若者の住宅政策(自治会加入を条件とした家賃補助制度)

平成27年第2回定例会一般質問(2015年6月15日) 議事録より

◆6番(大沢純一君)

若者の住宅対策についてです。

地方創生、もはやこの言葉を聞かない日はないと思うほど、我が国、喫緊かつ最大のテーマです。そしてその核をなすのは少子高齢化対策でありますが、その中でもこの少子化対策、これは言うまでもなく次の本市を担う若い世代が中心となる課題です。

あるアンケート調査によれば、子どもがいない若い夫婦で子どもが欲しいと思っている割合は98%、これは妊娠・子育て関係の専門誌アンケートですので、そのバイアスは小さくないと思いますが、それを差し引いたとしても、高い率で出産を望んでいることがうかがえます。また、子育てに消極的な声が多かった別のアンケートにおいても、ほぼ半数の女性が子どもを持つことを望んでいるという結果も出ております。

もとより、ここで子どもを持つべきという主張をするわけではありませんが、つい先日も平成26年の合計特殊出生率が1.42と、9年ぶりに前年を下回ったという報道もあり、中でも東京が最も低く1.15であるということを目の当たりにするにつけ、何とかしなくてはならないという思いは、ここにおられる職員、議員の皆様、共通の認識であろうと思います。

この少子化の最大の原因は、若い世代が将来をなかなか見通せないことにあると言えます。子どもを産んでもどうやって育てていけるのか、自分のことで精いっぱいなのに、子どものことまで考えられない、そうした不安感の大部分は経済的な理由によります。

現在、まち・ひと・しごと創生総合戦略の会議では、本市を若い人が住みたいと思うまちにしようということで、議論を進めていると伺っております。しかしそれに反して、日ごろよく聞く話として、独身のときは立川に住んでいたけれども、結婚して夫婦で住む家を探そうとすると、立川では家賃が高いので、武蔵村山市であるとか、昭島市、福生市と市外へ転出してしまう、また、家を買おうとするときにも、道路1本越えて立川から出れば、数百万円以上安くなるというので、やはり市外へ出てしまう、こうしたことをよく聞きますし、これは実感として理解できます。つまり本市の現状は、若い人にとって、住みたいけれども住めないまちになっていることが予想されるわけです。

ただ、残念ながらこうした市外へ出てしまう理由、これは統計的なデータが、現在のところ本市ではありません。以前の一般質問で申し上げたことですが、こうした転入、転出者がどういった理由でこの立川に来るのか、また、出ていってしまうのか、これは本市施策を行う上で貴重なデータとなるはずですので、この転入、転出の際のアンケートについては、改めて別の機会に実施を求めたいと思います。

ともあれ、この若い世代が立川に住み続けられない理由としては、経済的な理由、特にこの家賃の高さがその要因として挙げられると考えます

衣食足りて礼節を知るという言葉がありますが、この衣食は屋根、つまり住まいの確保が前提であると考えます。行政の手続においても、まずは居住地が定まって初めて、本市が尽力している福祉を市民に届けることができるわけです。そういった生活の基となる住宅について、若い家族世帯のみならず単身世帯も含めて、若年層の住宅を確保し、転入、定住を促すための施策が本市の未来のために必要であると考えますが、見解を伺います。

◎市長(清水庄平君)

若者の住宅対策についてであります。

国におきましても、まち・ひと・しごと創生の取り組みの中で、若い世代の結婚、子育ての希望を実現することで、人口減少の克服と地方創生に合わせて取り組み、将来にわたって活力ある社会を維持することを目指しています。

今年度、本市においても、まち・ひと・しごと創生法に基づく立川市版人口ビジョン及び総合戦略の策定に取り組みます。これは四つの基本目標として、一つ、地域での安定した雇用の創出、二つ目、若い世代の結婚、出産、子育ての希望の実現、三つ目、新しい人の流れの創出、四つ目、時代に合った地域づくり、安心な暮らしの維持、地域と地域の連携を掲げ、しごととひととの好循環を確立し、まちに活力を生み出すことを目指すものであります。

今後、外部検討委員会や若者世代の座談会等を通じて議論を深め、若い世代が本市に住みたいと感じるような戦略の策定に努めてまいります

◆6番(大沢純一君)

若者の住宅対策について進めます。

国交省の調査、2013年の国土交通白書によれば、家賃の対可処分所得比、つまり所得に対しての家賃の比率というのは、1989年から2009年の間の推移として40歳未満の単身の男性で12.4%から19.9%、40歳未満の単身の女性で19.0%から24.7%、世帯主が40歳未満の2人以上の世帯では10.5%から14.9%に上昇するなど、特に単身世帯での住居費の負担の高まりが見られると報告されております。これは低家賃住宅が減少しているためで、各世帯の家賃負担が上昇しているもので、特に若い世代での負担感が大きいと言えます。

こうした結果から、この若い世代に対しての家賃補助を求めたいところですが、もう一歩立ちどまって考えたときに、この生活の継続性をつくるものは、家賃という経済的なものだけでなく、周囲とのつながりという要素も欠かせないことだというふうに考えます。

このような考えのもと、自治会加入を条件とした家賃補助制度を提案したいと思います。

栃木県宇都宮市では、若年夫婦・子育て世帯家賃補助金という制度があり、これは中心市街地への居住を促すものでありますが、その申請には自治会加入証明書が必要とされております。また、島根県松江市が行っている若年者まちなか住宅家賃助成事業補助金交付制度では、新婚あるいはUターン、Iターンで松江市に転入してきた若年者世帯に対して、自治会町内会への加入を条件として家賃補助を行っております。さらに、青森県五所川原市では、定住する意思を持って転入してきた中学生以下の子どもがいる世帯に対して、子育て世帯移住促進事業費補助金という家賃補助をしておりますが、これも自治会に加入していることを条件としております。

自治会の大切さということは、この議会でもたびたび論じられております。今回の議会でも、我が党の福島議員を初めとして、何人もの議員が取り上げておりますが、その加入率を上げることが長く課題となっております。

新しい生活をスタートさせるに当たって、経済面、そして周囲とのつながりという二重の体制で若い世代を支援する、こうした幾つかの行政が既に実施している自治会加入を条件とした家賃補助制度を本市でも導入すべきと考えますがいかがでしょうか。

◎市民生活部長(渡辺晶彦君)

若年の単身世帯の支援としての家賃補助制度ですが、家賃補助という意味合いでは、生活保護法に基づいた住宅扶助とか、または生活困窮者自立支援法に基づいた住宅確保給付金などの制度はございますが、若年単身世帯の支援としての家賃補助というのは、現在行っておりません。これは、若年者の定住を促すということは、先ほど市長の1回目の答弁にもありましたように、政策として必要な部分というのは当然あるかとは思うのですが、これは若年単身世帯の定義とか、また、自治会の加入を条件とした場合の家賃補助というものは、これは研究すべき課題というのがかなり多いというふうに考えているところでございます。

◆6番(大沢純一君)

研究が結構多いということで、結構遠回りかなというふうな感じはちょっと受けたんですが、でも、ぜひ研究検討、よろしくお願いいたします。

こうした住宅について、セーフティネットの役割を担うのは、本市においては市営住宅であって、そのセーフティネットの網の目というのは、世代にかかわらず整備していかなくてはならないはずなんですが、その中で先ほどから申し上げております若者単身者について、この市営住宅の入居についてはどのような状況になっていますでしょうか。

◎市民生活部長(渡辺晶彦君)

市営住宅の入居につきましては、これは市営住宅条例の第6条第1項のところに入居者資格という定めがあります。これは、現に同居しまたは同居しようとする親族があることということが条件とされておりまして、原則的に単身世帯というのは入居はできません。しかし、生活保護受給者とか、または60歳以上の場合等はこの条件が不要とされているという状況でございます。都営住宅もおおむね同じような内容となっておりますので、この条件以外の方で、単身世帯の入居というのは、現在できないという状況でございます。

ただ、他団体の状況等について、そういう事例があるということでしたら調査してまいりたいというふうに考えております。

◆6番(大沢純一君)

本市に至誠学園という児童養護施設があります。御存じのとおり、肉親とか保護者と暮らすことができない子どもたちが暮らす施設ですが、18歳から20歳にかけて、卒園を迎えることになります。この立川で育ったそうした若者に、できることなら、引き続きこの立川で将来設計を描いてもらいたいし、立川の未来のために大きな力になっていただきたいと思うのは私だけではないはずです。

しかし現実には、卒園してからの住まいの確保に大きな困難があるそうです。それは、先ほど申し上げた連帯保証人の問題なんですね、前回の議会でも申し上げましたが。保護者、近親者と暮らせないために、これまで施設での生活を送ってきました、そういう方が。卒園して、住宅の賃貸契約を結ぼうとしても、保証人が探せない。現状は、この至誠学園で保証人を受けてもらうことで入居できていると、こういうことであるということでありました。

先ほど御答弁ありましたとおり、現在の市営住宅の入居基準では、若年者単身でも生活保護を受けていれば入居できます。しかし、仕事をしながらぎりぎりのところで頑張って、どうにか生活保護を受けないで暮らしていこうとしているけれども、保証人の当てがない、こうした若者、セーフティネットを福祉的住宅の役割として、また、自立支援のための大きな役割として、市営住宅の入居をこうした若者にも広げていくべきだと思いますので、ひとつ、次のような提案をさせていただきたいと思います。

現状では、市営住宅の入居は高齢者の割合が大変に高い。もちろん高齢者の住宅の問題も大きな問題ではありますけれども、高齢者については、これからも住宅の確保に全力で当たらなければならないことは、私も十分承知しております。しかし同時に、公営住宅の福祉的役割を考えるならば、先ほど申し上げたような、生活保護を受給しているわけではないけれども保証人の確保が難しい、こうした若者について、例えば民生委員や地域福祉コーディネーターと連携しながら、高齢者の見守りをしてもらうことを条件に入居を可能にするということも一つの視点になると思いますが、いかがでしょうか。

◎市民生活部長(渡辺晶彦君)

確かに公営住宅の場合、セーフティネットという役割が当然あると思います。公営住宅内の高齢者の見守りをするということを条件にとか、いろんなケースは考えられると思うんですが、現段階ではそういう状況の住宅施策というところまでは動いていっていないという状況でございます。

ただ、今年度、住宅マスタープランの改定等もございますし、住宅施策というものを福祉施策の部分も含めて、どういうふうに考えるのかというのは当然議論すべきものだというふうに考えておりますので、そういう中で調査研究または検討していきたいというふうに考えております。

◆6番(大沢純一君)

ぜひ検討お願いいたします。

今、御提案したことは、実は若者の自立支援という観点にもつながると考えております。この今申し上げた見守りに、例えば見守り支援員であるとか、市の職としての立場を与えてもらう、そうすると、これがその若者の職歴になるわけなんですね。つまり履歴書に書けることになるんです。若者が就職しようとする場合に、この職歴があるかないかで、やはり採用の評価というのが大きく違ってしまう場合も少なくないわけで、この職歴を積めるということ、こうした視点もどうかあわせて御検討いただきたいなというふうに思っております。

これまでの高齢者を中心とした公営住宅の役割から、若者のセーフティネット、そして、自立支援まで見据えていく市営住宅にしていくことが、少子高齢化の中で、団地内世帯を活性化して、さらに再構築していく、さらには地域を活性化していくものになるはずであると申し上げて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

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