全国災害ボランティア議員連盟 平成28年度研修会 (2017/02/01~02)

【日程】2017(平成29)年2月1日(水)~2月2日(木)
【研修先】大島町役場(東京都大島町元町1-1-14)
【研修目的】全国災害ボランティア議員連盟 平成28年度研修会
【研修者名】大沢純一

【詳細報告】
全国災害ボランティア議員連盟 平成28年度研修会
「災害ボランディア活動の実際」
講師:社会福祉法人大島社会福祉協議会 大島社協ボランディアセンター・副センター長 鈴木祐介 氏

研修会では大島社会福祉協議会ボランディアセンター副センター長の鈴木祐介氏より、平成25年に大島町でおきた台風26号による土砂災害の際のボランディアセンターの活動についてきいた。

平成25年10月11日から16日に発生した台風26号で、大島町では15日夜から16日明け方にかけて、1時間雨量122.5ミリ、とくに23時から翌5時までの6時間では549.5ミリという観測史上最大の降水量。それにより16日2:30頃に大島町西部で大規模な土砂災害が発生。死者36名、行方不明者3名、居住家屋203棟が損壊を受ける大被害となった。

こうした状況を受け、発生から2日後となる18日正午に災害ボランディアセンターが大島社会福祉協議会を主体として設置された。
社会福祉協議会としてはこれまで、災害にあたっては三原山噴火のときのように、自力では避難できない「要支援者」にあたる住民の避難を中心におこなっており、当初はボランディアセンターの設置は当初予定していなかったという。島内外の方から「いつボランディアセンターを開設するのか」という問い合わせが多くなり、開設に至ったという経緯であった。

ボランディアセンターが開設された期間は平成25年10月18日から26年3月31日のおよそ半年で、島外から4,700名ほど、島内からも2,500名ほどが復旧活動や被災者支援などを行った。(島内の人たちが全体の3割以上も参加しており、地元の人たちがそれだけ多くたずさわるのは珍しいとのことだった。)約半年の開設期間であったが、ボランディア活動としては最初の1カ月で復旧、支援のメドがついたという。

災害ボランディアセンターの運営にあたっては、とくに「誰のため」「何のため」を常に意識したということであった。関係者の共通認識をもって、支援の方向性が逸れないように常に確認し合うことが重要で、さらに「どこまで」といった活動範囲の問題、「いつまで」といったニーズの問題も意識して運営を行ったとの報告があった。

特にニーズの把握については、復旧支援にあたっている諸団体からのニーズ把握とともに被災者一人一人からの相談を重視した。これは同時に、被災者に対してボランディアセンターの認知度、周知を広めることにもなった。また、そのやり方も、被災者へチラシやかわら版を持参しながら、雑談を含めていろいろな話しを「聞く」ということを意識した。これはそのまま被災者に寄り添うことに繋がった。

また、災害のときには多くの情報が交錯することになり、誤った情報が支援活動に支障をきたす場合も少なくないことから、ボランディアセンターとしてSNSを中心とした情報提供を通じて、ボランディアセンター自体に対しても関心を集め、いわゆる味方づくりを意識したという。同時に情報公開にも努めた。

こうした当時の活動をうけて、今後の災害ボランディアセンターについての課題として、特に運営資金の対応について話があった。

災害ボランディアセンターを運営するにあたり、いわゆる「ヒト・モノ・カネ」が必要だが、大島町では平成25年当時、このすべてがなかったという。特に資金(カネ)では4~5カ月で約1,000万円を要したが、社会福祉法が改正されて社会福祉法人は余剰資金を持ってはいけないというとになった。これをどのような形で今後工面していくのか。この点が大きな課題として提示された。

研修会ではその後、平成25年台風26号土砂災害現場を視察し、さらに三原山溶岩流堤、溶岩導流堤現場を見学。大島町役場の担当者から説明を受け、当時の被害の大きさを実感した。さらに伊豆大島火山博物館では日本だけでなく世界各地の噴火活動の展示とともに、昭和61年の三原山噴火における全島民避難の映像などを視聴した。

【所感】

ボランディアセンター運営についての課題として、一つは資金面については運営に多額を要すること。さらにその資金が大島町では当初から確保(予算)されていなかったことが研修で強調されていた。この点は参加者全員が、それぞれの自治体で確認が必要との認識で一致した。

また、災害ボランディアセンターを立ち上げることは、多くの自治体の地域防災計画で定められているが、一方でこれは、法制度化されている組織ではないという指摘も、研修の中で示された。

こうした災害時の制度的な不備というのは、机上ではなかなか見つけにくいことであろう。この議員連盟には今回初めての参加であったが、実際に現場で対応した経験と知見が大切であるということをあらためて実感できた研修であった。

<関連>災害ボランティア議連が研修会(2017年2月22日付 公明新聞7面)

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