であると考えております。

実際に災害が起こったときの対応として、防災無線や防災メールなどを通じた市民への適切な避難誘導情報伝達、また避難所の開設や災害対策本部の設置、消防、警察など関係機関との情報共有や連携等の対応をいかに図れるかが課題と考えております。

◆6番(大沢純一君)

ただいま災害時の対応について市長よりお示しいただきました。

災害時に必要なライフラインとしては、水道、電気、ガスとともに、生死を分ける大きな要素として情報があります。先ほども、無線やメールなどでの情報伝達という御答弁もいただきましたが、そのような、つまり通信網の整備も重要なライフラインです。

ここで、3点にわたって、私が想定するこの情報、通信の本市課題について御質問いたします。

(中略)

二つ目は、スマートフォンを活用した情報掌握についてです。

これは、スマートフォンのアプリを利用して、市内の危険であったり修繕が必要な部分を市民が行政に連絡する仕組みです。現在、千葉県千葉市と愛知県半田市で同様の事業が行われております。

具体的には、例えば道路に穴があいているという場合、スマートフォンで現場の写真を撮り、そのアプリの地図に場所をマーキングして、撮った写真とともに現状を書き込み、登録します。行政側は、その書き込みを見て対応するというものです。千葉市では、独自のアプリを開発して「ちばレポ」として運用し、半田市は、フィックスマイストリートという既製のアプリを活用して、「マイレポはんだ」という取り組みをこの10月から本運用しているということです。私がこの同様の取り組みを提案したいのには、次の三つの理由があります。

一つは、災害時でないとき、つまり平時のこうした取り組みが、ふだんはなかなか行政との距離が遠く感じている市民にとって、行政との距離を近くすることになるのではないかと思います。立川から都心部へ通勤通学されている方、帰宅が毎日深夜になるという方も多いと思います。そういった方々が、なかなか市役所の窓口と相対することも難しい。こういう仕組みを通して、24時間市の窓口に連絡できるということは、行政への市民参画としても有効だと考えます。

二つ目に、行政職員の業務効率化にも寄与すると思います。これは、これまで担当者が市内を見回ってくださっていると思いますが、市民から位置とともに視覚的情報を得られることで、そうした見回りのマンパワーを別の力に振り向ける、また、使えることにもなると思います。

三つ目に、平時から市民にこうしたシステムになれてもらうことで、これが災害時に大きく生かされていきます。本市の面積は広くないとはいえ、災害時に行政職員など公的な部門が市内をくまなく回るということは、恐らく不可能でしょう。道路事情が悪化した場合などはなおさらです。そうしたときに、この場所は通行が危ないといった情報や、ここは漏水しているというようなこと、この場所に少人数が避難しているといったことなども、市民からレポートできるでしょう。この避難所でこういったものが不足しているという情報が発信できるかもしれません。そういった位置と画像が付加された情報というのは、非常時に大変重要です。

これは、行政と市民をつなぐツールであると同時に、市内の情報を俯瞰できるため、市民同士をつなぐツールにもなり得ます。こうしたフィックスマイストリートというようなアプリを使った取り組み、これについてどのような見解をお持ちでしょうか。

◎総合政策部長(佐橋恭子君)

議員のほうから、フィックスマイストリートというようなアプリの活用をという御提案でございます。

画像に位置情報を添付して投稿することができ、市民との協働による効率的な行政運営に活用する自治体が、先例としては幾つかあるということは存じております。また、災害時などには、市民から被災情報を画像とともに得ることができるという利点はございますが、運用方法など課題もございまして、現在ではまだ先駆的な段階であると捉えております

このようにSNSを活用した取り組みにつきましては、災害時も含めて、市民と協働で行政運営を進めることができる一つの手法として、引き続き注視し、研究してまいりたいと考えております。

◆6番(大沢純一君)

スマートフォンを活用した情報掌握、アプリを使った取り組みについての見解を伺いました。

同様の事業を行っている千葉市のように、独自のアプリを開発するというのは、本市としてはハードルが高いと思います。そこで、半田市と同様に既製アプリであるフィックスマイストリートを御提案いたしました。これは、もともと2007年にイギリスの団体が始めたもので、世界十数カ国に広がっているものですので、そういった意味でのこのアプリの継続性は確保できると思いますが、先ほどなかなか先駆的だというような御答弁もありました。

これについては、立川市だけでなく、我が国全体が、これまで誰もやったことのない少子高齢化社会という中での行政運営をしております。しかも、世界に類を見ないほどのペースで進んできた少子高齢化です。

ここで多くは申し上げませんが、65歳以上の人口が全人口の14%を超える、これを高齢社会といいますけれども、この高齢社会になるのに、フランスで114年、スウェーデンで82年、ドイツで42年かかったこの高齢社会が、日本ではおよそ24年で訪れました。そうした中での行政運営ですから、やはり手探りでやっていかなくてはならない面は、これからも多々あるでしょう。

そうしたときに、先駆的であるとか、また失敗は許されないという、そういう意識が初めに働いてしまったら、どうしてもほかの行政と横並びでしかできなくなる。日ごろから、多摩の中心都市として自負している我が立川市が何をやるのか、これは他市も注目していることと思います。そういったリーダーシップとも言うべき取り組みをこれから本市がしていかなくてはならないのだろうという中で、もし新しい施策、事業に取り組みたい、けれどもできないということがあれば、たくさんの御答弁を聞いていますと、やはりお金がないということが一番最初に出てまいりますけれども、そのほかにも、人が足りなくてできないのか、また、技術がないからできないのか、どうか常にそれをはっきり提示していただいて、私も言うだけでなく、進めるためには具体的にどうしたらいいのかということを考えていきたいと思います。

そして、その前提として、そういった施策、多少の失敗を許容することも必要なんだろうと思いますし、その費用は必要経費だという認識も広く共有できたらと考えていることをここで申し添えておきたいと思います。


平成28年第1回定例会(2016年3月14日) 議事録より

◆6番(大沢純一君)

先日、平成27年度の国勢調査の速報値が発表されました。今回の速報値については、大正9年の調査開始以来初めて我が国の人口が減少に転じたということで大きく報道されました。

もとより、こうした人口減少については、現在、地方創生ということで全国各地で、そして本市でも少子高齢化対策を議論し、方向性を模索しているところであります。

少子高齢化の一番の問題というのは、生産年齢人口の減少、つまり働き手の減少です。たとえ少子化対策に国全体で今の数倍の力を入れたとしても、きのう生まれた子が15歳からとされる生産年齢に達するには、文字どおり15年かかり、短期的、中期的にはどうやっても生産年齢人口というのは減る方向にあります。

この人口減少への対策は、大きく二つあると考えます。

一つは、外国から日本に来てもらって働いてもらう、いわゆる移民につながる対策です。しかし、これにはまだまだ国民の意識、理解が追いついているとは思えません。体制とともに個々人が受け入れるための心の準備にはある程度の時間がかかることでしょう。早急に進められる問題ではないというふうに私は考えます。

そうであれば、もう一つの対策を進めるしかない。それは、我が国の強みである科学技術、工業技術を使うこと。ロボットを使ったりICT技術を駆使して人手を補完していくしかないと考えます。

これは、少子高齢化対策としてだけではございません。地方を含めた日本の財政を考えたときに、業務効率化による経費削減はこれからなお一層求められることでしょう。

本市でも、職員数の適正化ということでは、さらなる削減を目指しております。少数精鋭という言葉が直接的、間接的に庁内で口にされているかどうかはわかりませんが、個人の能力の向上とあわせて、物理的なシステムを整えることでの業務効率化が求められることは必然です。

一方で、職員数の適正化は、業務量の適正化にもつながる議論であり、職員の削減による業務のしわ寄せがそのまま個人の努力のみに求められれば、今度はおのおののモチベーションの低下を招くことになります。

こうした事態に陥ることなく、他に任せられることは任せてしまうことが、余裕を生み出し、メンタルヘルスを向上させることにつながります。いわゆるICT技術というのは、他に任せるという手段の大きな部分を占めるものでもあり、その活用によって個々の業務負担を大きく減らすことが可能であります。

ところで、本市の今後10年間の設計図でもある第4次長期総合計画、その前半の5年間の計画の一つに、第2次情報化計画が位置づけられております。

この第2次情報化計画の冒頭でも述べられておりますが、この計画が目指すものは、市民、地域のための情報化と行政内部の情報化とあります。この後者の行政内部の情報化については、先ほどから申し上げている業務効率化とあわせてこのICT化の準備があるかと思います。

これはこれで大変必要なことである、そう考えますが、一方で、ICTとはInformation and Communication Technologyの略であり、その本質はコミュニケーションこそ求められる。

そこで、前者、市民、地域のための情報化ですが、この第2次情報化計画では、市民、地域のための情報化として何を目標としているのか、ICTを使ってどのように市民とコミュニケーションをとり、また市民の側としてはそうした整備がどのような利点、利便性の向上につながっていくのか、まずお示しください。

◎市長(清水庄平君)

立川市第2次情報化計画についてでございますけれども、市民ニーズが多様化、複雑化する中で、限られた行政資源を有効に活用するために、情報化施策は各施策目的の実現に貢献するための分野横断的な課題であると捉えております。

前期基本計画においては、計画的な自治体運営の推進に寄与すべく、基本事業として、市民サービスの向上と業務効率化のためのICT活用を掲げ、ICTマネジメントと情報セキュリティに配慮し取り組みを進めております。

◆6番(大沢純一君) 

市民に情報を見せるという行政の見える化のためのプラットホーム、これを市民に提示するというところでは、スマートフォンアプリを使った市民との協働活動を提案したいというふうに思っております。

以前の議会でも提案をいたしましたフィックスマイストリートというアプリ、あるいは今千葉市で取り組まれている、ちばレポというアプリがあります。どちらもアプリ上の地図に市民が撮った写真を位置情報で張りつけることができて、コメントも載せられる。主に落書きだとか道路の補修が必要な箇所、あるいは街灯が切れているなどの対応要望が市民から投稿されて、対応課としてそれにコメントしながら対応するというような、こういったものになっております。

こういう補修ですとかさまざまな対応というのは、これまでも市民から行政のほうに直接電話があったり、またメールなどでも声が寄せられている、そういうことかと思いますし、あるいは私ども議員が、地元の方から声を聞いて、さまざまな機会を通じてそれを行政の方々に伝え、対応してもらう、そういうことでこれまでやってまいりました。

そのやり方は、もちろん大事だと思いますし、これを否定するものではございませんが、でもそれであると、一つは当事者以外に、いわゆるやりとりをした当事者以外にこの状況というのは市民に見えないという、こういうこともあろうかと思います。また、そういった声を行政に伝えられる層も実は限られてくる、こういったこともあろうかと思います。

例えば、朝早く家を出て夜遅く帰ってくる、その帰り道が毎日暗い、街灯が切れている、夜間だとつまずきやすい道だったりする。そういうことがあっても、もうその時間には市役所が開いていなくて誰にも連絡がとれないとか、そういったことも現実として思っている方というのは少なくないと思います。

そうした市政の見える化によって、市民に行政への参加を促す仕組みをつくることが大切だと考えますけれども、これについて見解をお示しください。

◎総合政策部長(佐橋恭子君)

議員御提案のスマートフォンアプリを活用する事例につきましては、市民と行政が双方向で情報交換をすることが可能となります。効率的な対応、また情報を共有するシステムという意味合いでは大変有効なものであるという認識は持ってございます

以上でございます。

◆6番(大沢純一君)

必要性の認識はあるということで、私たち議員にとっても、これからも市民の声を行政に伝えるというのは、大きな役割の一つだと、もちろんそれは当然考えてございます。しかし、市民の声を私たちが行政に伝えるだけでなく、伝わる仕組みをつくることこそが本当の私たちの仕事である、私はこういうふうに思っております。

このスマートフォンアプリを活用した地域課題を解決する取り組みについては、都内では練馬区が導入され、また関東近辺では、代表的なのは、先ほど申し上げました千葉市を初めとして相模原市や埼玉県戸田市でも行われております。

必要性の認識はお持ちだということですので、今後は具体的な提案をさせていただきたいと思います。

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