18才選挙権と一票の格差是正

昨日、改正公職選挙法が参院で可決・成立しました。これで来年夏の参議院選挙から、18才以上の国民が投票権を持つわけです。つまり現在の高校2年生が、来年から投票できることになります。

そんな中、参議院の「一票の格差」是正に向けた議論が進みません。今日には自民党が今国会での選挙制度改革を断念した、というニュースまで入ってきました。

<公選法改正、今国会見送りへ 参院自民幹部、抜本改革は「秋の陣」で(産経ニュース)>
http://www.sankei.com/politics/news/150617/plt1506170030-n1.html

参議院の一票の格差をめぐる裁判では、昨年11月に最高裁で「違憲状態」とされました。次回の参院選をこのままの状態で行えば、今度は「違憲」とされ、選挙無効もあり得ると言われています。一方、選挙区割が変更されれば、それを住民に周知するのに1年は必要だとも言われ、逆算すると8月や9月まで延長するともされている今国会がタイムリミットです。それを9月あるいは10月であろう臨時国会で議論して、果たして間に合うのか疑問ですが、まさか間に合わずに、現状のままで選挙に突入してしまうなどということはないでしょう。

しかし万が一、参院選で一票の格差が是正できず、行われた選挙が無効になったとします。このことによって、600億円とも800億円とも言われる国政選挙のための費用、つまり税金が無駄になることを民主主義のコストだと諦めたしても、問題は初めての選挙に行った18才、19才の新有権者です。この若者たちに、政治家はどう言い訳をするのか。様々な情報を集めて自分の考えで行使するであろう若者の一票。その投票が無効になることがあれば、大きな政治不信に繋がります。選挙権年齢を下げたのは、早々に政治不信にさせたいからではないはずです。

現在、一票の格差は5倍近い。小手先の改正は参議院の「良識の府」としての存在意義が問われます。なぜなら、参議院はその意義において、本来、党派政治とは一線を画す、政治家個々の見識が問われるものであるからです。そうであるならば、完全な格差是正は無理であるとしても、少なくとも格差を2倍以内にするべきではないでしょうか。

公明党は格差が最大1.953倍という改革案を示しています。

<参院選挙制度で公明が改革案>
https://www.komei.or.jp/news/detail/20150616_17256

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