福井県あわら市 小・中学生の学力向上の取り組みについて(2018/08/07)

【日時】 平成30年8月7日(火)13:30~15:30
【訪問先】 あわら市役所(福井県あわら市市姫三丁目1番1号)
【視察者】 公明党立川市議団(高口靖彦、山本美智代、門倉正子、瀬順弘、大沢純一)
【目的】 小・中学生の学力向上の取り組みについて
【対応】 あわら市教育委員会教育総務課教育総務グループ教育審議監(参事) 荒川誠 氏/同課長 房野信彦 氏

【報告】

福井県は学力水準が高いことで知られる。先日の報道でも、今年度に実施された全国学力・学習状況調査の結果について県教育委員会が『全教科で全国トップクラスを維持した』(2018年8月1日付朝日新聞デジタル)と公表している。
県下で精力的に学力向上に取り組んでいるあわら市を視察した。

全国的な少子化はあわら市でも顕著であり、平成27年度までは10校あった小学校も、28年度に2校、29年度に1校が休校となり、現在は小学校7校、中学校2校という体制になっている。同市では現在、中学校は平成22年度から、小学校は平成26年度から2学期制を導入している。立川市でも過去に導入され、その後3学期制に戻された経緯があるが、2学期制についてはあわら市では有効に機能しているということであった。

本年度(30年度)の全国学力・学習状況調査において福井県は中学3年生の数学、理科の成績が「11年連続上位維持」(8月1日付福井新聞)とされる反面、書く力や伝える力が課題とされた。高学力が維持されているなかにあって、そうした課題のもとに、あわら市ではさらなる学力向上のために多くの取り組みを実施している。

そのうちの一つが読解力の向上である。学校ごとに、たとえば読書目標を月10冊などと設定し、読書を奨励している。担当者からは「読解力は読書しかない」との見解が聞かれた。また、百人一首や論語などで古典学習にも力を入れている。

また、「福井型18年教育」として県が主体となり“生まれてから高校卒業まで”それぞれの学びの連携を強く意識した取り組みも行っている。これは保幼小の連携、小中高の連携であるが、夏休みの間に小学校教員がこども園に入ることや、こども園の保育内容についても小学校の授業を意識した取り組みを行っているという。

その他多岐に渡る学力向上の取り組みのなかでも、担当者から「これだけは参考にして欲しい」と言われたのが中学校における授業の「タテ持ち」であった。

1人の教師は1つの学年しか受け持たない(ヨコ持ち)のが通常であろう。これを、たとえばある数学の教師が1年生から3年生までの1組と受け持ち、もう一人の数学の教師が同じく1年生から3年生までの2組を受け持つ、というように、学年を縦断する形で授業を受け持つことを「タテ持ち」と読んでいる。こうすることで、同じ学年でもそれぞれの組で授業内容が異なることから、教師の間で切磋琢磨し競い合いが生まれるということであった。福井県では昭和の時代からこれが行われているということで、他では聞かれない福井県の教育の“普通”が紹介された。

また、「宿題の量が多い」のも福井県の特徴であるという。そもそも塾があまりなく、3世代が珍しくない家庭環境のもとで祖父・祖母が孫の宿題をみるというのが、これも“普通”であり、そうした環境のもとで、一般に塾に費やすとみられる時間(おおよそ2時間)を充てるだけの量の宿題が毎日出されるということであった。「先生が家庭教育にも責任を持つ」という考えを持っているという。

ここで当然の疑問として、教師の負担が大変大きいのではないか、ということがあがる。

「タテ持ち」の授業を行えば、教師は3学年分の授業を行う必要があり、一般的なヨコ持ちよりも必然的に準備に時間を要する。また、宿題を多く出すということは、その採点にも時間が掛かるということでもある。

教師の近年増大する仕事量をどう減少させていくか、が教育の大きな課題の一つとなっている中で、先のような取り組みについて教師から不満がでてもおかしくない。しかしそうした声はないという。その理由をたずねたところ、福井県民の「勤勉さ」にあるのではないか、ということであった。さらに、教員同士で時折行う懇親会の参加率がとても高く、そうした場でのコミュニケーションの深さも教員の仕事に対するモチベーションを高め、エンカレッジに繋がるのではないかとも分析している。

最後に、あわら市の今後の方針について聞いた。

平成29年度に策定されたあわら市の第2次教育振興基本計画では、その中心に「総合的な学力」と示されている。学力とともに、道徳心と体力の向上を備えることを「総合的」と表現しているが、「知・徳・体」を偏りなく育んでいくことが大事だと認識し、それが生きる力をつけていくことになるとしている。

そうした計画のもと、今後は“道徳教育”に力を入れていくことで、判断力を育てたいということが挙げられた。とくに、児童・生徒が自分たちで考えることを主体として、道徳の教科書を「自分たちでつくる」ことに取り組んでいるという。

さらに“英語教育”についても言及があった。あわら市の中学3学年の英検3級取得率は56.8%に上ることが紹介され、これは全国1位であるという。英検には3~4年前から力を入れてきたということで、これは県立高校受験で加点にもしている、ということであった。この英検については教師も積極的に取り組んでおり、高校英語教師の9割弱、中学校英語教師の6割弱が準1級を取得しており、この割合も全国でトップであることが紹介された。

【所感】

「普通のことを普通にやってきた。ところがそれを外(県外の方)から見ると『すごい』と言われる。」説明にあたった荒川氏から冒頭にこう述べられたが、あわら市をはじめ福井県で行われている学力向上の取り組みは、県民にとって特別なことではなく、日常の取り組みの積み重ねが、結果として学力を向上させているということであった。そしてそれは「勤勉」という県民性が大きく寄与しているであろうことが、担当者から繰り返し言及された。

福井県で育ち、福井大学の教育学部を卒業して県内の学校に赴任する教員が多く(とくに女性の割合が高い)、勤勉という県民性が薄まることなく教育現場に循環しているということで、他県から来た教師にもそういった気風が浸透しているということも聞いた。

しかし、学力向上の要因を「県民性」とされてしまうと、普遍的な取り組みとして展開が難しい。ここで担当者に県民性のウィークポイントも聞いた。少し考えたあとに「アピールが弱いことかな」と言われた(お米の産地である福井県は、もともとコシヒカリの発祥地だそうだが、今では新潟県の方が知名度が強いことを引き合いに、県民のアピール力の弱さを指摘していた)が、当然のことながら、福井県の県民性として他県より優れているところばかりでないはずである。

福井県の学力向上は、そうした自分たちの長所を活かした方法を掘り当てられたことに要諦があるのではないだろうか。

様々な施策を参考にしつつ、立川市民の強み、長所を活かす教育方法をこれからも探っていく必要性を強く実感した。

LINEを利用したいじめ・自殺相談事業(2018/01/23)

【日時】 平成30年1月23日(火)10:00~12:00
【訪問先】 長野県庁(長野県長野市大字南長野字幅下692-2)
【視察者】 公明党立川市議団(高口靖彦、山本美智代、門倉正子、瀬順弘、大沢純一)
【目的】 「LINEを利用したいじめ・自殺相談」事業について
【対応】 長野県教育委員会事務局心の支援課・企画幹謙課長補佐謙人権支援係長 竹内正樹 氏

【報告】
平成22年からの5年間で子どもの自殺率が全国一となってしまった長野県であったが、その対策にあたりLINEなどのSNS媒体を利用するということについては、庁内でも当初はまったく想定していなかったそうである。そこへLINE株式会社からの提案があったことで、今回視察した「LINEを利用したいじめ・自殺相談事業」を施行することになった。これにはLINE株式会社としても、いわゆる「LINEいじめ」といった、子ども達がLINEを利用することに対する負のイメージを払拭したいという思惑があったという。LINE株式会社としては、全国いくつかの自治体にこの事業提案を行ったが、そのなかで平成29年2月の長野県議会でのSNSを使った相談事業についての一般質問をLINE株式会社が見たこと、さらにLINE株式会社の出澤剛代表取締役社長CEOが長野県出身であり、阿部守一長野県知事がSNSに関心が高かったことで平成29年8月21日に事業の連携協定が締結された。

今回の事業は平成29年9月10日から23日までの2週間、「ひとりで悩まないで@長野」として試行。相談時間は17時から21時とした。県内全域の中学生、高校生12万人を対象者とし、相談体制は大阪にある「関西カウンセリングセンター」に委託した。民間のカスタマーサービス用のシステムを援用し、相談員10名・10回線(通常のカスタマーサービスでは、6回線ほどを一人で担当するそうだが、今回は1名1回線)で対応した。

事業の周知にあたっては、対象者である県内中高生約12万人にQRコードを記載したカードを配布したが、それ以外の媒体で周知は行わなかった。それにもかかわらず、登録者数が累計3,817人にのぼったことについては「想定外に多かった」。さらに相談については時間内のアクセス数1,579件で、そのうち対応できたのが547件であり、これまで行ってきた電話(SOS24時間ダイヤル)による子どもからの年間相談数259件(平成28年度実績)の倍以上となった。
尚、アクセス件数については「延べ人数」としているが、同じ人が1日に何度アクセスしてもその日は1回としてカウントしている。また、機能として相談時間外のアクセスもカウントでき、その人数は1,054件となった。その上で延べ人数ではなく実数としてのアクセス人数も掌握でき、その数は1,431人で対象者12万人の1%、2クラスに1人くらいの割合で利用されたとのことであった。

電話相談とLINE相談では相談内容に大きな違いが見られた。
これまでの電話相談では「交友関係・性格の悩み 36.3%」「いじめ 28.2%」などが内容の中心であった(平成28年度実績)。ところがLINE相談では「交友関係・性格の悩み 26.0%」を越えて一番多かったのは「その他」で、学業や恋愛などについての相談が47.8%と半数近くにのぼった。この結果について、LINEを使った相談では、思いつめる前の日常的な悩みを相談する傾向が見て取れる。LINEが身近なツールであり、その結果、気軽に相談ができたことが大きいと推測され、『「ひとりで悩む」子ども達に潜んでいた『相談したい気持ち』を掘り起こ』す効果があったと分析した。

今回の事業では相談(対応)時間を17時から21時までとした。これは全国の多くの学校や家庭で児童・生徒によるスマートフォン長時間利用が憂慮されており、21時以降も相談を受け付けることでスマートフォン利用を推奨するようなことになってもいけない、というのが理由とのことであった。一方でアクセス全体の2割ほどは深夜0時をまわった時間にあったそうである。
また、4千人近くの登録者数に対して、相談者は何人必要であったかを伺った。開始当初は5人で、その後は常時3人で対応したそうである。

今回は長野県としての事業であったが、担当者からは主に経費の面からある程度の広域行政でやるのが現実的であろう、との見解も示された。ちなみに長野県では平成30年度にも同事業を予定している。担当者によると60日間で1,000万円の予算計上になるということであった。

相談事業としてSNSを使うことの難しさも伺った。

LINEやtwitterなどのSNSは、おもに短文で投稿が行われる。それが生徒の文章力を低下させていると推定され、文章で思いをうまく伝えられない(相談を受ける側が思いを汲み取るのが難しい)ことが少なくないという。そのため、相談を受ける側としては声での会話以上に相談者の声(文章)を聞く必要があり、一人にかかる時間も長くなる。実際にこれまでの電話相談では一人にかかる時間の平均は20~30分ほどであったが、LINEでの相談には平均50分を要している。
そういった文字を通しての相談スキルの向上が、今後の大きな課題であることが示された。
また、SNSの匿名性から、緊急性の高い事案が発生したときの学校との連携も課題にあがった。

 

 

【所感】
一般論として緊急性の高低から判断したときに、いじめや交友関係といった悩みは、不登校やひいては自殺を考えることに繋がってしまうと考えるが、もとより個人の悩みを他人が重い、軽いと判断する資格はない。実際に長野県では、相談内容の集計としても「その他」に分類されている学業や成績の悩みから自殺に至ってしまった、という例がこれまでに何件も見られたという。

そうした、これまでにSOSを発信することができなかった人たちが、あらたなツールによって相談できることが明らかになったというこの事業の成果は大きい。とくに自殺対策には「誰かに相談する」ということが最も大切である。「誰も自殺に追い込まれることのない社会」をつくるための計画策定が基礎自治体に義務付けられたが、SNSを使った自殺対策は、他の世代に比べて減少が見られない若い世代に対して、その対策の中心に位置づけられる重要な施策と考える。

視察では基礎自治体では財政的な負担が大きいことから、広域での実施が現実的だとされた。財源としてはそうした取り組みになると考えるが、市民に一番近い自治体が事業の有効性を認識できるかどうかが、事業の前提として重要になるであろう。この事業については今後、立川市から自殺をなくすためにも大いに見識を深めたい。

2018年1月31日

第9回生活保護問題議員研修会(2017/08/25〜26)

【日時】 平成29年8月25日(金)~26日(土)
【研修先】 信州大学長野(工学)キャンパス(長野県長野市若里4-17-1)
【参加者】 大沢純一
【内容】 第9回生活保護問題議員研修会

【詳細報告】

第9回となる生活保護問題議員研修会「「貧困対策はどこに向かうのか 長野で生活保護を考える」と題して信州大学長野(工学)キャンパスで行われ、今回初めて参加した。

2日に渡る研修の1日目では、最初に花園大学の社会福祉学部教授であり人権教育研究センター所長の吉永純氏が基調講演を行った。

講演では、ここ数年間で貧困関連書籍の出版数が増えていることを紹介し、この問題の関心が高まっていることを指摘。実際に厚生労働省が示すデータ(「平成28年国民生活基礎調査の結果」(2017年6月27日))でも、およそ国民の6.4人に1人が貧困状態にあることを紹介した。
さらに、等価可処分所得の中央値が平成9年をピークに低下しており、その中央値の半分(貧困線)とされる相対的貧困率も上昇傾向にあることが示された。そしてその相対的貧困率を属性でみた場合、男性では20代が最も多く、女性では70代が多いことに言及。女性は年金の問題で高齢になると貧困率が上昇するとした。

そうした経済状況のもとに高齢者世帯の生活保護率が増加している。
厚生労働省のデータ(2017年1月20日厚生労働関係部局長会議資料)でも平成25年12月以降は高齢者以外の世帯では前年同月比で世帯数がマイナスになっているのに対して、高齢者世帯だけが一貫してプラスとなっている。

そのなかで2013年からの生活保護費の引き下げは影響が大きいことを指摘した。

具体的には生活扶助費が最大で20,000円削減され、住宅扶助費も最大で8,000円削減されたことで、高齢者ではおよそ5割の世帯で月2,000円、年額24,000円。母子世帯の6割以上で月10,000円、年額120,000円もの影響があったとした。こうした生活保護世帯では近年の食品価格の上昇もあり、家計のエンゲル係数が高まっている。

一方で生活保護に対する世間の見方は厳しくなっており、制度としても資産申告書の年1回提出が「義務化」されたことや、就労支援が生活保護受給者の状態をわきまえないで行われることなどが問題とされた。また、医療扶助費の増加原因として生活保護では無料で受診できることが問題という声も聞かれるが、生活保護受給者が他の患者よりも受診回数が多いというデータは存在しないことも指摘された。

そうした現状のもと、議員として各自治体の生活保護行政をチェックする必要や、子どもをはじめとした貧困の実態を調査して、一般市民と生活困窮者・生活保護者の課題を同列で扱い、分断を生じさせない取り組みをすることを求めた。

基調講演に続き、貧困や家庭問題などを扱う漫画家である、さいきまこ氏が「メディアから読み取る「生活保護と子どもの貧困」を題して講演を行った。

さいき氏は最初に、「自己責任」という言葉が広まっている現代で、貧困は本当に自己責任なのか、との問題を提起した。
この自己責任論の根底にあるのは「格差の肯定」であるとし、一例として2014年に千葉県銚子市でおこったシングルマザーが中学2年生の娘を殺害した事件を挙げた。
これは「お金の不自由はさせたくない」という母の思いが借金を重ねることになり、家賃滞納で退去を求められた母が自身も自殺をするつもりで娘を殺してしまった事件である。
この事件に対しては「我慢させるのも教育では」という世論が起こったが、それは家庭の貧困という子どもに何の責任もない「格差」を肯定することになり、お金がないなら「分をわきまえるべき」と言っているのに等しい、として自己責任論を否定した。

そして貧困を理解するのに必要なのは想像力ではなく知識だとして、報道等で伝えられた様々な声を紹介しながら、貧困の実態を伝えた。

続いての講演では、健和会病院小児科医の和田浩氏が医療現場から見える子どもの貧困を伝えた。

講演では所得における子どもの健康格差としてカナダのデータが示された。
そこでは貧困層の子どもは健康状態が悪い割合が大きいこと、さらに健康状態の格差が10代で差がでてくることが分かる。
和田氏は、こういったデータは海外では多いものの、日本ではほとんど調査が行われていないと指摘。子どもの貧困がプライバシー等の問題で公表されないことが、世間での「子どもの貧困は感じられない」という声に繋がっているという。

また、世帯の仕事状況により乳児の死亡率が異なり、無職である世帯は常用勤労者の世帯よりも死亡率が10倍近く大きくなるという統計も示された。

さらに子どもの学力の面では、低所得者世帯で3時間以上勉強する層よりも高所得世帯でまったく勉強しない層の方が成績が良いという分析も披露。貧困と子どものQOLの相関を指摘した。

和田氏は医師としてこうした貧困世帯を見たときに「おそらく発達障害を持った人が多い」と言及。そのなかでは発達障害の治療をできないまま大人になった人も多いのでは、と認識していると言い、子どもの貧困を援助するにあたっては発達障害について学ぶことが力になる、とした。

その他、1日目の報告では、議員として各自治体の生活保護行政に対するチェックの仕方などが示された。

2日目は「子どもの貧困と自治体のとりくみ」についての分科会に参加した。

子どもの貧困については、2009年に国が「子どもの7人に1人が貧困」と発表したことから、この年が「子どもの貧困元年」とされる。

分科会では、世田谷区の元職員で全国公的扶助研究会運営委員や生活保護問題対策全国会議事務局次長を務める田川英信氏と、NPO法人・CPAO(シーパオ)代表の徳丸ゆき子氏が子どもの貧困の実態と様々な支援の取り組みについて伝えた。

田川氏からは、生活保護世帯の子どもが義務教育を終えて高校や大学に進学する際の生活保護制度の課題について、具体的ケースを交えて様々な説明がされた。

たとえば、生活保護世帯の場合、高校で学ぶための費用は生業扶助として支給されるが、修学旅行やクラブ活動の費用は扶助されない。
その費用捻出のためにアルバイトをした場合に、月26,600円までなら収入認定されないが、これも事前に申告が必要で、申告しなければ不正受給とみなされてしまうこと。それ以上の収入があった場合にも、事前にケースワーカーと相談することで、修学旅行の積立金として収入認定されない方法があるなどが紹介された。
また、こういったアルバイト収入については、子ども達が生活保護制度のことを知らずに悪意なく申告しないことがあるか、ケースワーカーが丁寧に説明していない場合や、親が子どもに生活保護を受給していることを伝えていない場合などもあるなど、運用上の課題も示された。

徳丸氏は団体が進める「大阪子どもの貧困アクショングループ」の取り組みについて紹介。
シングルマザーの調査を通して、暴力の連鎖や当事者がSOSをなぜ出せないのかということなどの実態を報告した。

またここでも自己責任論では子どもを救うことはできず、社会全体としてのサポートの必要性が求められることが指摘された。

昼食を挟んだ午後では、慶應義塾大学経済学部教授の井手英策氏が登壇。
「誰もが受益者」という財政戦略と題して講演した。

井手氏は現在社会の不安の原因を「貯蓄できない」こととした。
これまでは社会保障として足りない分を個人の貯蓄が埋めていたが、世帯収入が減っている(この20年で約2割低下)ことで貯蓄できない世帯が増加。
そのことが将来不安に繋がっていると指摘した。

しかし、平均所得が低下しているにもかかわらず、内閣府調査では自身の所得階層を「中所得」と認識している割合は92.1%に及ぶ。
この実態は「自分は中の下で踏ん張っていると信じたい人が大勢いる」ためで、その状態で低所得者対策をすると、その施策からもれた低所得者がさらに低所得の層に対して不満を募らせることになる。階層分けする支援が分断社会を形成するとした。

そうした分断社会を終わらせる解決策として、「お金で人間を区別しないという哲学」を強調。
これまでの個人の貯蓄に頼る社会ではなく、相応の税を国民全員で負担をすることで、それを社会的な貯蓄として平等に分配することを提案した。
そうすることで結果的に①格差が縮小②経済成長力が強まる③財政が再建すると力説。
「頼り合える社会」をつくっていくべきだと述べた。

【所感】

この研修会の大前提として党派を超えたものであるはずであったが、講演者の一部に特定の党派の主張に偏った意見が見られた。(それについてはアンケートで指摘させてもらった。)
しかし、それはある意味些末な問題であって、貧困問題に長く関わってきた方々の実体験や具体例を通した報告は大変勉強になった。

生活保護は大変複雑な制度になってしまっており、知らなければ支援につながらない場合も少なくない。
困窮する市民を適切な支援につなげるためにも、知識のブラッシュアップが必要なことを強く感じた。

さらに個人的に今回の研修会での最大の収穫は井手英策教授の講演であった。
不勉強から教授のことをこの研修で初めて知ったが、現代社会を覆っている「不安」の原因が「貯蓄ができないこと」にあるとした分析は、わが意を得たものであった。

また全体を通して研修会全体を通して「自己責任論」が貧困問題の通奏低音である感を深くした。

貧困の解消は政治にとって最優先の課題であり、大変有意義であった今回の研修を、今後の活動にしっかり活かしてまいりたい。

愛知・半田市 マイレポはんだ (2017/05/22) 

【日時】 平成29年5月22日(月)13:00~15:00
【訪問先】 半田市役所(愛知県半田市東洋町2—1)
【視察者】 公明党立川市議団(高口靖彦、山本美智代、瀬順弘、大沢純一)
【目的】 「マイレポはんだ」事業について
【対応】 半田市企画部市民協働課・課長 加藤明弘 氏、半田市企画部市民協働課・主査 山田隆康 氏、半田市企画部企画課・広報情報担当 岩田竜一 氏

【報告】
半田市ではスマートフォンアプリ「FixMyStreetJapan(フィックスマイストリート・ジャパン)を活用した市民協働の取り組みである「マイレポはんだ」という事業を行なっている。
これは市内の道路の陥没や公共施設の破損などをスマートフォンアプリを使って市民に通報してもらい、行政が修繕などの対応を行うというもの。
同様の取り組みは、別府市や郡山市など全国7市で行われているが、そのなかでも先駆けて取り組みを始めた半田市で担当者から話を聞いた。

 

平成26年度10月から運用開始された事業であるが、最初の実証実験は平成25年7月から8月にかけて行われている。
実証実験に至ったきっかけは、その直前の4月に放送されたNHK番組で千葉市でのFixMyStreetJapanを使用した取り組みが紹介され、それを市職員が見たことであったという。
それまでも行政としては1年間で市内全域を一周する道路パトロールを実施していたが、言い換えれば一地点を年一回しか見回れないことに課題を感じていた。この問題意識を強く感じていた職員の一人(30代職員だったという)が同番組の放送で千葉市の取り組みを見たことから庁内で実証実験が開始された。
最初の実証実験は職員だけで行われた。職員が対応可能なものであるのか、使えるアプリなのかといった角度から検証をし、翌26年1月からは市民の参加を得て市内全域での実証実験に入った。そのような経過を経て26年10月から本格運用されている。

このFixMyStreetJapanというアプリは、市民がスマートフォンで撮影した写真とGPSを使った位置情報とともに破損の状況などのコメントを送信すると、アプリの地図上にそれが表示されるというものである。
行政担当者はそれを見ることで、現地に赴くことなく状況が把握できるだけでなく、投稿を確認したこと、さらに問題に対応したことを市民に(相談した市民だけでなく広く市民に対して)知らせることができる。つまり行政対応の透明化、いわゆる見える化に繋がるものである。さらに市民にとっては、自分の声(意見)が行政に届いているという実感にもなり、行政に対する参画意識も高まる。また、多くの市民の目で市内をチェックしてもらうことで、なかなか行き届かない課題や問題の掌握ができることが期待できる。

 

 

また、行政窓口が市民に対応できる時間は日中が主であり、夜間に帰宅する市民が行政に相談できる機会はごく少ないのがこれまでの常であった。しかし、こうしたアプリを経由することで時間帯を気にすることなく相談できることも、市民にとっては大きいメリットであるが、これは市民ばかりではないという。
半田市でも休日対応ということで職員が市役所に待機しているが、これまで市民から道路の補修についての相談があっても、電話では状況が伝わりにくいこともあり、緊急性が高い案件であるのかどうかは、実際に現場を見てみないと分からないことも少なくない。そのため、職員が休日に急遽現場に行くこともあったが、このシステムでは画像で判断することができるために無駄な業務を減らすことができる。

 

むろんこれまでもそうした要望、相談は自治区(自治会)からの住民要望や市長への手紙、あるいは電話やメールといった様々な手段で行政へ届いてきた。その上でこうしたシステムを始めるのは、市民の声を聞く手段を増やすという位置づけと考えており、これまでの既存の手段が使いやすい市民はそちらを使ってもらい、このシステムが使いやすいと思う市民に使ってもらうという考えで運用している。実際にこの事業が始まったからといって、これまでの手段による相談が減ったということはなく、これまでの手段では行政と繋がりを持たなかった層がこれを利用していると分析している。(ちなみにこのシステムを利用するにあたっては、市民はメールアドレスとニックネーム(本名である必要なない)を登録するだけであるため、利用者の属性を知ることはできない。市民の声から判断すると、おそらく男性の方が多いのではというのが担当者の感想であった。)

では実際にどれほどの投稿がされるのか。3カ月の実証段階を経て本運用を開始した半田市では、報道メディアに取り上げられた実証段階で1日平均1.07件、本運用の約2年半の間では1日平均0.61件という状況である。夏場に相談件数が増加し、冬場に減少するという傾向があるが、このシステムを導入したことでこれまでの業務の負担になっているということはないということであった。むしろ業務にあたり初動の効率化が図れることの効果の方が大きいという話があった。

また、運用にあたっては不適切な投稿への対応も懸念される。半田市ではこれについて当然ガイドラインを持っている。いわゆるいたずらに類する不適切な投稿(誹謗中傷、差別、プライバシーの侵害など)について、市で非表示の対応をとることになっているが、これまでそういった投稿は発生していないということであった。

ただ、相談対象の背後などに写ってしまっている自動車のナンバープレートというような個人が特定される写真が投稿されることは度々発生しており、その際には画像の加工をおこなっているそうである。

将来的に、不適切な投稿が頻発することで通常業務に支障をきたすことが起きた場合には運用を中止するということも予め取り決めている。

半田市での現在の課題としては、一つに利用者が頭打ちなことが挙げられる。今後は半田市でも人口減少を迎えるなかで、本システムには多くの市民の参加が望まれる。これは業務効率化とともに、後述するが市民協働、市民参画ということからもこうしたシステムへの参加を求めているが、市民の認知度がなかなか上がらないということが課題となっている。現在は高齢者のパソコン教室などの際にこのシステムを説明して、市民への周知に努めている。

また別な課題としては、関係機関との連携がある。

市民からの課題・問題について、対応を「見える化」することがこのシステムの大きな意義の一つであるが、市で解決できない課題、たとえば県や国の管轄である問題については、市としては関係機関に連絡をする、という対応に留まらざるを得ない。

このシステムの活用では、投稿された問題の約36%が7日間以内で解決をしている。しかし、そのほとんどが市の問題であり、管轄外の問題になると解決できたかどうかが不明確で、市民に対してなかなか結果を明示できないという。

そうした課題はあるが、半田市でこの事業を中止するという考えはない。市長がこうしたオープンガバメントというものに積極的に取り組んでいることが大きな理由だ。

オープンガバメント、行政の見える化をなんのために取り組むのかと言えば、課題・問題を市民と行政が共有し、共に解決に向かう基盤をつくるためである。その理念のもとに、マイレポはんだを通じて市民の自発的に問題解決に取り組む仕組みをつくることを半田市は目指している。

(資料は半田市企画部企画課より提供)

 

 

 

 

【所感】
これまで立川市議会において何度かこのシステムの導入を求めてきたが、今回視察に伺ったことで、あらためて必要性を強く認識した。
市民としては、行政対応の透明化、見える化になり、自分の投稿で街が改善されるという実感、地域への貢献が実感できる。一方、行政の側も、多くの市民から情報提供を受けることで、なかなか目の行き届かない課題・問題が把握できることや現地確認の初動の効率化など、業務改善に繋がるものである。
また、同システムは災害時対応も可能なものであるが、災害時に位置情報と画像を投稿できるシステムを用意しておくことは、とても重要である。こうしたシステムの活用に日常から慣れることは、災害時に大きな効力を発揮する。

地域の要望、対応については、私たち議員を通じて行政に依頼をする、ということも多い。そうした市民の声を伝えるというのも議員の役割ではあるが、本質的には議員を通さなくても市民の声が行政に届く仕組みをつくることこそが、私たち議員の役割だと思っている。今後、行政に対して、あらゆる機会を通じで導入を求めていきたい。

 

2017年6月13日

柏の葉スマートシティ(2017/04/13)

 

【日時】 平成29年4月13日(木)13:30~15:00
【視察先】 柏の葉スマートシティ(千葉県柏市若柴178)
【視察者】 大沢純一
【目的】 まちづくりについての調査研究
【対応】 三井不動産株式会社 柏の葉街づくり推進部事業グループ 濱記代子 氏

【報告】

IT技術で街全体の電力供給を調整するスマートグリッドを日本で最初に実用化した「柏の葉スマートシティ」を視察。

ここでの電力は、平時には商業施設「ららぽーと柏の葉」の他、街区オフィスやホテルに供給されるが、災害時には集合住宅街区(一番街977戸、二番街880戸)の共用設備にも供給を行えるようになっている。

街全体の公共空間のデザイン及びマネジメントは地域産官学で構成されたUDCKという組織が担っている。公道においても柏市とともにUDCKが管理しているため、ベンチや樹木の設置なども柔軟に行うことができる。

ゴルフ場跡地を含む273万平方メートルという広大な土地を活用したこのプロジェクトは三井不動産によって進められているが、計画的なまちづくりは洗礼された「次世代の環境」という印象で、「環境共生都市」「新産業創造都市」「健康長寿都市」というまちづくりのコンセプトを強く感じる。

 

たとえば「新産業創造」ということでは、コワーキングスペースから専用オフィスまでが用意された「31VENTURES KOIL」というスペースが、都心と比べて手頃な料金で利用できる。ここではその環境から異業種交流が日常的に行われているということである。それに加え、3Dプリンターやレーザーカッターなどが自由に使える「KOILファクトリー」という施設も用意されており、発想をすぐに形にできる環境も整えられている。

 

 

 

また、事業が拡大していったときにコワーキングスペースから移るための個室オフィスも用意されており、将来のステップアップを目指す動機づけにもなっているようであった。

 

 

 

 

 

 

 

さらに「健康長寿都市」としての環境も興味深いものがあった。施設内で健康・医療施設となっているワンフロアがあり、その中心が「まちの健康研究所 あ・し・た」という健康・医療の情報発信や、利用者の健康管理を無料で行う施設である。ここでは体組成計での無料計測なども行えるが、働いている人は地域のボランティアだそうだ。

 

 

 

 

同フロアでは子どもが怖がることのないように工夫を凝らした歯科クリニックも目を引いた。

 

 

 

 

 

【所感】

この施設の中核であるスマートグリッドについては、大企業のプロジェクトというような位置づけでない限り、一自治体での実行は困難であると思われるが、それ以外のまちづくりという面では参考になった。

どのように人を集めるかというのが地方創生であるが、新しい仕事をどう生み出し、継続できるようにするかということが中心のひとつだ。今回の視察でそういった環境、基盤を整えていくことが人を集めることに大きく繋がっていくことを強く感じた。

さらに、集まった人を定住に繋げていくのは教育と健康がキーワードとなる。そういった意味では理想的なコンパクトシティが、この柏の葉ではないだろうか。

今後の取り組みを注視したい。

以上

 

2017年4月13日

全国災害ボランティア議員連盟 平成28年度研修会 (2017/02/01~02)

【日程】2017(平成29)年2月1日(水)~2月2日(木)
【研修先】大島町役場(東京都大島町元町1-1-14)
【研修目的】全国災害ボランティア議員連盟 平成28年度研修会
【研修者名】大沢純一

【詳細報告】
全国災害ボランティア議員連盟 平成28年度研修会
「災害ボランディア活動の実際」
講師:社会福祉法人大島社会福祉協議会 大島社協ボランディアセンター・副センター長 鈴木祐介 氏

研修会では大島社会福祉協議会ボランディアセンター副センター長の鈴木祐介氏より、平成25年に大島町でおきた台風26号による土砂災害の際のボランディアセンターの活動についてきいた。

平成25年10月11日から16日に発生した台風26号で、大島町では15日夜から16日明け方にかけて、1時間雨量122.5ミリ、とくに23時から翌5時までの6時間では549.5ミリという観測史上最大の降水量。それにより16日2:30頃に大島町西部で大規模な土砂災害が発生。死者36名、行方不明者3名、居住家屋203棟が損壊を受ける大被害となった。

こうした状況を受け、発生から2日後となる18日正午に災害ボランディアセンターが大島社会福祉協議会を主体として設置された。
社会福祉協議会としてはこれまで、災害にあたっては三原山噴火のときのように、自力では避難できない「要支援者」にあたる住民の避難を中心におこなっており、当初はボランディアセンターの設置は当初予定していなかったという。島内外の方から「いつボランディアセンターを開設するのか」という問い合わせが多くなり、開設に至ったという経緯であった。

ボランディアセンターが開設された期間は平成25年10月18日から26年3月31日のおよそ半年で、島外から4,700名ほど、島内からも2,500名ほどが復旧活動や被災者支援などを行った。(島内の人たちが全体の3割以上も参加しており、地元の人たちがそれだけ多くたずさわるのは珍しいとのことだった。)約半年の開設期間であったが、ボランディア活動としては最初の1カ月で復旧、支援のメドがついたという。

災害ボランディアセンターの運営にあたっては、とくに「誰のため」「何のため」を常に意識したということであった。関係者の共通認識をもって、支援の方向性が逸れないように常に確認し合うことが重要で、さらに「どこまで」といった活動範囲の問題、「いつまで」といったニーズの問題も意識して運営を行ったとの報告があった。

特にニーズの把握については、復旧支援にあたっている諸団体からのニーズ把握とともに被災者一人一人からの相談を重視した。これは同時に、被災者に対してボランディアセンターの認知度、周知を広めることにもなった。また、そのやり方も、被災者へチラシやかわら版を持参しながら、雑談を含めていろいろな話しを「聞く」ということを意識した。これはそのまま被災者に寄り添うことに繋がった。

また、災害のときには多くの情報が交錯することになり、誤った情報が支援活動に支障をきたす場合も少なくないことから、ボランディアセンターとしてSNSを中心とした情報提供を通じて、ボランディアセンター自体に対しても関心を集め、いわゆる味方づくりを意識したという。同時に情報公開にも努めた。

こうした当時の活動をうけて、今後の災害ボランディアセンターについての課題として、特に運営資金の対応について話があった。

災害ボランディアセンターを運営するにあたり、いわゆる「ヒト・モノ・カネ」が必要だが、大島町では平成25年当時、このすべてがなかったという。特に資金(カネ)では4~5カ月で約1,000万円を要したが、社会福祉法が改正されて社会福祉法人は余剰資金を持ってはいけないというとになった。これをどのような形で今後工面していくのか。この点が大きな課題として提示された。

研修会ではその後、平成25年台風26号土砂災害現場を視察し、さらに三原山溶岩流堤、溶岩導流堤現場を見学。大島町役場の担当者から説明を受け、当時の被害の大きさを実感した。さらに伊豆大島火山博物館では日本だけでなく世界各地の噴火活動の展示とともに、昭和61年の三原山噴火における全島民避難の映像などを視聴した。

【所感】

ボランディアセンター運営についての課題として、一つは資金面については運営に多額を要すること。さらにその資金が大島町では当初から確保(予算)されていなかったことが研修で強調されていた。この点は参加者全員が、それぞれの自治体で確認が必要との認識で一致した。

また、災害ボランディアセンターを立ち上げることは、多くの自治体の地域防災計画で定められているが、一方でこれは、法制度化されている組織ではないという指摘も、研修の中で示された。

こうした災害時の制度的な不備というのは、机上ではなかなか見つけにくいことであろう。この議員連盟には今回初めての参加であったが、実際に現場で対応した経験と知見が大切であるということをあらためて実感できた研修であった。

<関連>災害ボランティア議連が研修会(2017年2月22日付 公明新聞7面)

呉市データヘルス計画について(2017/01/24)

【日時】2017(平成29)年1月24日(火)13:00〜15:00
【視察先】呉市役所(広島県呉市中央4丁目1–6)
【視察目的】データヘルス計画について
【視察者】公明党立川市議団(高口靖彦、門倉正子、瀬順弘、大沢純一、)
【対応】呉市福祉保健部保健年金課長補佐 兼 国保事業GL 大下佳弘 氏


【報告】

立川市では平成23年3月にデータヘルス計画を策定した。今回の計画は実施期間を昨年度(平成28年度)から本年度(29年度)までの2カ年としており、その状況を踏まえた上で、来年度以降の計画を進めていくことになる。

本年度で最初の区切りを迎えるにあたり、このデータヘルス計画発祥の地である呉市での取り組みを視察した。

データヘルス計画とは、医療機関で電子カルテに入力されたレセプトデータを分析し、市民がどのような病気に罹っているかということや、受診の状況、さらには薬をもらいすぎていないか、といったことを国民健康保険の保険者として市が把握して、市民の病気の重篤化や慢性化を防ぐことを目的としている。さらにその過程では、投薬状況を把握することで過剰な服薬や飲み合わせが禁止されている薬を服薬していないか、といった管理も行なっている。病状の重篤化、慢性化を防ぐことで医療費削減に繋がっていくため、増大する社会保障費を抑えられることから、国は全国の市町村にこの計画策定を求めており(注)、立川市も平成27年度末に策定した。

(注)「日本再興戦略」(平成25年6月14日閣議決定)においては、「すべての健康保険組合に対し、レセプト等のデータ分析、それに基づく加入者の健康保持増進のための事業計画として「データヘルス計画」の作成・公表、事業実施、評価等の取組みを求めるとともに、市町村国保が同様の取組を行うことを推進する。」としている。(立川市国民健康保険データヘルス計画より)

呉市の医療データを分析して重篤化・慢性化を防ぎ、医療費を抑制する取り組みは「呉モデル」として国が推進する事業となった。そもそも呉市でこの事業が開始された背景には、全国平均よりも医療費が高いという課題があった。

造船業を基幹産業として昭和18年に40万人まで増えた人口は、昭和50年には24万人にまで減少した。その後、平成17年「平成の大合併」で1市8町が合併したが、毎年1%ずつ減少していく人口は、本年23万人を切るという状況にある。その中で、高齢化率は33.5%と、人口15万人以上の同規模の自治体で第1位である。

呉市の医療環境として特徴的なのは、400床以上の総合病院が3つあり、人口に対して病院・病床数が多いということである。医療機関が身近にあることは、市民にとって安心である一方、気軽に受診できることが一人当たり医療費の増加に繋がっているのではないか、という懸念が以前より持たれていたようだ。
また、市の国民健康保険加入者は5万人弱だが、そのうちの半数以上(52%)が高齢者(65才〜74才)であり年金生活者が多く占めるという、低所得層が多い構成となっている。

国民健康保険の一人当たり医療費の推移としては、全国平均や広島県内の平均費用が伸びているなかで、呉市も過去5年間の推移として右肩上がりという現状ではある。しかし近年では、呉市の「高齢者」医療費は県平均より下回っている状況が出始めているという。市全体の医療費が増えているのは、若年者の医療費が原因であり、これは同市の精神病院に他県からも入院・転院してくる精神疾患患者が増えているというのが主な理由とのことであった。周辺に精神病院が少ない現状では不可避なことであり、こうした事情を除けばデータヘルス計画として医療費の適正化に努めてきた成果があらわれていると推測される。

先述のとおり、データヘルス計画はレセプトデータを分析することで医療費の無駄を削減することが中心の一つであるが、短期にその効果を求めることができるものとして、被保険者へのジェネリック医薬品の使用促進がある。呉市では対象者へ2ヶ月に1度通知を発送し、年間医療費を約2億3,900万円削減している(平成27年度)。尚、立川市でも同様の事業を行っており、年間約1,670万円の削減効果が出ている(平成26年度)。自治体規模の違いを考慮しても削減効果の金額が大きく違っているが、呉市が自治体として全国初の試みとしてジェネリック医薬品促進通知を開始したのは平成20年であった。削減額の大きさは呉市が取り組んできた7年間で市民の認識が広まったことにあろう。立川市としても今後の継続的な取り組みによってさらなる削減が期待できると考える。このジェネリックの差額通知事業については、行政と医師会の連携の強さによって推進できているということも担当者より伝えられた。

多少脇へ逸れるが、国民健康保険料を滞納した市民に対して呉市では、督促に応じない場合は国民健康保険で債権回収の専門部署をつくり、差し押さえもしている。医療費の削減に努めるとともに、そうした収入の面についても積極的な行動をとっており、平成20年に策定した財政運営健全化プログラムのもとで国民健康保険会計に対して一般会計からの補填は行なっていないそうである。

さらに生活習慣病の予防対策として、特定健康診査及び特定保健指導の実施率向上の取り組みについてもきいた。
呉市で平成20年より行なっている特定健診は現在、課税世帯で1人1000円の自己負担で実施している。これを来年度から無料化にするということであった。さらには受診機会を休日にも行い、受診場所の追加や時間帯も拡大するなど機会を増やしている。しかし現実にはなかなか受信率が上がっていないということであった(開始当時20%だったのが近年は25%)。立川市の受信率は34%程度であるが、じつは呉市よりも東京圏域の方が概ね高いそうである。これについては担当者が「逆に秘訣を聞きたい」と漏らされていたが、どこも得策といったものはないのが実情のようである。

ただ、その中で特定健康診査の受診者をどうカウントするか、ということもあがった。

ある病気で治療中の方が、あらためて健康診査を受けるということは実際にはほとんどないのではないか。そうであれば、治療中のデータのなかに特定健診のデータにあてはまれるものがあれば、その人については特定健診を受けているとカウントしても問題ないはずで、そういった実質的な受診率というものも考えていきたいとの話しがあった。

また、特定健康診査異常値放置に対する受診勧奨についてもきいた。

過去に受診歴がある方で最近は受診が止まっているという人が、呉市では本年度400件ほどあり、2つ以上の疾患がある人については訪問をし、それ以外は文書で通知を行っている。訪問をした結果、半数以上が受診を再開している。

さらに「受診行動の適正化」について、立川市では①重複受診②頻回受診③重複服薬が課題となっているが、それぞれの取り組みについてきいた。

重複受診でも2つの医療機関であればセカンドオピニオンとしての受診であると考え、呉市では3つ以上の受診に対して訪問指導を行っている。頻回受診については1つの医療機関で月15回以上の受診について、これも訪問指導を行っている。また重複服薬について、通常の10倍もの薬(このケースでは下剤であった)をもらっていたという人もいたそうであるが、そういった薬をもらい過ぎている場合には、やはり訪問指導を行っている。それぞれ資料のP15~17ページのような効果を出しているが、このことに関しては、保険者がレセプトの内容をしっかりチェックしているという認識を市民が持ってもらうことの効果が大きい、とのことであった。

尚、重複服薬について、立川市では「お薬手帳」の利用促進ということが対策として挙げられるなかで、お薬手帳を提示しなければ薬を出さないようにしたらどうか、という意見があることを伝えたが、呉市では現状「そこまでは難しい」という認識であった。

<資料>呉市国民健康保険 健康保険の取り組み

【所感】

呉市のデータヘルス計画の取り組みは、着実に成果を上げていることを実感した。本市も今年度で最初の計画実施時期が終了となるが、今後課題を整理したうえで、さらに取り組みを進めなくてはならない。

そのうえで呉市を視察し認識したことは、やはり訪問指導に代表される「顔の見える対応」の重要性であるとの感を深くした。

データヘルス計画は一義的には医療費の削減であるが、それはそのまま市民の健康を表すことになる。地方創生のなかで人を惹きつけるキーワードの一つは間違いなく「健康」であり、健康の度合いを示すのがデータであろう。データヘルス計画のさらなる取り組みを私たちも進めていかなくてはならない。

【環境建設委員会】なごや生物多様性センター(2016/11/01)

【日時】 平成28年11月1日(月)10:00~12:00

【視察先】 なごや生物多様性センター(愛知県名古屋市天白区元八事5-230)

【視察者】 佐藤寿宏委員長、大沢純一副委員長、浅川修一委員、福島正美委員、谷山きょう子委員、江口元気委員 全6名

【目的】 環境建設委員会としてなごや生物多様性センターを行政視察

【対応】 名古屋市環境局環境企画部 主幹(生物多様性推進) 後藤仁美 氏/環境活動推進課・主査(生物多様性市民協働) 岩田信也 氏/環境活動推進課 橋本侑麿 氏

【報告】

2005年に愛知県内で日本国際博覧会「愛・地球博」が開催された。『人類の叡智』というテーマのもと環境を中心としたこの博覧会が契機となり、名古屋市内でも環境問題に対する機運が高まった。

さらに2010年にいわゆる名古屋議定書が採択された第10回生物多様性条約締約国会議(COP10)が開催されたことで、市民協働による自然や生物の保全活動を行う市民運動が活発化した。

そうした市民運動を支える施設として、今回視察したなごや生物多様性センターが翌2011年に開館。

立川市でも自然、環境分野の市民活動が多く行われていることから、今後の活動と協働を支える施策を研究するために視察を行った。

当施設はそれまで不燃ごみの中継施設であったものを改修・整備したものであり、年間の事業予算は4,000万円弱。内訳としては、その半分(約2,000万円)が嘱託職員(6名)の人件費であり、1,000万円弱がなごや生物多様性保全活動協議会への負担金等に充てられている。実質の運営費としては年間1,000万円程度であるという(平成27年度)。

なごや生物多様性保全活動協議会は、地域住民と市民団体、行政が協働で生物調査や保全活動を行うために設立されたものであるが、同センター内にその事務局が置かれ、センター長は協議会の幹事となっている。この協議会が市民運動を支える中心である。

さらに同センターの重要な役割として、市民参加による市内の生物に関する一斉調査がある。これは基礎自治体であるからこそ行える調査で、在来種と外来種の分布を詳細に追うものである。これによって、それまで未確認であった在来種の生物が発見されることも少なくないそうだが、その一方で毎回確認されるのは、多数の外来種の存在である。

多くはペットとして飼われていた魚や亀といった外来生物が、捨てられた先の環境で在来種を捕食するなどして繁殖しているという現状がある。

例えば池に住む在来魚がボウフラを食べることで安定していた生態系に、外来魚が放流されることで、在来魚が外来魚に食べられてしまう。その結果、ボウフラが増えて予期せぬ蚊の大量発生がおこってしまう、ということが起きているという。そのため、センターではこのような調査に留まらず、外来種の駆除も行っている。

そうした環境変化が起こることにより、名古屋市内では2015年の調査で絶滅危惧種とされる生物が389種にも及んでいる。これは「レッドデータブックなごや」として公表されているが、こうした普及啓発活動も同センターの事業である。

また専攻している地元学生とともに、資料としての標本作製等も行っている。

 

【所感】

「レッドデータブックなごや2015」のなかでも記述されているが、生きものの生息・生育状況というのはそれぞれの地域で異なり、日本全体では指定されていなくても、特定の地域ではある生物が絶滅危惧種という状況があるという。このことは同センターの担当者からも直接伺うことができた。それ故に、基礎自治体のような小さい単位での調査が今後ますます重要になってくるというのが担当者の見解であった。

自然保護とは環境の安定化と言い換えることもできよう。今後、住環境整備としての開発行為を行うなかで、どのようにしたら環境の安定を目指していけるのか。市民への啓発活動のあり方も含めて、立川市の自然環境を次の世代に引き継いでいくためには、今回視察したような調査・研究活動は大変重要であると感じた。

以上

【環境建設委員会】はだのクリーンセンター(2016/10/31)

 

【日時】 平成28年10月31日(月)10:00~11:30

【視察先】 はだのクリーンセンター(神奈川県秦野市曽屋4624)

【視察者】 佐藤寿宏委員長、大沢純一副委員長、浅川修一委員、福島正美委員、谷山きょう子委員、江口元気委員 全6名

【目的】 環境建設委員会としてはだのクリーンセンターを行政視察

【対応】 秦野市伊勢原市環境衛生組合 施設課・参事兼課長 栗原一彰 氏/総務課・参事兼課長 沼崎千春 氏

 

 

【報告】

はだのクリーンセンターは、これまで伊勢原市内にあった清掃工場の老朽化にともない、平成25年1月に竣工した施設である。

視察では施設の概要を説明するDVDを視聴した後、担当者の案内で工場内を見学した。

同センターの処理方式である「ストーカ式焼却炉」は、立川市の新清掃工場でも採用予定であるが、この方式が全国で一番稼働している焼却炉であることが担当者から説明された。さらに同センターの特徴として焼却蒸気を利用した発電が行われており、ここで発電した電気でセンター内の電力が賄われており、さらに余った電気は売却している。その売却額は、本年度で3億2,000万円が予定されているという。

後述するが、はだのクリーンセンターの建設にあたっては周辺住民の同意がなかなか得られず、その過程において煙突から出る排ガス濃度についても大幅な自主規制を行うこととなった。

そのため、ダイオキシンは法令規制値の50/100、塩化水素は同じく法令規制値の7/100、硫黄酸化物に至っては法令規制値の1/100以下という厳しい自主規制の下に稼働している。

施設内はガラス越しごみ処理の作業が見学できるようになっている他、処理過程を示す展示などで一般廃棄物処理について学習できる環境を整えている。施設完成から4年に満たないこともあり、施設内はとても綺麗であり整然とした印象をもった。

見学後には質疑応答が行われた。内容は別紙の資料3として添付するが、そのなかで担当者から同センターを建設するにあたり、平成9年から16年という年月が掛かったことが言及された。前述の通り、周辺住民の理解が得られなかったためで、それは大反対運動と言えるものであったという。その間に市長が2回も変わるということにもなり、最終的には同地で建て替えることはしないという覚書を定礎石の下に入れての建設となったということであった。

また、資料3に記載されていない質問事項として、焼却灰の処理にどのくらいの費用が掛かっているかを聞いた。

これについては、自前の最終処分場を持っており平成35年まで稼働可能であることや現状は70%程度が使用されていることが述べられた上で、年間1億4,000万円程の費用が掛かっているとの回答があった。

焼却灰は年間5,500トン排出され、そのうちの3,200トン、70%ほどが資源化(セメント化)されているとのことである。

 

【所感】

立川市の新清掃工場建設予定地の周辺住民が中心となって構成される「立川基地跡地利用施設検討委員会」で前年9月、同センターに見学に行っている。その際に見学者から多く聞かれた声は、こういう施設であれば近隣にできても安心だ、というものであった。実際に今回の視察でも同様の感想を持つことができた。

現在、立川市では新清掃工場の建設にあたり、大きな反対の声はない。それは同委員会の方々の努力によるところであるが、この「はだのクリーンセンター」のような施設を実際に見学していることで理解が進んだ点も大きいと考える。

そのような模範的ともいえる施設をつくるのに、およそ16年という年月を要した。関係者の大変なご努力に敬意を表するとともに、様々な住民の声を積み上げて建設された同センターの知識や技術を、立川市の新清掃工場建設に向けて活かしていきたい。

尚、焼却灰の処分と再利用について、はだのクリーンセンターでは平成35年以降に現在の最終処分場が稼働できないという状況が発生する。これ以降の焼却灰の処分費用については懸念が残るものであり、本市においても同様あるいは類似のケースの試算について検討が必要であろうと思われる。

以上

米沢市中小企業振興条例について (2016/07/27)

【日時】 平成28年7月27日(水)13:00~14:30

【訪問先】 米沢市役所(山形県米沢市金池5-2-25)

【視察者】 公明党立川市議団(高口靖彦、門倉正子、瀬順弘、大沢純一)

【対応】 米沢市産業部商工課・商業振興主査 菅原豊子 氏

 

【報告】

米沢市中小企業振興条例の概要にも記されているとおり、同市の中小企業は市内企業の99.8%(4,760事業所)を占めている。大企業とされるのは10社ほどであり、それ以外が中小企業に分類されるという状況だという。

回復の兆しがあるとはいえ、長期にわたる景気の低迷のなかで中小企業をとりまく環境は大変厳しい現実が続いている。中小企業は地域経済の中核であり、雇用を維持し市民生活を向上させるためには、社会全体でこれを支援していくことが必要であると判断し、米沢市ではそのための「中小企業振興条例」を制定。平成27年4月より施行している。

この条例については以前に議会でも議論があったという経緯はあるが、今回の制定にあたっては行政が主導し策定されたとのことである。平成26年7月に最初の検討委員会が開かれ、まず何のためにつくるのか、というところから始められたそうである。その後、全5回の議論が重ねられた。

この検討委員会では、条例案とともに「米沢市産業振興アクションプラン(仮称・案)」が議論された。このアクションプランは中小企業振興条例をもとにした振興推進計画である。視察した時点ではようやくたたき台ができた段階で、なんとか28年度中に策定できるよう作業を進めているということであった。

このアクションプランの策定と平行して、米沢市では条例を単なる理念で終わらせないことを強く意識している。

施行後の周知活動としては、講演会の実施のほか、出前講座などでもPRに取り組んでいる。とくに大学生に対して中小企業の役割を伝え、市内企業に関心を向けるという努力もしているとのことであった。

立川市議会として過去にこの中小企業振興条例について議論された経緯があり、ここでそのなかでの大きな論点となった点について聞いてみた。それは市内の産業としては当然、中小企業として括られる工業、商業のほかに農業などの分野もあるわけであり、あえて工業、商業分野の振興をすすめることを謳う条例をつくるのはどういった見解からなのか、というものである。

現在、米沢市は「米沢市ABC(Aはapple(舘山りんご)、Bはbeef(米沢牛)、Cはcarp(米沢鯉))」ということで市の特産品をアピールしている。こういった農業分野の活性化については当然これからも注力しなくてはならないはずだ。

担当者からは、そこは当然考えているが、一方で中小企業の振興というのは別段で考えなくてはならないものであり、中小企業に行政が力を入れていくということを特に示すものとして、今回この条例を制定した、という回答があった。

 

【所感】

本年4月1日時点で83,175人という米沢市の人口であるが、昨年同月よりも2,000人程減少している。そのような現状でどう市内の活性化をはかるか。

現在、東北中央自動車道の建設が進んでおり、平成29年中にも開通予定である。これが完成すると、米沢市と福島市の所要時間が20分短縮されることになる。今後、地域の中核的な都市である福島市との人的・物的交流がさらに多くなると見込まれる米沢市としては、中小企業にとって魅力的なまちになることで、人口減少社会にあっての生き残りをかけることになろう。

そういった現状下で策定されたこの条例であるが、その効果については今後の経過を注視していきたい。

また視察のなかで、米沢市中小企業振興条例のなかで示されていた市内業者の製品を利用することを推進するというところに強く関心をもった。(米沢市中小企業振興条例第4条第4項)

実はこの条文自体は、今回の条例ではじめて示されたわけでなく、これまでも別な形であったものだという。それを今回の条例制定にあたってここでも明文化したものだ。

市内事業者を市民、行政全体で育てていかなくてはならない、という姿勢を、条例の制定を通じて米沢市から感じ取ることができた。これは本市立川市の行政としては不十分であると私が感じていることでもある。

今後、本市としても企業振興を進めていくにあたっては、条例という形がいいかどうかを含めて、今後さらに検討していかなくてはならないであろう。しかし、市内業者を育てていくということをさらに強く掲げていかなくてはならないことは間違いない。

今回の視察は、法人税収入に大きく依存する本市にとって、どうしたら企業から選ばれる市になるか。そこに行政として、また政治としてどう「攻めて」いかなければならないか、考える大きな契機になった。今後も様々な地域の取り組みを研究しながら、立川市が企業にとっても魅力ある都市になるよう取り組んでいきたい。