「こども六法」を全学校の図書館に

令和1年12月文教委員会(2019/12/12) 議事録より

◆委員(大沢純一君)

私で最後になります。

今、粂川委員のほうからもSNSを使って学校と家庭のルールという中で、このいじめの問題も指摘がありました。また、くぼた委員からもさまざま小中学校のいじめということで質問がございまして、その中でいじめ悩み相談レターについては経年何件かあったということでは、本当にそうやって子どもたちが意見を言うまで、文字にして出すというところまでの思いを考えると、どれだけの悩みがあったのかなということで、本当にこうしたいじめの問題、議員もまた行政の方も総出で解決していきたいというふうに思っております。

その中で、私もPTAの方々とお話をしますと、やはりこのいじめの問題の話になると話がとまらないというぐらいに、やはり皆さん関心が高いところでもありまして、そういった中で現在の取り組みについてお伺いしたいと思います。

表題に書かせていただきましたいじめ対策における法教育についてという、そういった角度でお伺いいたします。

現在、法教育というところでは、そういった法関係者の学校にかかわるものとして、先ほども御答弁の中で一部ございましたけれども、弁護士によるいじめ防止授業というのが行われていると思います。これの目的について、まずお示しください。

◎指導課長(前田元君)

弁護士によるいじめ防止授業は、法的な視点から、いじめは違法行為であること、またいじめを受けた側には責任はないことなどを弁護士から直接児童生徒が聞くことによって、学校におけるいじめ問題を未然に防いでいく、そういったことを目的として実施しているものです。

授業の中では、いじめとは何か、なぜいけないのかといったことを子どもたちに考えさせたり、実際に過去に起きた事案や裁判例の紹介をしていただいたり、いじめを防止するために必要な考え方を教えていただいております。

法律の専門家である弁護士からの説明なので、子どもたちの心に響くような授業になっているものと考えております。以上です。

◆委員(大沢純一君)

この授業を参観した保護者の方からも御意見伺いますと、本当にやった後と前とでは児童の考え方が大きく違うということで、本当にすばらしい取り組みだというふうな声を聞いております。

その中で、法教育ということでは、これ以外に何かほかにやっていらっしゃる、そういった授業はあるんでしょうか。

◎指導課長(前田元君)

いじめ防止に向けた取り組みのほうで申し上げますと、人権教育でありますとか道徳教育を推進していく中で、例えば全校朝会における校長講話の中でいじめの違法性あるいはいけないことであるということを全校に向けて校長が発信したりとか、あるいは各学級における学級活動の中で、いじめがいけないという指導はもちろんなんですけれども、その一方でみんなと仲よくするってこんなに楽しいんだというような経験を味わわせているというようなところでございます。

また、特に特別の教科 道徳の中では、全学年の題材の中にいじめを扱ったものがございまして、全ての学年において友達とわかり合うあるいは心ない一言がどれだけ友達を傷つけてしまうのかというようなことを学ぶ内容、年間指導計画というふうになってございます。以上です。

◆委員(大沢純一君)

さまざまな取り組みの中でいじめはいけないということの訴えをしていただいているといったことでした。

ただ、そのいじめ問題の中で一番難しいことということで教育現場の方からもお伺いしているところが、いじめている本人が、自分がやっていることをいじめだと気づかないということだというふうに聞いております。これは私も、いじめられた経験もありますけれども、振り返ってみれば、いじめていたなという経験やっぱりあります。そのときはただ単にこちらは遊んでいるつもりだったんだけれども、相手にしてみればすごく嫌なことだったのかなと、後から振り返るとそうなんですけれども、そのときに自分がやっていたことが本当にいじめだと気づかない、これをどうやって気づいてもらうかというのが大きな課題だというふうに聞いております。

そういったところで、きょうは一つ提案させていただきたいと思っております。

先ごろ出版されました「こども六法」というのがございます。これは著者がもともといじめられたという経験の中で発刊したものなんですけれども、これはまさにいじめられている子と、またいじめている側が、例えばいじめている側が自分がやっていることの社会的な意味、自分がこんなことをやっているけれども、実はこれって法律的にはこんな罪になる、すぐにそのことを罪と問うわけではないですけれども、社会的にはそういう意味があるんだというようなこと、あるいはいじめられている側からすれば、いじめられていること、僕はいじめられているんだけれども、でも自分にはこんな権利があるんだというようなところで、一つ大きな気づきになる、こういったために発刊したということなんですけれども、そういった中では、今後、今、学校図書というところの中でこういった「こども六法」、そういう法教育、また自分の権利、またいじめに気づくという角度からもこの「こども六法」というのをぜひ全校の図書館に置いていただきたいなというふうに思うんですけれども、それについて見解を伺います。

◎指導課長(前田元君)

学校図書館の蔵書につきましては、各年度ごとに各学校が検討して購入しておるものではございます。

今、委員から御提案いただいた「こども六法」については、いじめ防止対策推進法を初めとして、憲法、民法、刑法、少年法などを小学校の高学年以上から読むことができるような平易な文章で編集されたという、そういった趣旨の本であるというふうに理解しているところでございます。

子どものころから法律に触れる機会も貴重なものとなるというふうに考えておりますので、校長会や副校長会で情報を提供させていただいて、来年度の図書購入の検討材料として情報提供させていただきたいというふうに考えております。以上です。

◆委員(大沢純一君)

ぜひ参考にしていただきたいと思います。以上で終わります。

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