自殺対策

平成28年第4回定例会(2016年12月6日) 議事録より

◆6番(大沢純一君)

自殺対策について質問いたします。

本年、自殺対策基本法が改正され、4月1日より施行されました。自殺対策基本法は、平成10年に年間の自殺死亡者が3万人を超え、社会問題となったことで、総合的、包括的な自殺対策の必要性が求められるようになり、今から10年前の平成18年に成立し、施行されたものです。これによって我が国の自殺対策は大きく進んだとされております。

平成10年に3万人を超えた自殺者は、平成15年には3万4,427人と、所管する警察庁が統計をとり始めた昭和53年以降で最多となりました。10年以上3万人を超えていた自殺者数ですが、平成24年にようやく3万人を切り、昨年、平成27年には2万4,025人と、3万人台に急増する前の平成9年の水準に戻ったことが公表されております。しかし、それでもまだ2万人を大きく超えていることは事実です。

昨年末に起こってしまった大手広告代理店新入社員の過労自殺は、ことしに入っても、その衝撃と悲しみが続いております。また、本年は、本市内に限っても、家族間の人間関係が原因と思われる自殺や介護を苦にしたと思われる自殺などが報道もされました。このように、自殺の原因は、仕事の悩みや経済苦、病苦など、さまざまです。これはどんな人にでも起こり得ることであり、言うなれば誰でも自殺に至ってしまう可能性があるということでもあります。

今回の自殺対策基本法改正では、第1条の目的に、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指すことが明記をされました。どんなことがあってもみずから死を選ぶことがない社会をつくることこそ、政治の大きな使命の一つであると考えるものです。

この自殺対策について、まずは本市における近年の自殺者の状況について伺います。

◎保健医療担当部長(横塚友子君)

本市における自殺の現状につきまして、自殺者数の状況は、平成25年37人、26年30人、27年46人となっております。平成27年は前年より16人増加となっております。

以上です。

◆6番(大沢純一君)

ただいま御答弁をいただきました。本市の自殺者の状況は、御答弁ですと、少ない年で30人ぐらい、多い年だと46人。過去に50人といった、そういう年があったかと記憶しておりますが、これについて年齢別の人数と、また原因について、わかればもう少し詳しく教えてください。

◎保健医療担当部長(横塚友子君)

27年の本市の自殺者の状況でございますが、年代別では20歳未満がゼロ人、20歳代2人、30歳代10人、40歳代11人、50歳代8人、60歳代4人、70歳代6人、80歳代5人となっております。

原因、動機の集計は、遺書等により明らかに推定できるもの、三つまで計上可能としておりますが、健康問題が22人、家庭問題10人、勤務問題6人、経済・生活問題4人、男女問題1人、その他1人、不詳19人となっております。

以上でございます。

◆6番(大沢純一君)

まさに年齢層もそうですし、また原因も多岐にわたっているというようなことかと思いますけれども、自殺した人の遺族、これを自死遺族といいますけれども、1人が自殺することによって生まれる遺族の数は、研究による推計では4.78人、約5人ぐらいとされています。立川市では年間40人前後という、そういった数字になっておりますけれども、40人が自殺することによって、その5倍近く、計算すれ200人ほどが毎年遺族となり、その周辺にいらっしゃる方、その数倍の友人ですとか知人が悲しみに暮れている、こういう状況になるわけで、大変痛ましい状況が実は毎年この市内で起こっている、こういうことでもあろうかと思います。

そこで、本市でも自殺対策ということで取り組まれているかと思いますが、そうした取り組みの現状を教えてください。

◎保健医療担当部長(横塚友子君)

市の取り組みといたしましては、市民向けに平成27年度はメンタルヘルス教室、28年度はゲートキーパー養成講座を開催いたしました。

また、毎年、国の自殺予防週間や自殺対策強化月間に合わせパネル展示を行い、自殺防止の呼びかけを行うほか、広報、ホームページ等で相談窓口の周知を行っております。

以上です。

◆6番(大沢純一君)

本議会でも、過去にこうした自殺対策については質疑が行われております。平成24年12月の定例会でも、当時の議員がさらなる自殺対策の取り組みを求めたことに対して、行政からは平成26年に第4次として策定される本市の地域保健医療計画で検討していく旨の答弁がありました。しかし、結果としては、その計画の中で自殺対策とされるのは、この80ページにある鬱病対策への言及が主だと思います。

実際に鬱病を発症し、自殺に至ることが多いのも事実ではあります。WHOの2004年、多国間共同調査では、自殺に至ってしまった人の自殺前の精神医学的状況を推測すると、約30%に鬱病を含む気分障害が認められたという結果もあり、鬱病の予防と治療が自殺を予防するという考えが過去には重視されてきました。しかし、自殺対策基本法が制定された背景には、鬱病というのは自殺に至る過程の一つであって、自殺の原因は、先ほども御答弁がありました、自殺者の生活背景や社会背景にもあり、それを軽視してはならないということにあったわけです。

これまでも、この自殺対策基本法では、地方公共団体の責務として「地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する」とされていましたが、それに加えて、今回の改正では、都道府県、市町村に対して自殺対策計画の策定が義務づけられました。この計画の策定について、本市はどのような現状でしょうか。

◎保健医療担当部長(横塚友子君)

市は現在、第4次地域保健医療計画に基づき、心の健康に関する取り組みを進めているところです。御質問にありましたとおり、法改正により、市町村は、自殺総合対策大綱及び都道府県自殺対策計画並びに地域の実情を勘案して、自殺対策計画を定めることとなりましたので、東京都の計画策定状況を踏まえて本市の計画を行ってまいります。

以上です。

◆6番(大沢純一君)

今、御紹介というか、法の御紹介がありましたとおり、この13条の中で改正法では、市町村は、都道府県自殺対策計画並びに地域の実情を勘案して、自殺対策についての計画を定める、こういうふうにされておりますので、現状は都の策定を待つ、こういうことになろうかというふうに思います。

しかし、方向性自体は今からしっかりと持っていただければなというふうに思っております。都道府県の計画もありますけれども、もう一つ、「並びに地域の実情」というふうに条文にあります。地域の実情ということでは、先ほど年齢層の数字を御答弁いただきました。そこでいいますと、20代、30代の自殺が多い地域もあれば、高齢者の自殺が多い地域も都内にはございまして、本市の統計で見ると、先ほど近年は大体30代から60代くらいまでが多いようで、中でも40代が近年の傾向を見ても比較的多いのかなという、そういうような印象を受けます。

立川の地域の実情、そしてこれは都内でも地域の実情、また現状、違いがあると思いますので、東京都の計画がそのまま当てはまらないところも、これはこれで出てくるんだろうなというふうに思います。このあたりはよく精査していただきたいなというふうに思っておりますが、これまで疾病対策が中心できましたけれども、総合的な計画となりますので、ここは計画策定とあわせてしっかりそういう対策を明文化していくことが大事でしょうし、私は、これは条例も視野に入れるべきだろうなというふうに考えております。ですが、今の段階では、まずこの計画策定を見守りたいと思いますので、その地域の実情に合わせた計画、これをしっかり策定の検討をお願いしたいと思います。

ところで、先ほどゲートキーパーというようなお話がありました。これはどういうもので、今、市民向けというふうにありましたけれども、市民、あるいはまたこれは職員のほうも受講されているのかということも含めて、このゲートキーパー、これはどういうものなのか教えていただければなというふうに思いますが、わかればよろしくお願いします。

◎保健医療担当部長(横塚友子君)

ゲートキーパーとは、自殺の危険を示す際に気づき、適切な対応として、悩んでいる方に気づいて声をかけ、話を聞いて必要な支援につなげて見守る、こういうことを図ることができる人のことと言われております。いわば命の門番というふうに位置づけられる人ということでございます。

先ほど答弁を申し上げました28年度のゲートキーパーの養成講座では、6人の方に受講していただいたという状況でございます。

以上です。

◆6番(大沢純一君)

この6人の方は市民の方で、職員の方というのはこれを受講されていたりはするんでしょうか。

◎保健医療担当部長(横塚友子君)

28年度の受講者に職員がいたかということは、ちょっと今はっきりは把握しておらないんですが、この28年度の講座自体は、市民の方を対象とした講座でございます。過去には職員向けの講座なども実施をした年もございます。

以上です。

◆6番(大沢純一君)

ゲートキーパーの御紹介をいただきまして、その御答弁にもありましたとおり、自殺予防に一番重要なことというのは、この悩んでいる人に気づいて、声をかけて話を聞いてあげることだと。そして必要な支援につなげていくということ、これがこのゲートキーパーということだという御答弁がございました。私たちからすれば、本当に私たち議員もそうでしょうし、職員総出で、市民のそういったサインに気づいてあげることが大きな自殺予防になるのではないかと、そういうふうに思います。

現在、過去にも職員の方も受講されたというふうに伺いましたけれども、これは恐らく担当する部署でそういった受講をされたのかなというふうに思いますけれども、これは担当する部署にかかわらず、そういった研修を受けることが重要ではないかなというふうに考えます。

何度も申し上げておりますとおり、自殺の理由、きっかけというのは一様ではございません。そういった悩みを持っている市民が必ずしも自殺の原因とされるような健康や仕事や家計的なこと、それに関連した部署に来るわけではないというふうに思います。時には全く関係ない、例えば道路ですとか、そういうところに、自殺を考えているような、そういう悩みを持っている方が訪れるかもしれません。そういったときにこのサインを見逃さない、これがすごい重要なのかなというふうに思います。そのためにも、この命を守る研修、このゲートキーパーの研修というのはぜひ全職員にお願いできればなというふうに思います。できれば私たち議員もこれを受講できればなと思いますけれども、それがすぐ難しいとしても、一番市民に接する窓口を担当する各部署の職員がまずこれを受講するべきだというふうに考えますが、御見解をお示しください。

◎保健医療担当部長(横塚友子君)

現在、職員向けの取り組みといたしましては、先ほど申し上げました自殺予防週間や自殺対策強化月間の折には、庁内の電子掲示板を通じて職員にも関心を高めるように呼びかけなどを行っております。御指摘いただきましたゲートキーパーの研修の体制につきましては、今後検討してまいりたいと思っております。

以上です。

◆6番(大沢純一君)

ぜひ前向きに検討をお願いしたいと思います。計画策定はこれからだとしても、こうした研修を全庁挙げて行っているということをしているだけでも、市民に対して、自殺を絶対なくしていくという、この市の姿勢を伝えることになると思いますし、実際にそういった来庁者の些細な心境を感じ取ることができれば、これは私も再三申し上げてはいるんですけれども、職員の接遇という面でも大きく前進していくのではないかなと思います。

自殺対策に先進的に取り組んでいる荒川区では、このゲートキーパー研修を全庁的に行っておりまして、さらに、平成25年には、若者の自殺対策として区立の幼稚園や小中学校の教員に対しても研修を行っているということです。

ぜひ本市でも、これはできれば来年度にでも早期にまた実施をお願いしたいというふうに思います。この自殺対策については今後も議題としていくことを申し述べまして、次の質問に移りたいと思います。

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