公明党が目指す新たな社会像 ― ベーシック・サービス論を本格的に検討

昨日開催された2年に一度の公明党全国大会。そこでは公明党が目指す「新たな社会像」が示されました。ここで特筆すべきは、慶應義塾大学経済学部教授・井手英策先生の理論である「ベーシック・サービス」に言及したことです。

登壇した石井啓一新幹事長は、「コロナ禍で中間層も含む全ての人を受益者とする新たなセーフティネットの整備が求められるなか、注目されるのが、全世代型社会保障の考え方をさらに推し進めた『ベーシック・サービス』論です。医療や介護、育児、教育、障がい者福祉、住まいなど、人間が生きていく上で不可欠な基本的サービスを無償化をし、『弱者を助ける制度』から『弱者を生まない社会』へと福祉の裾野を大きく広げるものです。」と述べ、次いで「ベーシック・サービス論を本格的に検討する場を党内に設け、給付と負担の両面から積極的に議論を行ってまいりたい」と表明しました。

ここで言及されたように、「ベーシック・サービス」とは「人間が生きていく上で不可欠な基本的サービスを無償化」するというものです。

これを語るときには、どんなサービスが無償化されるのかという“出”の話がどうしても注目されますが、この財源としての税をどのように考えるかという“入”の議論がじつは一番重要です。
税制は国によって、また時代によって違います。これは、税に対する思想の違いがあるからです。

そうした税に対する考え方を踏まえずに、テクニック論ばかりが目立つのが今の日本での議論ではないでしょうか。「消費税を5%に」「いや0%だ」といった議論も、税に対する思想がなければバナナの叩き売りと一緒です。

今回、党としてベーシック・サービス論を本格的に検討していくにあたり、「給付と負担の両面から積極的に議論」としている点は重要です。ベーシック・サービスの財源としての税に対する考え方も、井手英策先生は理論として同時に示しています。理解を深めるための近著としては「幸福の増税論」(岩波新書)がおすすめです。

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