「そういうとこやぞ!」という、キム兄みたいな話しなんですが…
僕が個人的におつき合いしている共産党の議員の人たちは、人あたりも良いし、真面目です。ですから、共産党だから何でもダメ!なんて思っていません。良いところはちゃんと認めようと常日頃から心がけています。
ところがマス(集団)になると、どうしてこうなってしまうのか…
現在、立川市内で共産党のチラシが配布されているようです。
それ自体は政治活動なので何か言うものではありませんが、その内容が「公明党ができないことを共産党がやった」というものなので、ここは明確にしておかなくてはなりません。
そのチラシの内容についてもう少し詳しく申し上げると、立川市の今年度の国民健康保険料が値下げ(昨年度からの据え置き)になったのですが、それが共産党の成果というわけです。
果たして、事実はどうでしょうか。
最新の「広報たちかわ」(5月10日号)に「立川の国保」(同)が折り込まれています。その1面左下の「保険料等の引き下げ」にこんなふうに書いてあります。
『新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う市内の景気経済や市民生活等への影響に鑑み、保険料率と負荷限度額を改正前の平成31年度水準へ引き下げました。』
普通に読めば「ふーん、まぁ良かったな」というくらいの内容かもしれませんが、これを行政が行えるようにしたのは、私たち公明党です。いえいえ、単なる自画自賛でも拡大解釈でもありません。ちょっと長くなりますが、経緯を説明させてください。
令和2年度の国民健康保険料は、これまで市長の諮問で設置されている「立川市国民健康保険運営協議会」で長く審議を続けてきたものです。
立川市国民健康保険運営協議会は、被保険者つまり国民健康保険に加入している市民の代表と、他の健康保険の運営に携わっている方、さらに医療従事者の代表に、市議会からも3名の議員が入って15名の委員で構成されています。今回は市議会から自由民主党、共産党、そして公明党の3名が委員となりました。公明党の委員は僕です。
健康保険というのは、保険に加入している人たちでお互いにお金を出し合って、病気や怪我のときに支え合う「互助」が中心です。
ご承知の通り、高齢化社会になって医療費は年々増加しています。医療費が増加していけば、出し合うお金も増やさなくてはなりません。
そこで立川市の国民健康保険料について、運営協議会で今後の値上げの是非を長く審議してきました。
その議論で、共産党はもとより国民健康保険料の値上げは反対なので、それを一貫して主張されていました。ただ、それ以外の14名の委員は、国民健康保険の財政を考えたときには値上げはやむを得ない、という意見で、今後4年間で段階的に保険料を値上げする方向性で話は進みました。
その中で、僕は公明党の議員として「もしも」の事態に備えることを主張しました。
その内容は、値上げはやむを得ないが、どんな事態になっても保険料が上がっていくのは市民生活に影響が大きい。リーマン・ショック級の経済的な急変があった場合には、値上げを立ち止まるという制度設計をするべきだ、というものです。
<議事録(共にK委員が僕です)>
◯平成30年度第5回立川市国民健康保険運営協議会議事録
(平成30年12月26日(水))
https://www.city.tachikawa.lg.jp/hokennenkin/kurashi/kurashikaigi/kokuhoune/h30/documents/201805_gijiroku.pdf
◯平成31年度第4回立川市国民健康保険運営協議会議事録
(令和元年12月26日(木))
https://www.city.tachikawa.lg.jp/hokennenkin/kurashi/kurashikaigi/kokuhoune/h31/documents/201904_gijiroku.pdf
その主張が最終的に市長への答申に盛り込まれました。
◯立川市国民健康保険の保険料について(答申)
(令和2年1月16日(木))
https://www.city.tachikawa.lg.jp/hokennenkin/kurashi/kurashikaigi/kokuhoune/h31/documents/h31_05_toushin.pdf
もとよりこの審議を行っているときに、現在の新型コロナウイルスの感染拡大と経済への影響を予想できたわけではありません。しかし「いざ」というときの規定を盛り込んだことで、行政にそれを根拠(それが先の広報誌に記載された『市内の景気経済や市民生活等への影響に鑑み』という一文です)として現実の事態の対応をさせることができたわけです。
行政を動かすというのは、そういうことです。
残念ながらその審議の過程で、共産党の議員からは「値上げ反対」以外の意見は聞くことができませんでした。確かに共産党は議会で「値上げをやめるべき」とも発言されました。値上げ中止の修正案も出されました。
しかし、主張するだけでは物事は動きません。実際に皆さんも、会社など組織のなかで、言うだけで主張が通るなどと思っていないと思います。物事を動かすために、様々な努力をしているはずです。ところが政治になると、言えばやったことになる、というようなことが本当に多い。そういうところが政治不信、ひいては政治が馬鹿にされる原因に繋がっていると思います。
冒頭にも申し上げたように、共産党の議員の方たちも個人としては良い人です。でも全体になると、どうしても事実を曲げてしまう癖がある。
僕たちが共産党をどうしても受け入れられないのは「そういうとこやぞ!」