2017/03/18 BONDプロジェクト代表・橘ジュン氏の講演を聴講

「10代、20代の生きづらさを抱える女の子のための支援」を掲げるNPO法人BONDプロジェクト。
その代表を務める橘ジュン氏の講演が本日、武蔵野市「武蔵野プレイス」で行われ、参加しました。

この講座は武蔵野市主催の市民こころの健康支援事業として開催され、本日のテーマは「自殺対策」。
死にたい、消えたいと考えてしまうような状況にいてもなかなか声を上げられない少女。そもそも声をあげるという考えにも至らないまま、行政の制度からこぼれ落ちてしまう若い女性たち。たとえば性暴力を受けて妊娠の可能性があっても、病院に行くと保険証を使うので親にバレてしまうから診察にかかることもできない。学校にもアルバイトにも行きたいけれど、様々な理由で家には帰りたくないという状況で児童相談所に入る対象にもなれない。BONDプロジェクトそういった女性たちを支援している団体です。

2月26日のNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」でこのBONDプロジェクトの活動が放送され、講座では最初にそれを視聴。この中でBONDプロジェクトが信念としている『生きようとする力を信じる』という言葉に強く感銘させられました。

その後、橘氏の講演に。

BONDプロジェクトの活動の大きな柱の一つが繁華街での声かけ活動ですが、これは必要にかられて行っているものだそうです。
なぜなら、それまで行政などへの相談が必要だと考える少女たちに、相談窓口を情報提供してもなかなか訪ねてくれないという現実があるから。
今まで信じられる大人がいなかった。誰かに助けを求める声を上げるなんて考えたこともない。そういった少女に自分ひとりで相談に行かせることは大変難しく、たとえ行くことができたたとしても、しっかり話せないことも多いそうです。
そういったことから、支援が必要と思われる少女のところに自ら会いに行き、支援に繋げるという活動をしています。

「(支援が必要な)こういう子に出会いたい」というアンテナを立てながら街を歩く。最近では外見で判断することも難しく、一見何の課題も抱えていないような子も多くなっているとのことでした。しかし実際にそういう子に出会えたときに「見つけてくれてありがとう」と言われたこともあるといいます。

このような支援を必要としている少女たちは自己肯定感が持てないことが多いそうです。そのため虐待や性暴力を受けていても、自分が悪い、もっと辛い思いをしている人がいると考えてしまい、なかなか相談に至らないということでした。

そのためにメールや電話、フリーペーパーやイベントなどいろいろな手段を使って、そうした女性たちの声を聴き、情報を伝える活動も行っています。

そのような環境にある少女、女性にとってはなによりもまず居場所が不足している。被害が起こる前の居場所であり、いざという時の避難場所であるシェルターがないのが現状ということでした。とくに行政の対応は「時間がかかる」とのこと。具体的には週末の相談に対して「月曜日に再度来て」ということであったり、また「警察に行って」というものであるように、即刻対応するという行政はとても少ないという指摘がありました。「夜の街で一晩で人生が180度変わってしまう子たちをたくさん見てきた」という現実のもとで、行政の対応はどこも不十分だということ。また制度としても「犯罪被害者支援というものはあっても、犯罪に巻き込まれてしまう前の支援がない」ということも言及されました。

ネグレクトを受けていて、掃除も洗濯もしたこと(されたこと)がない。
常に暴力を受け続けていて、これまで平穏な時間を与えられたことがない。
危害を加えたり利用する大人以外に出会ったことがない。
・・・信じられない思いですが、こういった環境にある若い女性が現実にいるということです。

今回この講演に参加し、行政の支援のあり方をあらためて考えさせられました。初めて知ることも多く強い衝撃を受けました。講演のなかで、自己肯定感の低さは日本社会全体の問題だとも言われていましたが、次の日本をつくる世代にどうやって信じられる社会をつくっていくのか。政治の大きな課題でありますが、そのためにも足元からできることを、これから行っていきたいと思います。

<資料はこちら>

 

 

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