給食無償化について

平成29年12月第4回定例会(2017年12月05日) 議事録より

◆6番(大沢純一君)

給食費の無償化ということについて伺いたいと思います。

今、小学校も給食費をお支払いいただいている。中学校も、中学校給食もできた際には同様に相応分を御負担いただくという、こういった御答弁でありましたけれども、現在、学校給食の無償化については、国政においても、我が党の求めに応じて、文部科学省のほうから全国の自治体に対して、公立小中学校の給食費無償化の有無についての調査が行われている、こういったことだと思います。今年度中にもこの実態について結果が発表されることになる予定だというふうに伺っております。

平成28年度末で給食費無償化を実施する自治体は61市町村という調べもありますが、これまでこの給食費無償化というのは、給食というのは食育という点から学校給食の役割が広く認識をされてきたわけであります。その上で、現在においては子どもの貧困が社会問題化しておりまして、栄養バランスにすぐれている給食というのは、子どもの貧困対策という点から食のセーフティネットとして注目されている、そういった実情があります。

その一方で、低所得家庭ほど給食費の負担が大きい、これも一方で事実であります。生活保護世帯や生活保護世帯に近い所得の世帯に対しては、就学援助ということでこの給食費が無料になっている、無償になっていると、こういうことがあります。しかし、この就学援助なんですが、申請主義でありまして、申請しない、したくない保護者がいるということ、これについて本市事務事業の評価にも記してあるところであります。

そこで伺いますが、本来申請できるのに申請していない世帯というのは本市で何件ぐらいあるんでしょうか。

◎教育部長(栗原寛君)

就学援助の対象者であって就学援助の申請をしていないという件数でございますが、実際に私ども、就学援助の申請の際にその世帯の所得の申請書類等を出していただいておりますので、それ以下の所得の方が何件いらっしゃるかというところまでは把握をしておりませんが、担当課のほうには、やはり申請をしたことが周りに知られたくないというような理由等で申請を拒んでいるということが、実際に過去にそういったケースがあったということは把握をしているところでございます。以上です。

◆6番(大沢純一君)

そういった声もある。現実には何件だかということはなかなか把握は難しいが、そういった声を聞いた上で、そうやって事務事業の評価に記したという、こういうことかと思います。

さらに、何らかの理由で給食費を滞納している世帯もあると思いますが、これについては状況はどうなっておりますでしょうか。

◎教育部長(栗原寛君)

これは昨年度、平成28年度の小学校給食費の収納状況でございますが、現年度分、これは平成28年度分の収納率は99.7%、過年度分、これは28年度より前の部分で滞納した部分を収納した部分については19.7%、合計で98.8%の収納率でございます。以上です。

◆6番(大沢純一君)

就学援助に該当するのに申請していない家庭があると。これは、知られたくない、そういった気持ちもやはり当然推測できると思いますけれども、ここは給食費をそれでも納めているとすれば、家計的にはとても厳しい状況にあるというのは容易に想像できるわけですね。

また、どういった家庭が給食費を滞納しているかというのはここではわかりませんけれども、そういった家庭の児童は今大変肩身の狭い思いをしている、こういうこともあろうかと思います。

また、就学援助に該当しない、このぎりぎりのところ、ぎりぎりのところでそこには該当しない、少し上の部分、その世帯の所得の世帯も負担感も同じく大きい、こういったこともあろうかと思います。そういった家庭ではやはり家計のどこかを切り詰めなければならないわけで、その苦労も美談につながれば、これはこれで、苦労したことで今の自分があった、そういう御家庭もあろうかと思いますけれども、みんながみんなそうじゃないということはやはりあると思います。

先日、11月19日に日本財団が発表した調査なんですが、貧困状態の子どもの学力は10歳を境に急激に低下という、こういった結果が示されました。これは、大阪府の美濃市に住むゼロ歳から18歳までの全ての子どもを対象に、2014年上半期から2016年下半期まで3年間にわたって行われた調査だということです。

これによりますと、生活保護世帯の子どもと経済的に困窮していない世帯の子どもの国語の平均偏差値を比べると、7歳から9歳の子どもは大きな差はない。そこまでは大きな差はないんですね。でも、10歳になると偏差値で5.5の差が出てくる。偏差値で5.5というと、結構大きな差だと思います。それが出てくる。その後も14歳まで偏差値5前後の差が続いている、こういう結果が示されております。

この結果を受けて、調査では、貧困を背景とする学力格差については、格差が拡大する前の小学校低学年時から早期に支援を行うことが必要、こういったことが述べられております。

こういったことを踏まえて、今後、この経済的負担軽減とともに、子どもの貧困に起因する学力低下に対処するためにも、給食費の無償化について、これは一つ検討すべきと考えますけれども、これについて御見解を伺います。

◎教育部長(栗原寛君)

全国的に見ても、給食費の無償化を実施している自治体が一部であることは認識しております。ただ、学級給食費につきましては、全て食材料費のために使用しております。学校給食法第11条にありますとおり、学校給食費は学校給食を受ける児童生徒の保護者が負担するものと考えておりますので、現在、その考えを変えるということは考えていないところでございます。以上です。

◆6番(大沢純一君)

これは、1市のことだけでなく、大きくは国が示す方向性も今後あろうかと思いますが、そもそもの考えとして、子どもたち一人一人が可能性を開くことを阻害する要因をどう取り払っていくのか。先ほど申し上げた自殺対策もそうですけれども、生きるための阻害要因を取り払っていく、これが大きな考えであると思いますし、その阻害要因を取り払って未来をつくっていくというのが私たちの責任だというふうに思っております。

そのためにも、こうした、これは一つ、教育費の無償化ということですけれども、そういったことも含めて、この貧困対策、これを本市としても子どもたちのために先駆的に行っていただくことを要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。

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