シーニックバイウェイ支援センターについて (2015/07/29)

 

【日時】平成27年7月29日(水)10:00~12:00

【訪問先】一般社団法人シーニックバイウェイ支援センター(札幌市北区北11条西2丁目2-17 セントラル札幌ビル)

【視察者】公明党立川市議団(高口靖彦、門倉正子、瀬順弘、大沢純一)

【対応】国土交通省北海道開発局建設部道路計画課道路企画官・井上勝伸 氏/一般社団法人シーニックバイウェイ支援センター 伊藤信之 氏

【報告】

今回視察したシーニックバイウェイ支援センターは、日本でのシーニックバイウェイ推進、発展を支援する組織であるが、まずは「シーニックバイウェイ」についての説明が必要であろう。

元々はアメリカで始まったシーニックバイウェイは、「シーン(scene)=風景」と「バイウェイ(byway)=寄り道」を合わせた造語で、道路を中心とした観光や地域振興の取り組みを言う。

この制度を参考にして平成13年8月に国土交通省が北海道でシーニックバイウェイに取り組むことを発表。平成17年より「シーニックバイウェイ北海道」としたスタートし、道内ではこれまで11のルートが指定されている(平成27年7月現在)。

実施主体は自治体をはじめとして商工会議所、観光協会、旅行業協会など経済団体ほか、地元の自治会やNPO法人など各種団体が連携することになる。先述の通り、道路を中心としたこの取り組みは広域に渡り、行政をまたぐことにもなり、他地域のそういった団体とも連携をとることになるが、そういった団体が同じテーブルにつくまでの、いわばお膳立ては国土交通省が行う。その協議のもと、実際の運営にあたって、コンサルティングを行うのが、シーニックバイウェイ支援センターということになる。

 

このシーニックバイウェイの活動は、交流人口の増加と地域産業の振興を目指す。地域の魅力が再発見され、その環境の保全、改善が住民の手ではかられていくわけであるが、同様のことは観光地をめざす多くの地域でも行っている。シーニックバイウェイの発想は、そうした地域ごとに独立して行われている活動を、道路という資源で繋げていくことで、観光を単発(一地域)で終わらせないようにすることである。観光地と観光地の間の道を魅力的に彩ることで、従来であれば通り過ぎるしかなかった場所も観光の対象となり、これまで足が向けられることのなかった地域に観光客を呼びこむこともできる。

しかし、こうした広範囲の取り組み、更には多くの団体が関わる取り組みというのは、誰が中心となるのか、責任の所在はどこかといった問題が複雑になり、運営が難しく思われた。それについて担当者に率直に伺ったところ、そういったことでの大きな問題はない、とのことであった。これは、北海道の人口減少が他の都府県と比較して10年早く進んでいる、という危機感が大きく、言うなれば身内で喧嘩している暇はない、といった認識を多くの関係者が共有しているためであると言う。

自然という大きなコンテンツを持つ北海道にあって、大小さまざまな団体が自分たちの地域に愛着と誇りを持ってその景観づくりを行っているということは、理想的であり、大変羨ましくも思える。多くがボランティアに頼るこうした取り組みについて、それを行っている人たちのほとんどは「やっていて良かった」と言われるそうである。しかしその一方で「後継者がいない」ということ課題であるそうだ。これは北海道のみならず全国で共通の問題であるが、特に人口減少の危機感を抱えている北海道の人たちには、実感であり深刻な問題として捉えられているのだろう。地域産業の振興と同時に、こうした活動を継続していくためにも、活動をどうやって事業化していくかが、今後の課題であるとも伺った。

このシーニックバイウェイの取り組みは、「事業の継続性を保つために補助金に頼らない」という考えから、行政からの補助金は一切入っていないそうである。じつは本家であるアメリカでは現在、このシーニックバイウェイの取り組みが停滞中であるそうだ。その理由は連邦予算がなくなってしまったことによるという。

北海道で始まった日本のシーニックバイウェイは、2007年より「日本風景街道」として全国展開され、平成26年度までに135ルートが設定されている。

 

【所感】

立川市においても交流人口の増加、観光客の誘致には力を入れているが、市内回遊がなかなか広がらないことが課題となっている。

北海道の取り組みと同じように考えるのは物理的な規模としては無理があるが、シーニックバイウェイの発想自体は、立川の観光を考えたときに参考になることは多いと思う。

つまり、本市の中だけで観光を考えるのではなく、周辺自治体との広域で観光を「繋ぐ」ことで、その沿道も含めて地域を活性化していということだ。

この視察で一番実感したことは、人口減少に対する地方の危機感の違いであった。立川市も本年をピークに人口が減少することから、その対策を考えてはいるが、危機感ということでは北海道をはじめ地方の実感には遠く及ばないのではないか。このシーニックバイウェイが強い危機感から出発した取り組みであり、だからこそこれからの本市にとって参考になることは多いと感じた。

人口減少社会にあって、交流人口を増やしていくことは最重要課題の一つである。単体では観光資源が少ない自治体では、他地域と連携してパッケージで観光客を誘致していく必要がある。このシーニックバイウェイの考え方は、今後の本市の観光のあり方に大きく反映させていきたい。

 

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