災害の停電時にも自動で点灯する街路灯

平成27年第1回定例会(2015年3月16日)

◆6番(大沢純一君)

先週11日、東日本大震災から丸4年を迎えました。私たち公明党は、それを前に、東北復興加速化決議というものを発表いたしました。「最後の1人が立ち上がるその日まで寄り添うこと」との東北復興への決意を表明し、党一丸となって取り組んでいくという決議のもと、私は、改めて公明党地方議員の責務として、東北の復興とともに、自分がいるその地域を災害から絶対に守っていくとの決意を強くさせていただいた次第です。

さらに、立川市は、次の10年に出発するに当たり、「にぎわいとやすらぎの交流都市」という将来像を定め、シティプロモーションの重要性を第一に掲げていくことになります。

シティプロモーション、つまり立川の魅力を内外に発信していくときに、さまざまな課題がありますが、中でも安心・安全性を高めていくことは、多くの来街者を迎える本市にとって大きな魅力につながると考えます。そういった観点と、この立川市を守っていくという決意のもとに、まず最初に、本市の災害時の取り組みについてお伺いいたします。

JR立川駅の1日の乗降客数が約32万人、本市に通勤通学される方が7万人を超える中、災害時の帰宅困難者については、本市でこれまでも何度も対策が練られているところです。

地域防災計画では、その想定として、立川駅の駅前滞留者、これは立川駅から4キロ平方メートルの中にいる滞留者ということですが、これがおよそ1万7,300人とされております。この駅前に滞留する1万7,300人の帰宅困難者--地域防災計画は、立川断層帯地震、多摩直下地震が起こったときに被害が一番大きくなるであろう冬場を想定して、対策の検討が続けられております。この帰宅困難者1万7,300人、夏であれば、成人男性なら、あるいは一晩ぐらい屋外での待機も可能かもしれません。しかし、想定されているとおり、震災が冬に起こった場合は、屋内への速やかな誘導が必要になります。

そうしたときに、そういった帰宅困難者を市が指定した一時滞在施設で受け入れることになるわけですが、この一時滞在施設は、現在21施設、約9,000人分が確保されております。こうした問題は、これまで立川駅前滞留者対策推進協議会でも種々検討されており、関係者の御尽力に感謝申し上げるものですが、帰宅困難者1万7,300人に対して約9,000人分ということで、この施設の確保が急がれます。

一方で、1万7,000人余りもの人たちを駅前からこうした施設に誘導することは大変なことであることは想像にかたくありません。

そこで、現在、本市ではそういった帰宅困難者の一時滞在施設への誘導について、どういった検討がなされているのか、お示しください。

◎市長(清水庄平君)

災害時帰宅困難者の一時滞在施設への誘導についての御質問でありますが、帰宅困難者対策につきましては、現在、市内交通事業者、商業団体、集客施設、ライフライン関係事業者、国、警察、消防、市など、29の関係機関・団体から成る立川駅前滞留者対策推進協議会で対応計画を策定し、無線訓練などを行っているところでございます。

市では、災害時に駅前滞留者は約1万7,000人発生が想定されており、現在、一時滞在施設を9,000人分確保し、さらに収容施設をふやすため、3日間のとめ置き日数を1日に短縮した一晩滞在施設の確保を進めております。また、駅前に防災カメラ及び停電時にも対応できる夜間照明灯を設置し、災害時に状況を把握し、適切な対応を行えるようにしているところでございます。

◆6番(大沢純一君)

帰宅困難者の一時施設への誘導については、さまざま御検討いただいていることは十分承知しております。近隣市内に住んでいれば、いざというときに居場所はあると思いますが、通勤通学、さらに買い物、観光などで遠方から立川に来られている方については、特に震災に対して立川が万全の態勢をとっていることは、大きな安心につながります。

今後もさらなる御検討をお願いしたいと思いますが、先ほど申し上げた震災が起こる想定、地域防災計画では、これを冬場の朝、昼、夜とそれぞれのケースで対策が検討されております。その中で一番混乱が起こるであろう時間帯は、やはり夜暗くなってからです。

市が取り組んでいる職員定数の適正化では、目標を1,000人強としております。その中で、この帰宅困難者への対応には、正規職員450人が当たるとされており、およそ半数の職員が避難所の運営、物資の運搬、そして帰宅困難者の誘導に当たることになります。

しかし、実際にはこうした災害発生時には、さまざまな場所で人手不足が起こることも予想されます。こうしたときに、例えばこの誘導について、あらかじめ設備を整えておくことで、職員のマンパワーをほかの作業に回すことができると考えられることから、そういった技術の御提案をしたいと思います。

町田市にある企業が、災害の停電時に自動で点灯する街灯、道路の照明、「消えないまちだ君」というものを開発しております。町田市の企業なので、まちだ君。たちかわ君でないのは、やむを得ないところですが、特許を取得されている、ほかにはない技術なので、具体名で紹介させていただきます。

これは、既設の街路灯の中にこの企業が開発したバッテリーユニットを設置するというもので、昨年末にパレスホテル立川で行われた多摩信用金庫主催の第12回多摩ブルー・グリーン賞でも、経営部門の優秀賞として表彰されております。

この製品が開発されたきっかけは、2011年3月11日の東日本大震災でした。町田市でも市内の広い地域で電力供給を断たれたことから、夜になって道路にあふれた帰宅困難者を、道路照明がつかなかったために、一時滞在施設へ誘導することに大きな支障が生じたことが教訓になったということです。その後、町田市はこの企業と共同開発を行い、2013年に特許取得に至ったこの製品は、現在、町田市だけでなく小金井市も導入。さらに、東日本大震災の被災地である宮城県気仙沼市、岩手県大槌町にも導入されております。

町田市では、この「消えないまちだ君」を町田駅周辺から一時滞在施設である町田市民ホールまでの避難道路に26基設置。災害などでの停電時にも点灯している街路灯をたどっていくことで、帰宅困難者を誘導できるようにしております。

さらに、町田駅を初めとした市内鉄道駅周辺に設置を進め、来年度以降は啓開道路のほか、市内107カ所の避難場所に至る道路の街路灯に設置することを予定しております。

既存の街路灯が使えることで、設置コストもソーラーパネルや蓄電池ボックスを設置するようなほかの技術に比べて、およそ2分の1から3分の1程度に低くなるというこういった技術、製品について、本市でも導入し、一時滞在施設までの帰宅困難者の誘導を混乱なく行えるようにするべきと考えますが、見解を伺います。

◎市民生活部長(吉野晴彦君)

災害時の帰宅困難につきまして、特に夜間の場合は大変な状況があると思います。

夜間の帰宅困難の誘導のために活用できるものとしまして、懐中電灯とか誘導灯とかランタン等を曙町一丁目公園等の災害救助用の備蓄倉庫に備蓄しております。市民の一次避難所になる小中学校には、夜間の誘導用の備蓄はございませんので、現状では、夜間誘導においては、市で備蓄している懐中電灯や市民共助の取り組みの中で対応を図ってまいりたいと考えておりますが、市でできる誘導につきましても、今後引き続き検討してまいりたいと思います。

さらに、町田市の市内事業者が共同開発しました街路灯につきましては、十分認識はしてございます。災害時の停電対応として、共助だけではなく、公助の面でも対応の必要性もございますが、災害停電時対応の街路灯は、現在さまざまなタイプのものがあります。それぞれ一長一短がございますので、財政面も含めまして、今後検討を進めてまいりたいと考えております。

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