(埼玉・さいたま市)自治体に広がるAI(人工知能)活用

2018(平成30)年8月17日(金) 3面

行政サービス向上めざす

高齢者人口がピークを迎える2040年ごろの行政のあり方を検討してきた総務省の研究会は先月、報告書を公表。労働力の大幅な減少をAI(人工知能)などの先端技術で補い、役所の昨日を維持する「スマート自治体」への転換の必要性を指摘した。AI活用で先行する自治体の動きを追った。

保育所の入所選考 さいたま市で実験

「30人で50時間」の作業 数秒で終了

富士通研究所と九州大学などが昨年、さいたま市の協力を得て実施した保育所の入所選考におけるAI活用の実験で、毎年約30人が50時間かけて行っている保育施設の割り振りを決める作業がわずか数秒で終了し、注目を集めている。

さいたま市の入所選考は、保護者の状況などを点数化する一般的な手法に加え、2人以上の子どもを同時に申し込む際の希望も考慮して施設を割り振るため、特に複雑で手間のかかる作業になっている。

今回の実験では、2017年4月入所を申請した約8000人分のデータを使用。93%が手作業の結果と一致した。これに対し、さいたま市は「人手による選考と同等であり、完璧に近い」とコメント。職員の負担が大幅に軽減される上、申し込んだ人に早く結果を通知できる、と高い期待を寄せている。

一方で、市保育課はシステムの導入に慎重だ。仲(なか)陽平主事はAIを活用するメリットを認めつつも、「落選者をケアする際、『惜しかった』などの感覚的な話は職員が直接選考に携わっていないと分からない。結果だけでなく、局面ごとにAIがどう判断したのか見えるようにする必要がある」と課題をしてきしている。

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