『税金のお話』

MMTという理論があります。すごく簡単にいうと、自国建通貨はいくら発行しても問題ないから国は借金返済にお金を回すべきではなく、そのお金を市中に流すことによって経済を回復し活性化させるべきだ、とする考えです。世界では賛否の「否」の方が大多数だと思うですが、一方で日本では支持している人がひたひたと広がっている印象があります。

その理由を、僕は日本人のマインドに合っているからなのでは、と分析しています。

それは税に対する考え方です。

日本では年貢から始まって、租税とはお上に納めるものであり、その意識は今も変わっていないと思います。MMTの税に対する考え方も、それが通貨の価値をつくるものであろうが、インフレ調整であろうが、悪い行いを抑制する手段であろうが、お上に納めるものということに変わりがない。そこには税を各々が負担しあいながら協同して社会をつくろうという思想はないように見える。

仮にMMTが正しいとしても、僕が賛成できない一番の理由はそこにあります。

シェアしたのは #井手英策 先生が子どもたちに向けて行った「税金のお話」。この中で先生が語りかけます。
『今、生活が苦しくてお金をためられない。将来のことが不安。こまっている人を助けようとも思えない、関心がもてない。国のことも政治家も友だちも、人間そのものを信じられない。これらの悲しいお話と、税金がきらいだという気もちと、どう関係するのだろう。そのことについて考えてほしいんだ。』

僕がここで何度も井手先生のことを書くのは、僕が子どもたちに残したい日本の姿が井手先生の言葉の中にあるから。

『運が悪かっただけでしんどい一生を背負う人たちがたくさんいる。僕はそんな社会を絶対にゆるせない。オレが幸せなのは、運がいいからだ。それなら、運が悪かったというだけで悲しい思いをしなくてはいけない人がいるなんて、あまりにも不平等じゃないか。僕は運に左右されない世の中を作るためにがんばる。』

井手先生の人となりも伝わる講演です。ぜひご一読を。

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