自殺対策

自殺対策

「立川市いのち支える自殺総合対策計画」横断的な取り組みを

「立川市いのち支える自殺総合対策計画」は平成32年度の第4次長期総合計画の後期計画と同時にスタートできるということになる。これまで申し上げてきたように自殺対策というのは福祉だけでなく横断的に様々な部署がかかわっていく「命を守る」計画です。

若い世代に対する自殺対策 SNSの活用を

若い世代に対する自殺対策は本当に急務の一つだと思っており、スピード感を持ってお願いしたい。

たびたびニュースになってしまう過労自殺では、死を選ぶくらいならその仕事をやめればいいじゃないか、という意見もよく聞かれる。しかし、自殺を考えてしまうくらい追い込まれてしまった人は、思考力、判断力も大きく低下してしまうという、そういった指摘もあります。仮にそのときにSOSを出そうとしたとしても、そこから相談先を調べて電話をする、あるいは出向くというような、そういうことが進んでできるような人は、そもそも自殺には至らないのではないでしょうか。

手段などを思いめぐらす気力もなくて、いつも手元にあるスマートフォンで、SNSに「死にたい」と書き込んでしまう。しかしこれは「生きたい」、「どうにかしてほしい」という言葉の裏返しです。ですから、自殺対策の窓口、自殺を防ぐ窓口というのはできる限り身近なツールである必要があると思います。相談するツールは世代ごとに違うわけですが、特に若い世代にとっては、スマートフォン、そしてSNSという、そういった媒体がとても一番身近なものだと考えます。

早急な計画策定を

立川市では、交通事故対策というのは確実に結果が出ています。行政担当、また警察を初めとして、地域の交通安全協会の方、またシルバー人材センターの方々、さらにはPTAなどの学校現場の方々、また御家庭の教育など、さまざまな市民で子どもたちを初めとした見守りですとか、事故を未然に防ぐという、そういう体制をつくっていただいております。その結果として、立川警察署の発表では、事故件数が年々確実に減っています。事故の発生件数、負傷者数ともにこの10年間、減少傾向にあるのが見てとれます。さまざまな地域の方の日ごろからの御尽力で事故は減少して、その結果、事故による死亡者件数も1桁台で推移しまして、事故件数がゼロであった年もあります。

では、自殺者数についてはどうか。実に毎年、交通事故で亡くなる方の6倍から10倍の市民が自殺で亡くなっているという、そういった実態があります。

これが本市の現状です。先ごろ公表された第10次立川市交通安全計画の素案では、その冒頭に計画の趣旨として、人命尊重の理念に基づき、交通事故死傷者をゼロに近づけるということが明記されております。まさに同じ思いで、自殺をゼロにしていくための対策をこれからオール立川で進めて、自殺対策基本法の目的である、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を本市で目指してまいりたい。

全庁をあげた自殺対策の取り組みを

本年、自殺対策基本法が改正され、4月1日より施行されました。自殺対策基本法は、平成10年に年間の自殺死亡者が3万人を超え、社会問題となったことで、総合的、包括的な自殺対策の必要性が求められるようになり、今から10年前の平成18年に成立し、施行されたものです。これによって我が国の自殺対策は大きく進んだとされております。

今回の自殺対策基本法改正では、第1条の目的に、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指すことが明記をされました。どんなことがあってもみずから死を選ぶことがない社会をつくることこそ、政治の大きな使命の一つであると考えるものです。