婚姻届の「父母欄」 養父母も記入可能に

2017(平成29)年2月22日付 1面

法務省 公明の要望受け通達

市民相談から、たった2日で国を動かした公明党議員のネットワークの力と実現力に大きな喜びと感動が広がっている――。今月13日、法務省が全国の法務局戸籍課長宛に一通の通達を出した。内容は婚姻届の「父母欄」(新郎新婦の実父母の名前を記入)に養父母の氏名を記入してもよいとするものだ。

一人の訴えがスピード実現

きっかけになったのは公明党の盛月寿美(ひろみ)・静岡県議が受けた切実な訴えだった。静岡市に住む女性(養母)から「娘の婚姻届の父母欄に私の名前を書くことができない」との相談を受け、すぐに大口善徳衆院議員と連携。大口氏が法務省に対応を迫った結果、簡単な書式変更で実現した。相談から2日後という異例の早さで、母の願いがかなった。通達は、この事例と同じ悩みを持つ全国の人にも適用できるよう発信された。

相談したのは静岡県清水区に住む東城(とうじょう)薫さん(44)。28歳の時、事故で亡くなった兄の長女・彩(あや)さん(当時、高校2年)と長男・健太さん(同、中学2年)を養子にした。以来16年間、”母親”として精いっぱいの愛情を注いできた。健太さんは大学卒業後、大手海運グループに就職。彩さんは高校、専門学校を卒業し、訪問介護の仕事に就いた。

手塩にかけた彩さんの結婚が決まり、2月3日に婚姻届を出そうと決めた矢先、父母欄に薫さんの名前を書けない事実を知る。「養父母は、その他の欄に書いてください」とあった。大きなショックを受けた薫さんは、「娘の結婚という大事な節目に、自分は親ではなく『その他』なのか」と彩さんと悔し涙を流した。

2月1日夜、薫さんは、間に合うはずはないと思いながらも真情を盛月県議に吐露した。盛月県議は「あきらめないで!大口さんに頼んでみます」と強く答えた。翌2日、連絡を受けた大口氏は、その場で法務省に掛け合い、「実父母の養父母も法的には同じなのに、この差別はおかしい」と柔軟な対応を迫った。その結果、父母欄の母の字の前に「養」の字を書き加える変更だけで薫さんの名前を記入できることに。婚姻届は3日に無事受理された。

大口氏と盛月県議は18日、東城さん宅を訪問し、喜びを分かち合った。薫さんは、「私と娘の思いを盛月県議と大口議員が受け止め、驚くスピードで実現しました。うれしくて、うれしくて、会う人ごとにこの喜びを伝えています」と感謝していた。

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