アップルミュージックと公営競技

今日も引き続き、一般質問の準備に追われる。まさに文字通り、追われています。どのような組み立てで質問をするのか。どんな事例を引用して具体的な提案をしていくのか。一つの質問をするにも、悪戦苦闘していることを知っていただけると、労が報われる気がします。

さてそんな中、今日のニュースでアップルが聴き放題の音楽配信サービス「アップルミュージック」を今月30日から、日本を含む世界100カ国以上で開始することが報じられました。

これによるミュージシャン側の収益構造がどうなるのか分かりませんが、収入増には繋がらないのではないか、と危惧します。CDが売れなくなって久しいですが、iTunesでの音楽配信でも収益が上がらないことを、ちょうど1年ほど前にスガシカオさんがtwitterで告白していました。アップルミュージックが音楽配信の主流になったとして、アーティスト側の事情は悪くなることはあっても、良くなることはおそらくないでしょう。

先日、掲載された芥川賞作家の柳美里さんのインタビューのなかで、『「書くことだけで食べている作家は30人ぐらいではないか」という話を聞いたのですが、かなりリアルな数字だと思います。』という衝撃的な言葉がありました。音楽だけでなく文学の世界でも、文字通り生き残るのに必死だと感じます。

<柳美里さんインタビュー>
http://biz-journal.jp/2015/05/post_10102.html

日本の芸術活動は危機的な状況を迎えているようです。いや、日本だけではないようですが、いわゆるトップレベルのアーティストでも、作品だけで生活することは極めて困難なのが実情です。

そろそろ、本腰を入れて芸術支援をしていかないと、多くの貴重な才能を私たちは失ってしまうことになります。

しかし、支援には必ず財源を必要とします。じつはこれまで、その財源の一つとして、公営競技の収益が充てられてきました。とはいえ、その割合はとても大きいとは言えない。

それを日本版カジノの整備が検討されているのなら、その収益を財源にして芸術振興をしてはどうか、という主張が10年以上前からされてきました。

その際にたびたび引用されるのが、2003年に当時、UFJ総合研究所 芸術・文化政策センター主任研究員であった太下義之氏の論文「公営競技を財源とする芸術文化支援~第二の税金としてのギャンブルに関する考察~」です。

立川は全国でも有数のパブリック・アートのまちです。その立川市が行っている公営競技である競輪事業を、芸術・文化支援に繋げられないだろうかと、思案しています。

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