公明党が目指す「新たな社会保障」

先日15日・16日の両日に渡り、公明新聞で「2040年問題 新たな社会保障への一考察」という論考が掲載されました。

 

およそ20年後の「2040年」とはどんな時代でしょうか。

 

中央大学の宮本太郎教授は、「日本がこれまで対処を怠ってきた二つの不均衡が極限に達する年である」と指摘しています。

https://www.jcer.or.jp/blog/miyamototaro20181017.html

 

こうした危機感のもと、『低経済成長の超高齢社会」を前提にしたうえで、誰も取りこぼさないための福祉政策のあり方を考えたのが今回の提言です。

 

「大衆福祉」こそ、1964年11月17日に結党し今年で55周年を迎えた公明党の原点です。

 

今回発表された考察では、公明党が目指すのは「最大多数の最大幸福」ではなく「全民衆の最大幸福」であり、『「個人の幸福」と「社会の繁栄」の一致を志向』し、『各人が思い描く幸福を最大限に追求できる社会こそ、公明党がめざす大衆福祉社会』であると述べ、そのために我が国に立ちはだかる「二つの大きな“山”」をどう乗り越えるかを模索しています。

 

これから日本社会が迎える二つの大きな山とはなにか。1つ目は、団塊の世代が75歳以上(後期高齢者)になる2025年。2つ目が、高齢者人口がピークとなる2040年です。

 

私もいわゆる団塊ジュニアと言われる世代で、2040年には69歳になります。この団塊ジュニア世代という現在の日本で一番人口の多い層が、この頃に70歳前後となり、老後の「支えられる側」になっているわけです。

 

そうした現実を踏まえたとき、考察では我が国の『従来の「支える側」と「支えられる側」という二分法を前提とした社会保障制度の限界』にきていると指摘。そのために、超高齢社会を見据えた社会保障改革を行っていく必要性を論じています。

 

小論ではそのための視点として

①真に支援が必要な「弱者」の把握

②「分断・格差」「孤立・孤独」の防止

③「個人」に軸足を置いた制度設計

の3つを反映させた政策が必要だとしています。

 

今回の論考で、私が注目するのは『「個人」に軸足を置いた制度設計』について、『社会保障を世帯単位から個人単位にしなければならない」としている点です。「弱者の明確化」を考え合わせたとき、これは必然的に税制の世帯単位から個人単位への転換も示すことになります。

 

さらに「適切な再分配こそ成長を促すカギだ」と論をすすめ、そのために「40年の日本社会を念頭に置いた分配重視の税体系の構築」の必要性を主張していることは重要な点です。

 

そのような税のあり方、そして「分断をつくらないため」の社会保障のあり方を考察した最後に、慶應義塾大学の井手英策教授の論に言及しています

 

ここでは井手教授の考えについて、こう述べています。

 

(井手英策教授の)『提言の根底には、救うべき弱者を特定した社会保障だと、他の層との”分断線”が引かれ、社会的な亀裂を生じさせるという問題意識がある。分断をつくらないために、全員に等しくサービスを提供するという発想で、本稿で触れた「弱者の明確化」とは方向性が異なるが、重要な選択肢として検討に値しよう。』

 

今回の考察は『公明党が取り組むべき課題について言及』するというもので、今後の政策を考えていくにあたっての叩き台という位置づけになるものだと思います。

 

そこにこれまでの主張と「方向性が異なる」としながらも、井手教授の提言を「重要な選択肢」として示したことは、公明党として「税と社会保障」を考える上での大きな転換点だと考えています。

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